見出し画像

イマーシブミュージアム

昨日は義母と家族と共に、日本橋で開催中のImmersive Museumイマーシブミュージアムへ行った。印象派は義母の好みらしいので、友人が話題にしてくれてすぐ、義母に興味があるか尋ねていた。

タイミングの問題で延び延びになってはいた。前期・後期で映像と音楽が変わることも知らずに行き、帰宅してからそのことに気づいた。昨日は後期の、禅をテーマにした演出を楽しんできたらしい。

大きな四角い空間の壁と床にデジタルアートが投影されていた。来場者たちは床やウッドデッキのクッションを使い、好きなように座ったり寝転んだりしながら眺めていた。

優先席もあり、義母が座りやすい場所もあった。その近くには座れなかったので、私は子どもと、人がたくさん動いたタイミングでウッドデッキに座って眺めた。

人は多かった。床の演出は、人だらけであまりわからなかったくらい。
ついでに、立ち見しながら待っている人も多い中、座布団にできるクッションを見つけてくる機動力は私にはなかった。

が、浅い段差のあるウッドデッキに、軽い胡坐の姿勢で落ち着き、眺めて楽しんだ。

私は絵に詳しくもなく歴史音痴なので、印象派もよくわからない。いちばん昔に雰囲気が気に入った絵は印象派だった。とはいえ、モネの他の画家の名前もサクッと思い浮かばない素人。柔らかな色彩が心地良いとは思っている。

額に入った本物の絵から伝わるものもあるだろうが、デジタルアートで構成され直した絵や、その時代に没入する感覚は心地良かった。

私が撮った写真のイメージはシャープなものが多かったらしいが、使われている色を分解し構成し直す様子もあったり、曖昧さも強く感じた。
音楽も良かった。

撮っていないが、映像には馬車が走っていたりもした
近過ぎるだけでも曖昧な色

友人たちと「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展」で見た、赤い着物を着た女性の絵も表示されていた。クロード・モネの≪ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)≫という、かなり大きな絵だったのだが、それが小さく見えた。

後でパンフレットを読むと原寸に表示されていたらしい。きっと原寸だと思いながら見てはいたが、空間が広いと認識も変わってしまうのだろう。友人たちと見た展示室も狭くはなかったと思うが、記憶の中の絵と同じ大きさには見えなかった。

その四角い会場を出ると…

「あぁー」という感じの、謎な疲れた声が聞こえた。
近づいていくと、絵画のような画面から声がしているようだった。その絵の中の人はカヌーを漕いでいる様子。(ギュスターヴ・カイユボット≪スキフ(一人乗りカヌー)≫)

その先には、ネコを膝に載せて寝ている女性の画面。(ピエール=オーギュスト・ルノワール≪猫と眠る少女≫)

その2つの画面の上には、顔認識機能付きのカメラがある様子。認識されないように離れる・よそ見する・後ろ向きになるなどをしていると、オリジナルの絵から外れたユニークな展開になっていた。

実際の絵のモデルさんも、その絵を時間をかけて描いていたなら、隙を見てそんな動きをしていたのではないかと思い笑ってしまった。

昨日。

台風の影響はあり、都内に入ると外が見える度に雨だった。ときには、激しい雨音まで聞こえた。地上の散歩も、義母の体調と気候が問題なければ楽しむつもりでいたのだが、外を歩くことはなかった。

感染症前に、友人たちと日本橋には何度も行った。なので、雨の日に困らない場所であることは教わって知っていた。イマーシブミュージアムの予約は、予定変更もキャンセルによる返金も不可。知らなければ行くのを諦めた可能性を感じる。友人たちに感謝。

地下の移動ばかりで、現在地を把握していたのは私だけのようだった。夫も初めての場所ではなかったはずだが、感覚がずれている様子だった。

義母は昨年の怪我が落ち着き、都内に出るのも大きな問題はないらしかった。
久しぶりに、家から離れた外の景色を楽しんでほしかった。

が、待ち合わせとランチのために行った東京駅で、グランルーフの下に一瞬、出ただけで、あとは地下。グランルーフが地下の改札から直結なことには気づいていたが、他に地上を見ることがなさそうなので出てみた。グランルーフの下でも、どことなく雨が吹き込んでいた。

あとは、どこも賑やかな場所とはいえ、地下や外の見えない場所ばかりで、どこへ行ったんだろうと思われた気がした。子どもに2度、芽吹き守を授けていただいていた福徳神社のそばには、一瞬だけ出た。

ランチは、夫が事前に候補にしていた店から選び予約していた。そこはグランルーフの地下だった。やや無理のあるボリューミーさだったが、美味しく居酒屋ランチをいただいた。

ミュージアムの後、近くだったので行ったタニタカフェも地下だった。

タニタカフェでは抹茶と黒蜜のラテ(アーモンドミルク)をいただいた。美味しかったのだが、少し粉っぽいのか喉がカサカサする感じがあった。義母は黒ごまときな粉のハニーラテだったが、美味しいと言いつつ、むせてしまっていた。

義母は昨年の怪我による不具合は残っている様子だったが、ゆっくりでもかなり歩けていた。元気そうで安心した。出発した家からは雨だったらしい。

読めない天候に加え、疲れる移動量だったはずだが、義母も外出を楽しめた様子。筋肉痛とは聞いたが、今日の予定に響くこともなかったらしいので、何だか元気だと思う。

昨日の子どもは、イマーシブミュージアムでハードカバーの本をいただいていた。自分で本の内容を作れるキットのようなもの。どう作ろうとしているのかは知らないが、昨日の帰宅後、気に入った絵のシールは2枚選んでいた。