「まちなかコンサート」感想

 2018年9月に上野の森美術館で開催された、カウンターテナーの村松稔之さんとリュートの佐藤亜紀子さんによる、まちなかコンサートの記録です。

 村松さんは前から大好きな歌い手さんで、佐藤さんはラジオドラマ「暁のハルモニア」の劇中音楽を演奏されていた方。素晴らしい企画をありがとうございます。

 男性が高音で歌うことにより、男性的なものと女性的なものが重なり合って真っ白になるようで「普遍的な愛の声」を私は聴いた。カウンターテナーがみなそうだという訳ではなく、村松さんの歌から特に、天から降り注ぐ愛を感じる。
(本来の意味で)尊い。

 リュートの音色は深みがあり、一つの音の中に様々な感情、憂いや希望などを含みながら、穏やかに響く。

 最近、男性と女性が対立するのを見ることが多くなり、お二人の演奏にあるような調和は訪れるのだろうかと、暁のハルモニアの登場人物であるアマーリエ様みたいな気持ちになって、涙ぐんだ。