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3年生 Let's Try!1 Unit6 知ってるつもりのALPHABETだからこそ

1 素語録■SUGOROKU

夏休みですねぇ!先生をしていた頃、1年で一番うきうきしていた時期です。そろそろ子供と少し距離を置きたいなぁって感じる頃でもありました。最近はいろいろと個の多様性を尊重するがゆえの難しさに、必ずしも良好な人間関係を築けないまま夏休みに突入…なんてケースも多いのではないでしょうか。先生も人間、どんな人とでもパーフェクトな人間関係が築ける?そんなはずがない。もちろん信頼に値する存在でなくてはならないと思いますが、何をどうしても心を向けてもらえなくて凹んだ経験、苦いですねぇ…。若かった頃は、クラスの子供みんなから好かれたいって思いが強くて逆に追い込んでたり、周りの先生から「いい学級経営してるね」って認めてもらいたくて、一人でもはみ出さないように強固な壁を築こうと必死だったり。経験を積んで気付いたことは、それほどまでに肩に力が入っている時には、一人一人の心の有り様に全く寄り添えていなかったなぁ…という反省の念。

たしか夫の言葉だったと思うのですが、「1/3の考え」に私は気持ちを切り替えることができました。集団の中には、自分を認めてくれている人、なんとも思っていない人、自分を否定している人がいて、その割合は、うまくいっている状態で1/3だと思うといい。集団をよりよくするときに、つい、否定している人をなんとかこちらに向かそうとあれこれやってしまうけど、結構逆効果。自分を認めてくれている人に頼ってそちらばかり見ていると、気づいたら否定派が増殖中。じゃぁどうするか?私の失敗からの学びは、真ん中の「なんとも思っていない人との素のままの姿で打算のない人間関係の構築」を心掛けるようにしたこと。少しずつ肯定派が増えてきたことを実感したときに自分の中に余裕ができて、否定派の「所以」に真摯に向き合えるようになった気がします。

夏休みには、クラスの子供の顔を思い浮かべながら、あらためて1/3のどこに所属しているか、結構真面目に考察しておりました…。もしよかったら、やってみると2学期の人間関係作りに役立つかもしれません。2/3は肯定派、なんてカウントしている人こそ、じつは落とし穴におっこっちゃうかも(ちょっときつめのコメントでした)。

2 ALPHABETを使ったactivity  #Let’sTry!1Unit6 より

先生ががんばらなくても子供は楽しい外国語活動⑥」で先に評価計画について投稿しました。activityについても少していねいにご紹介します。

アルファベットの学習は、やり方さえ間違えなければ中学年の子供の知的好奇心をくすぐるのにぴったりの学習だと思います。これも失敗からの学びですが、私たち大人にとってのALPHABETは、慣れ親しんだ文字であり、さほどのアレルギーも文字自体にはありませんが、3,4年生の子供にとっては未知との遭遇。ワクワクする子もいれば、壮絶なアレルギー反応を示す子もいました。お決まりの「どうせ日本で英語なんてしゃべらないんだから、やらなくていい」的な言葉が聞こえてくることもしばしば。本当に分からなくて不安でいっぱいの子が思っている以上にいる、と心にとめて指導することが成功のカギです。

(1)ALPHABETをさがせ ♪BINGOとコラボ

これは単純明快、イラストの中にかくれているALPHABETを探して、好きな色を塗る活動なので誰でも安心して取り組むことができるactivityです。教科書のイラストを使って丸を付けさせるだけでもOKですが、ちょっと仕掛け付きだとさらにわくわくがアップします。今回は子供たちがよく知る♪BINGOの歌に仕掛けを入れたactivityを紹介します。

【activityの進め方】

①♪BINGOの歌の練習

ここでちょっと英語エキス

この歌は本当に英語の学習にぴったりだなと思うのは、英語的エキスが満載だからです。
■There was a farmer. 
◇農家のおじさんがいたんだって。
■He had a dog.   
◇何を飼っていたの?「犬!「dog!」 
■BINGO was his name-o! 
◇名前は?「ビンゴ!」
■male? female?           
◇オスの犬?メスの犬?「???」
■his name                 
◇ hisがついたときは男・雄「女・メスは?」
■her        
◇人でも動物でも同じです。「ふぅん」
こんな感じのやり取りをしながら、発音の確認と合わせて、ちょっと英語的エキスを盛り込むと、知的好奇心をくすぐられるみたいでした。過去形については、3年生には盛り込みませんでした。(さじ加減が大切)歌遊びのやり方(一文字ずつ抜いて手拍子)は結構知っているので、歌いながら覚えさせるといいです。

②BINGOには仲間がいた!

