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映画制作日誌|【二本立て】僕は泣き虫船長 / 名刺代わりの10本


久しぶりの映画日誌です。

毎日書くとか言って、色々あったり、そもそも書くことが「脚本やべーよ」しかなかったりで、だいぶ日にちをあけてしまいました。

この短期間で変わったこと。
・メンバーが減って7人になりました。
・脚本制作60日目にして、脚本の土台(「この話で行こう」ってやつ)がようやく決まりました。
・カメラマンのゆうくんが75万のシネマカメラを自腹で買いました。
・「人生ベスト映画」が『トップガン マーヴェリック』になりました。
・うちの本棚が4つに増えました。

僕は泣き虫船長

この短期間で起こった数々の出来事。実に複雑。
絶対にこんなサラッと報告するものではありません。

たくさん泣きました。
彼女と別れても泣けないような人間なのに、本当にたくさん泣きました。

「人生から映画を失う」と覚悟したとき、びっくりするくらい傷ついてしまって、感情のコントロールができなくなりました。

全てが悪く見えたし、目の前に映るものを全部壊したかった。
もういっそ自分の生きる世界から「映画」という存在を消したかったし、
逆に自分という人間を社会から消したいとも思った。

ちょうどその期間、バイトが6連勤だったんだけれど、もしあの期間にバイトがなくて、一人で考える時間があと少しでも増えていたら、もう、発狂しておかしくなってしまっていたと思います。

無気力で、目に光がなくて、まさに刃物のような言葉を容赦なく仲間に浴びせる。
あんな自分は初めてで、ちょっと怖かった。

その期間の自分は、映画を観るのももうやめようと思っていて
「落ち込みすぎでは?」と、確かに自分でも思うんだけれど

人生の光。親であり我が子。太陽であり月の光。恋人であり親友。甘いものでありしょっぱいもの。喜びと悲しみ。ちょっと悪魔で、天使。片想い中で、両思い中。

そんな、今の自分にとってとてつもなく大きな存在である「映画」を失ってしまいそうになって、なんかほんと、人生史にしっかり記録されるレベルで、だいぶ落ち込みました。
あそこまで「落ち込む!」って落ち込み方したの、初めてかもしれない。
本当〜に落ち込んだ。

そんな日々でした〜。ちゃんちゃん

それでも今、また夜中にカタカタと映画日誌を書いているわけで。
航海せずに航海日誌は書けないわけで。
つまり、また映画制作をやめられなかったわけで。
未だに自分は、映画という大海原で、気が遠くなるような宝探しを続けています。

やれやれ。

そんな感じの2週間でした。
そもそもなんで喧嘩したの?とか、どうやって再発起したの?とか、詳しくは近日第二.三弾を公開予定の連載「定点カメラ」まで。

以上、ここまでが、読んで欲しい映画日誌。


オレの名刺代わりの10本

これ以降は性癖丸出し「好きな映画語り」タイムなので、読まなくても良いです。

一応今回は「好きな映画」というテーマと絡めて映画日誌を書き進めろとのお達しがありました。

読まれると人間としての核を丸出ししているようなものなので、少し恥ずかしいです。寺尾都麦を知りたい人だけ、どうぞ。

さて、最近思っていることがあります。

オレ、映画、めっちゃ好き。

「だろうな」というコメントが返ってきそうで怖いんだけど、でも本当にこれは最近改めて感じている。あ〜自分はめちゃくちゃ映画が好きなんだな、と。

というのも、最近バイト先の人たちがたくさんかまってくれるもんだから、日常生活に「雑談」というコンテンツが組み込まれることが多くて

その時に、じぶん、びっくりするほど映画の話しかしないのです。

そして、好きな映画の話をしているとき、ニヤニヤが止まらない。
映画館でも、ニッコニコが止められない。

本当につい最近まで映画のことを
「好きだけど、なくても困らない」と思っていたのですが…。

映画、めっちゃ好き….。こんなに好きだって知りませんでした…..。

そして、先日聞かれて感情が大爆発しそうになった質問がコレ。
「人生のベスト映画は?」

こんなに難しい質問に初めて出会いました。

というわけで、好きな映画について話します。
無論、映画好きの「ベスト映画」はリアルに2~30本ありますし、今日はそのうちの「名刺代わりのベスト10」を紹介します。


気がついたら2時間パソコンの前にいて、ベスト映画4本目にして字数が8,800文字を超えました。それでも納得いくレビューを書けませんでした。言葉にすると安くなってしまいそうで。

