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展示感想: 矢尾伸哉個展「パラダイスの戦略 strategy of paradise」


矢尾伸哉個展「パラダイスの戦略 strategy of paradise」に行ってきました。
ギャラリーASKがある二階かと思っていましたが、地下一階の会場でした。


 ここは、もともと駐車場のスペースだったところに壁を拵えて展示スペースにしたようです。

 駐車場との仕切りからくる生暖かい空気が会場の冷房と中途半端に混じって、奇妙なアングラ感がたたよいます。

 皇居の城壁たる堀を巡りながら、撮影された写真を並べていますが、それは、移動とともに、時と空間が移ろいます。ただ、城壁の向こうを意識におきながら、城壁の前にいる作者は、常に同じ点でもあります。


 そして、作品の前に行き来する鑑賞者の私も、動かない固有の点でもあります。

 現像によって固定される写真を前にしながら移ろいゆく時相を、見えない場所に引き寄せられながら地下の空間で考えるのも面白かったです。

 明後日までですから、よければのぞいてください。


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