アニメ「リズと青い鳥」感想

「響け!ユーフォニアム」のスピンオフ作品。
 主人公がユーフォニアム奏者の黄前ちゃんではなく、オーボエ奏者の鎧塚先輩になっています。
 視点が違うとこれだけ見えるものが変わるのか。

 鎧塚みぞれはフルート奏者の傘木希美が大好きで、ずっとそばにいたいと思っている。
 その思い詰める様子と、傘木希美の複雑な感情が、細かな仕草や瞳の動き、楽器の音色などによって丁寧に表現されている。
 わんわん泣くような感動ではなく、心をてのひらでぎゅっと押さえられるような切なさ。
 二人の気持ち、どちらも経験がある。

 たとえ先輩であっても、納得のいかない演奏を聴いたら黙っていられない高坂さんが可笑しかった。
 スポ根もののような雰囲気がある「響け!ユーフォニアム」に対し、「リズと青い鳥」は「音楽を奏でる」話になっているのも良かった。

 「才能」や「将来」という言葉が重くのしかかってきた、あの頃。
 周りには沢山の友達がいて、どうにか日々を生き抜いていた。
 私も吹奏楽部で、楽器の「音色」を友達の「声」として聴いていた。

 上手く歌えなくても、その声はあなたの声だよ。

この記事が参加している募集