マジで書き始めると止まらなくなっちゃうことが判明したので(てか脚本書きたいので)一旦8,800字のレビューは削除して、ベスト映画10作を箇条書きにして、そこにひと言コメントを添えるだけにします。

  • トップガン マーヴェリック(2022)・・・【最高部門 最優秀作品賞】21年間と7ヶ月を生きてきた理由。人生の辛かったこともマーヴェリックに出会えたことで全て許せる。てかお釣り出る。

  • あの子は貴族(2021)・・・【繊細な描写部門 最優秀作品賞】描き方が天才。映画をつくる一枚一枚の"画"が全て美しくて丁寧。今の自分が一番面白く解説できるのはこの映画な気がする。あと配役も完璧。とにかく全部綺麗。ちなみにコレは自分の2021年のベスト映画。

  • ファイトクラブ(1999)・・・【規格外部門 最優秀作品賞】これはスゲかった。一回で消費するエネルギーがすごい。でもこの達成感と、心が奥底から煮えたぎる感じは、ファイトクラブにしか無理。

  • クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001)・・・【人生にあって良かった部門 最優秀作品賞】10代最後に観る作品として選んだのがこれ。それから毎年誕生日前日にはこの映画を観るようにしている。懐かしいという愛で溢れた気持ちに押しつぶされそうになっても、その気持ちを大切にしながら明日を生きたくなる。今日という日が、いつかまた新しい「懐かしい」になっていく。

  • ドライブ・マイ・カー(2021)・・・【神部門 最優秀作品賞】これは、人間の知能の限界。最高峰。全知全能の映画好きの神か、濱口竜介にしか作れない映画。奥深すぎる。この映画だけを取り扱う授業を開講できるなら8セメスターあっても足りるかわからない。

  • 風立ちぬ(2013)・・・【生きねば部門 最優秀作品賞】「生きねば」ということ以外、何も明言されていない。それなのに、言葉にできない"ソレ"が全て伝わってくる。間違いなくアニメーション映画の金字塔。史上最高傑作。明言しない芸術は映画制作の最高峰だろ。千と千尋の凄さに圧倒されて、その作品について5日間ほど徹夜を繰り返して勉強したことがあるけれど、それを踏まえて言います。ジブリ最高傑作は、千と千尋ではなく、風立ちぬ。

  • ニュー・シネマ・パラダイス(1989)・・・【若かりし頃のオレ部門 最優秀作品賞】いや〜、オレ!映画を愛する一人の少年と、その人生と、時間の話。午前10時の映画祭で、映画館でこの作品を一人で観た日に、自分は映画好きなんだと知った。そのくらい、トトは自分だったし、自分はトトだった。「今までは時が経つことを恐れていたけれど、それも良いのかもしれない」という不思議な感想が残っている。なぜその言葉が出てきたのかは、未だにわからない。

  • tick, tick…BOOM! : チック、チック…ブーン!(2021)・・・【コレからのオレ部門 最優秀作品賞】一人だけ"ブルートピア"を上手に渡れなかった寺尾都麦の話。自身一作目の上映会を終え、フラッと広島に行って、フラッと観て、完全に自分を投影してボロ泣きした。まだ上手に言語化できてません。が、ひとことだけ言えるのは「この映画、凄くない?」。

  • 万引き家族(2018)・・・【正義とは何なのか部門 最優秀作品賞】これ、当時めちゃくちゃ好きだった子と学祭の振り返り休日に観に行ったのが悪かった。その子のことと、夏の札幌の匂いと、学祭期間の青臭さを全部一緒に思い出してしまうから、それが眩しすぎて、映画が霞む。でも、でも、でも、そういうのと切り離して考えたとしても、この映画は最高だったよ。環境音に初めて感動した作品。

  • 愛してるって言っておくね(2020)・・・【何も言えない部門 最優秀作品賞】たった12分で、見応えは世の中の2時間の長編映画に並ぶ。そのくらいの傑作。これを「好き」とか「良い映画」とか言っていいのかわからないから、フィルマークスでも点数をつけられてないんだけれど、それでも、この作品はすごい。完成度、文句なし。こんなにすごい演出、なかなかみない。この作品を観て、今すぐ会って抱きしめたくなる人が、愛している人なのだと思う。

ひとことじゃねージャン。

おわり

2022.6.6(7) 都麦


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