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飲食店営業の新しいかたち

*これは https://note.com/203050/n/nd8737db42a19 の続きです。先にそちらをお読みください。なお、文中で、食品衛生法に関連することを書いていきますが、これはあくまでも一食品事業者だった私の経験によるものであり、間違っている可能性もおおいにあります。(ご指摘いただけましたら幸いです。)また、従来からいわれていますが、保健所によっても見解が違います。正確なところは必ず、管轄の保健所や法規に照らして確認していただくよう、あらかじめお願いします。トラブルには一切の責任は持てません。そもそも、ざっくりとしたことしか書けません。ということをご了承くださる方のみ、以下、お読みくださいませ。

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先の投稿で、新型コロナウイルス感染による社会情勢の急激な変化によって、あおりを受けた飲食店が自助努力として、現営業許可ではグレーゾーンと解釈される可能性もあるテイクアウトや宅配による営業を余儀なくされている、このままグレーゾーンにしておかないで、一時的な措置でもいいから、ちゃんとルール改変してほしい、ということを書きました。ここではそのための具体的な仕組みを提案します。

結論から先に書きますと、まず、飲食業やったことない人には、え、そんだけ?っていうか、あんまりぴんとこないと思うんですが、「飲食店(レストラン)営業許可」のところの弁当販売と仕出しを、条件付きで公認してほしい、ということです。もうちょっと具体的にいうと「ひとつの厨房設備で仕出し弁当もできる新しい飲食店(レストラン)営業許可」という、許可の種類というかジャンルみたいなものをつくって、申請に応じて許可を出す仕組みをつくってほしい、ということです。

え、もうみんなやってるじゃん、といわれるかもしれませんが、あれ、各店が自己責任でやってるんです。保健所がやめろっていったら抵抗できないし、下手すりゃ営業停止。危ない綱渡りやってるんです。だからそれをオフィシャルにしてほしい、グレーじゃなくてホワイトにしてほしい、ただし、事故(食中毒)などが起きないように、ちゃんと別途、条件をつけてほしい、新しいルールづくりをしてほしい。それが、まず今の状況下、現実的で金のかからない手当かな、と、もと仕出し弁当屋としては思う次第です。

もちろん、弁当やりたきゃ、仕出しなどの営業許可を別途とれっていうのが、これまでの保健所の指導です。本来、そうあるべきだと、私も思います。でも、それには施設整備のための大きなお金がかかるし、工事中は営業ができません。なにより、仕出し弁当用に施設を変更してしまったら、もう同じ施設でレストランの営業継続はできません。

今回の危機を飲食業に乗り切ってもらうために、暫定的に条件付きで仕出しの許可を出してレストラン許可と両立できるようにできないものでしょうか。製造の時間で分けるとか軽微な施設整備で許可出すとか冷蔵庫などは別にするとか数を制限するとか。そこはいろいろ工夫はあろうと思いますけど。そういう新しい種類の許可みたいなやつ。そういうの作れないでしょうか。

具体的なところはもう、法律とか衛生とか設計とかの専門家の領域になってくると思うので、私がいうのはちょっと違うかなと思いますけど、とにかくもう、テイクアウトや弁当の配達なしには飲食店営業が成り立たなくなっているのが現状だと思います。私が言いたいのは、それ、各店の自己責任にしないで、ちゃんと社会の仕組みにしてもらえないでしょうかっていうことです。さらにいえば、地域の飲食店、このまま潰すんですか?どうするんですか?ということです。潰れないような仕組みをきちんとつくってほしいです。飲食店は、いろんな人の働く場でもあります。

今の問題は、飲食店営業(レストラン)が本業だけど、お客さん来ないから営業収入の落ち込みを補うためにテイクアウトをやりはじめた、そしたら意外と好評なので、出前やってみたり、注文品を届けたりし始めた、そしたら注文が大量に入ってきたので、一度に大量につくって届けるようになってきた、みたいな、なんかこう、ある意味、なし崩し的にですね、やらざるをえなくなっている。でも、それ、レギュラーにして事業として継続するためには法規クリアが必要なんです。そのためには、施設の改造とか許可の取り直しなどが必要。だけど、そこまでやっちゃうと業態の変更になって、もう、レストランの営業は諦めなければならない(厨房がひとつしかないならどれかひとつとらなければならないんです)、この状態がいつまで続くかまったく先が見えないのに、そんないわば緊急避難的なところに店の命運かけていいんだろうか、そもそもそれってつまり、いったん廃業して新規開業するみたいなもんじゃないの? こんな時代にそんな設備投資して、ほんとにやっていけるのか? みたいな状況で、結果としてどっちつかずにならざるをえない。

これ、きちんと政府の補償があれば、こんなことになってないですよね、きっと。

みんな、もともとの商売の日常にすっと戻れれば、そのほうがいいんだろうと思います。でも、先が見えないからやらざるをえない。

深く考えないでやっているところもあるかもしれませんが、周りもやってるし、特に保健所もまだなにもいってこないから、大丈夫かなあ、と思いつつ、いつ保健所になにかいわれるか、びくびくしながらやってるところもあるのではないかと想像します。それにもう気温もあがってきて、食中毒のリスクも爆上がりしてる。このままでは飲食店にも危険だし、消費者にも危険です。

こんな「どこまでいいのかわからないままでやらざるをえない」状態のままで放置するのは、誰の益にもならないと思います。「食べて応援」だけでは足りません。きちんと安定して、新しい環境の中で、堂々と営業しつづけられる新たな仕組みが、今、飲食店には必要だと思います。

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