世の中はどうしてこんなに不公平なのだろう

これは私の大切な友人の話。

彼女は非常に聡明で優しくて、それでいてノリが良くて…
外から見たらものすごく明るい人で、常に人に囲まれている。

彼女は人を惹きつける力に長けていて、周囲の人を常に鼓舞し、たくさんの人に尊敬されている。

常に他人ファーストで自分のことは二の次なのに、結果的には自分自身も目標をどんどん実現しているパワフルな人。

でもこれは「表向き」の彼女。

魅力的な人であればあるほど、その裏での努力や苦しみは他者には伝わりにくい。

人間は結局、その人物の成果や魅力といった、「表面的」な結果しか注目していない。

「あの人の魅力は生まれ持った才能なんだろう」
「このすばらしい結果は、あの人の特殊な能力のおかげなんだろう」

でも、そうじゃない。

全ての「才能」に見える個々人の魅力というのは、「裏」でいっぱい葛藤し、苦しみ、努力し…そういった結果として表れているものなんだということを、彼女を見ていると思う。

彼女は人一倍明るい。

それでも、心の奥底では常に苦しんで葛藤し、どうしていいかわからなくなっている。

いろんなことを一人で背負って、気が付いたら自分の夢を何度も何度も諦めて、自分の未来が分からなくなってしまっている。

「私、もうどうしたらいいかわからない。」

昨日の深夜、彼女にそういわれて、世の中なんて不公平なんだと思った。

こんなに頑張って、こんなに苦しんで、こんなにいろんなものを背負って…。

それなのに彼女が報われないなんておかしい。
こんな不公平な世の中あってはならない。

そう思いながら、私は何も言えなかったけど、彼女と一緒にいっぱい泣いた。

彼女はどこにいても自分自身を輝かせることができる。そしてそれ以上に彼女の周りにいる仲間も輝かせてくれる。
それが彼女にとって望むフィールドではなくとも、彼女はおかれた場所で最大限努力し、最高に魅力的な人間になれる。

だから、彼女が自分の夢をあきらめ続けて、自分の望むフィールドにいられなくても、彼女は他人から見たらずっと輝いているように見えるだろう。

でも私は彼女が自分の望むフィールドで、彼女の望むように輝く、真の彼女を見たいのだ。

彼女の裏の葛藤を知っているから、何でこんなにうまくいかないんだろう、彼女を見ているとそう思ってしまう。

彼女に自分の夢を追い求める権利を与えない、そんな世の中なくなってしまえ。

いつか自分の夢を追い求められる日が来ると信じて、今も努力を続ける彼女が夢を叶えるとこを見たい。

夢を追い求めることさえ許されない、世の中ってなんでこんなに不公平なんだろう。

努力している人はいつか必ず報われる、
大人はみんなそういうけれど、嘘だったのかな。

彼女の話を聞くことしかできない自分の情けなさを覚えながら、彼女が報われる、そんな日が来ると信じている。

今日も彼女は強がって、本当は苦しくてたまらないのに、誰よりも明るくて優しくてノリが良くて…「普段通り」の自分を装っているのだろうと思うと心苦しい。