歌を楽しんだ後、「実はBINGOには妹がいたのです」と言って1枚目のカードを黒板に貼ります。

BINGOの次はこれに限ります

さて、妹の名前の手がかりは…?と困った顔をすると、「Aがあるよ!」「Oもあるよ!」と張り切って教えてくれます。それを待って、印刷したカードを配ります。初めはていねいに一つずつ確認しながら「Mはどれ?」「赤で塗ってみよう」と5文字分一緒にやります。出てきた文字のALPHABETカードを一つずつ向きを確認しながら「M]「A]「N]「G]「O]と貼っていきます。
■Her name is [MANGO]
◇妹の名前は「マンゴー」っていうんだね。
ここでherに気付く子がいたらめちゃくちゃ褒めましょう!気づかなかったらさらっと先生が言う程度でOK。そして、♪BINGOの歌をMANGOバージョンで歌います。この歌の良いところは、名前のALPHABETを繰り返すので、歌いながら覚えることができるところです。BINGOとMANGOは似ているので2番目にはぴったりの名前です。

③仲間を増やせばいい、というものではない

BINGOの仲間を増やしていくのはとても楽しいのですが、子供の様子をよく見て、飽きてきた気配を察知したら潔く次のactivityにチェンジ、が大切。これはクラスや子供の実態によっていろいろでしたが、楽しそうだからと言って何度もやると一気にテンションダウン…という失敗もたくさんしました。

5文字の単語ならなんでもOK

(2)ALPHABETは形をイメージ

少し慣れてきたら、AからZまでを改めて学習します。私はこれはタブレット(chromebook)を使ってやりました。chromebookのjamboardは子供に操作させたい教材づくりにはめちゃくちゃ重宝しました。

【activityの進め方】

①ALPHABETには2つの名前 

子供はほぼほぼ間違いなくABCを見たら「エイ」「ビー」「シー」と呼んでいきます。もちろんそれでよいのですが、日本語との違い、文字の読み方と発音の音が違うということに慣れていません。だからこそ、はじめに2つの名前(と私は教えました)「letter's name」[sound's name」があることを丁寧に指導しました。テキストでも「A(エイ)・ア・ア・アプル🍎」的なものが一般的です。とは言え、はじめは♪ABCSong(letter′s name)から慣れさせていきます。

②下りABCと上りABC

教科書についているABCカードを切り取ってもよいし、印刷してもいいですが、その作業に実は時間がかかる。これ「外国語活動悩みあるある」ですよね。私の場合、ICT支援員さんに相談したところ、jamboardを使った教材づくりを教えていただきました。これはBINGO!大当たりで、小文字も含めて3-4年生、時には5年生にも復習を兼ねてやらせたくらいです。今回は、chromebookを使っていない学校でもできる、アナログタイプを紹介します。(jamboardは別途紹介)

個別の習熟度に合わせたステージ1・ステージ2

これを表裏で人数分印刷します。薄字版は特別支援学級の先生の実践報告で、数字を並べる学習でとても安心して子供たちが取り組めていたと聞いて「!」ときました。ALPHABETそのものにまだ抵抗や不安が多い場合、これがあれば形をよく見て自分のペースで学習が進められると思ったのです。案の定、これはヒットしました。ステージ1は個別対応のつもりで準備しましたが、実は、形が似ていて分かりにくい文字を台紙の文字とよく見比べている子供が多く、百聞は一見に如かず。では、全員が必要か?すでにパーフェクトに覚えている子供もたくさんいます。その子たちには、はじめからステージ2。

切り取るとMyアルファベットカード

ALPHABETカードを切り取ってあとは台紙に並べていきます。ABCD.…と下っていきながら、慣れてきたらZYXW…と上っていく。このように九九の学習のようにいろんなやり方でやらせると喜びます。また、だいたい順番が頭に入ってきたら、3分間チャレンジ。ライバルは前回の自分、と繰り返し伝え、決して友達との競争でないことを確認してから、目標タイムを心に決めさせて、♪ABCsongをBGMに練習させました。ステージ1で自信がつくとたいていの子供がステージ2にチャレンジしていました。どうしても分からない.…と涙を浮かべて相談に来た女の子。休み時間ごとに英語ルームに来ての練習に付き合いました。1週間ぐらい通って、なんとステージ2も2分間でできるようになり、よほど嬉しかったのか、かわいいお礼のお手紙が届きました。できなかったことができるようになる、これが学習の喜びだと自分の力で気づくことができたことこそがかけがえのない最後に糊付けさせれば、きちんと学習の成果を残すこともできます。

jamboardのよさは、なんといっても先生の準備の手間が激減することと、子供の作業の負担がないこと。これは実はめちゃくちゃ大切なことです。私のようにICTに疎い者でも、昨今の「一人一台タブレット」の威力を実感しております。ただ「何から何までタブレット」ではなく、効果的な場面で効果的に使うことの大切さは、すぐに学びましたけど。

学習内容の特性にぴったり!

