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【現在の姿から将来の姿を予測する】~「君の将来に最高点をあげよう」イタリア人の気質?~
イタリア人ソプラノ歌手ティツィアーナ・ドゥカーティのマスタークラスに同行し受講なさる方々の歌はほとんど聴いている。
個人的に「AさんよりBさんの方が安定していてお上手かも」とか「Cさん、完璧にうまいなぁ」とか素人は聴いている。
が、ティツィアーナの評価は、安定しているBさんはBさんで良しとしつつも、不安定に思えるAさんに対しても高い評価をする。
こういうことは、1回、2回の事ではなかった。
やはり素人とプロは聴いているところが全然違うなあと思ったが、何が基準になっているのか、私なりに観察しての考察。
ずっと観察しているうちに、“現在”の歌への評価だけしているわけでなく、まだ秘めたる部分を発見し、その「将来性」を評価しているようだと思えてきた。
まだ使えていない秘めたる声を使えたら、素晴らしい、そこを引き出せたら…と思うようである。
特に若い世代の人に対しては、
まだまだ育っていく「声」の将来性と「声」が変わっていく節目節目の年齢、を押え、
“将来の姿”を予想しながら、指導しているように思える。
目の前の“現状”でなく、本当に活躍する年代には、こうなっているだろうから、今はどのように指導したらいいのか?そんな視点で指導しているように思う、
さて、ただいま日経新聞で連載されている「私の履歴書」は世界的名指揮者リッカルド・ムーティ!
「是非、読んでみてください」と多くの方々に言われ、読んでいる。
12/7の記事、ティツィアーナのレッスンと通じている気がし備忘録として…。
リッカルド氏、音楽院の試験を受けた際、試験管の一人はニーノ・ロータ。(イタリア映画での映画音楽の作曲家と言った方が有名かもしれない。)
ニーノ先生のリッカルド氏への評価は
「君には最高点をあげるけど、今の君にではなく将来の君に対してだ」
だった。
現在の姿から将来の姿を予測する
イタリア人の才能の育て方とは、こういうものか?
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