「萩岩睦美 画業40周年記念 再現画展」感想

 2018年10月にガレリア表参道原宿で開催されていた、萩岩睦美展の記録です。

 萩岩睦美さんは雑誌「りぼん」で活躍していた漫画家さん。私は子供の頃に「パールガーデン」「うさぎ月夜に星のふね」「魔法の砂糖菓子」などの作品を繰り返し読み、かなり強く影響を受けた。幼い私に「世界が単純ではないこと」を教えてくれた物語。私の魂の土台になっている。

 再現画、というのは雑誌掲載のために描いたカラー原稿を、展示に耐える画材で御本人が描き直したもの。元の原稿は印刷向きのインクを選んでおり、紫外線で褪色してしまうそうです。

 どの絵も懐かしくて、可愛くて、綺麗で…… 萩岩さんに話しかけるファンのみなさんが「作者に会えた感激でどうしたら良いか分からない!」という感じに熱い思いがあふれまくっていて、その様子を見ているだけで幸せだった。私は「似顔絵そのまんまの萩岩さんだ~」と見つめるばかりで、声をかけられなかった。ひたすら会場内をぐるぐるしていた(不審者)

 少女の頃に夢中になった物語を今でも愛し続けているファンと、かつて描いた作品を今でも大切にしている作者が作り出す、親密で幸福な空間でした。

この記事が参加している募集