▲jamboardの教材を埋め込みました。学校でchromebookをお使いの場合は、ダブレットの指操作で並べ替えができるのでとても重宝しましたので、ご覧ください。2枚めがステージ2です。ちなみにjamboard、フォントが選べない(選び方を知らない?)ので教科書のフォントと違うのがあって、はじめに説明しないと「Jが変です!」「Qが変です!」とクレーム対応が大変でした…。印刷、切り取り等、先生も子供も負担激減です!

(3)ALPHABETハンター「BINGO」

最後の仕上げは、ALPHABETの習熟。歌わなくても、見ただけで分かるようにしたいものです。このactivityは、あえてタブレットではなくアナログな学習にしました。その方が効果的だと判断しました。

【activityの進め方】

①ペアでBINGO

BINGOカードにランダムにALPHABETを書いて印刷したものをペアに一枚配ります。

ゲットしたALPHABETでBINGO!

②お互い欲しいALPHABETを宣言

◇「H, please」「Y, please」
しっかり英語で伝え合います。これこそ本時のめあて!

③ジャンケンをして…

◇rock, scissors,  paper, 1・2・3!
勝った方が宣言したALPHABETをゲットでき、ビンゴ表に〇。

④たくさんBINGOが取れた方の勝ち

勝敗は勝敗で認めますが、大切なのは「ALPHABETを自由自在に伝えることができたか」という学習のめあてが達成できたかをしっかり振り返らせることを忘れずに。

学級の実態に合わせて、クラスを2分してチーム対抗にしても楽しかったです(こっちのほうが楽しかったかな)。

忘れてました。このゲーム仕掛けが一つあります。ALPHABETは26音。BINGOは25マス。
■What is the last letter?        あと一つはなぁんだ?

(4)頭文字紹介あいさつゲーム

いよいよ学習のまとめ。様々なactivityを経験しながら子供たちはALPHABETを習得してきました。まだまだ自信がない子もたくさんいるはずですので、「今はそれでいい」ことも伝えることで、英語嫌いを作らないようにしたいものです。

【activityの進め方】

①自分の名前の頭文字を知る

一昔前、first name family nameの自己紹介をさせていました。そのような自己紹介をする子が実際にも多いです。でも、私はこの数年、日本語と同様の順番で自己紹介させるようにしてきました。強制はせず、どちらでもいいという対応。

「自分の名前の頭文字を知る」これは先生が少しがんばるところです。一人一人の名刺のようなものを作って渡します。

名刺づくりは先生がちょっと頑張る

苗字と名前の初めの文字を頭文字と言うことを教え、自分の名前の頭文字に〇をつけさせました。自己紹介自体はすっかり慣れ親しんでいる頃ですので、軽く練習をして、クラスの友達と交流をしていきます。
◇Hello! My name is MINAMOTO SHIZUKA, M and S.
◇M and S, OK! My name is YUZAKI SATOSHI, Y and S.
◇Y and S, OK!
できるだけ、リピートさせるようにすると効果大。

3 評価計画に沿って子供にも自己評価を

先生ががんばらなくても子供は楽しい外国語活動⑥」に沿ってactivityを紹介させていただきました。ぜひよかったら、このパターンで一度やっていてみてください。もっといいものがたくさんあると思いますが、何もかも自分で!と肩に力を入れずに、人がやったものをやってみながら自分流にしていくというのもありだと思います。

夏休みだぁ!と、うきうきした7月が終わり、8月に入るとなんだか心にヒューっと隙間風が吹き出すのをなんとなく寂しく感じていた頃が懐かしいです。とにかく、ゆっくりと1学期の疲れを癒してくださいね。宣伝ばかりになってしまいますが、日頃頑張っていらっしゃる先生方が、心身ともにリフレッシュできる「Second House sch-sch」をこの夏オープンしました。ただいまFinlandサウナ小屋を建設中。ぜひ一度非日常を楽しみにいらしてくださいね。お待ちしています。

酷暑厳しき折、くれぐれもご自愛ください。



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