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サクラダ・ファミリアの星の冠

「ガウディとサグラダ・ファミリア」展へ行ったとき、ボーゼンとしたことが一つあった。そろそろ完成が近そうなサグラダ・ファミリア聖堂。無宗教な私でも、祝福の気分になるような展覧会だったのだが…

マリアの塔の先端に「星の冠」という、中に光源のある星がある。十二面体のきれいな立体。小星型十二面体というのが近いのか。
点灯するときの様子を、会場では大画面の動画で見られたのだが…

夢が醒める生活感というか… 昭和感というか…

別な日に行った友人は「切れかけの蛍光灯みたいな」と表現していた。私が表現するより、とても的確。年下の世代では知らない可能性も高い。
蛍光灯自体は今でも使われるが、今の商品は進化している。切れかけだとしても、家の中でそんな点灯を見ることは、なくなって久しい。

昔の蛍光灯は古くなると、点灯にかかる時間が延びていく。点いたり消えたりを繰り返し、ようやく点く。
ついでに、点灯をやり直してみても、待っても、最終的に点かなくなると、もう点かないんだなと確定する。

星の点灯の動画を私は、「えぇっ!?!? それで完成じゃないよね??? まだ工事中だよね??? 仮設だよね???」とボーゼンと見ていた。

その展覧会後は、会場近くの科学技術館へ行った日。そこには、白い直方体を並べた、白い場所をスクリーンにして、プロジェクションマッピングの技術が展示されていた。

その滑らかな白い光の動きを見ながら…
「こんな風に滑らかな光が、星の先までふわっと広がってほしかったな」と思っていた。

星の冠にプロジェクションマッピングできるとは思わないが、滑らかに光を広げる照明を内蔵することは、イマドキなら問題ないだろうと。
行った日のnoteには書かなかったのだが、私としては、なかなか衝撃的な出来事だった。

その後も、何となく気になっていた件。
昨夜、ふと思ったのは…
展覧会場での動画よりも、もっと前から点灯されてきたものじゃないのか、ということ。

動画を検索すると、2021年12月8日のニュースがいくつも見つかった。初めて点灯した日だった様子。

再生すると…
十二面体の光芒が、僅かなタイムラグで次々と明るくなり、その後は、比較的滑らかな変化で、全体の光度が上がっていた。

それならボーゼンとしなかったというか、それを会場の大画面で見たかったというか…
とりあえず、昭和感のある点灯をしていた時期は一時的なものだろう、と勝手に判断して安心した。


※ 一昨年の点灯の動画は、TBS NEWS DIG Powered by JNN「サグラダ・ファミリア『マリアの塔』が完成 星が点灯」がきれいでした。YouTubeで公開されています。

※ 見出し画像は、「サグラダ・ファミリア聖堂、身廊部模型」の一部を写したものと思います。会場内の撮影OKエリアで撮った一枚。