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年間ベストアルバムトップ50 in 2023

今年も年間ベスト記事作りました。正直もうやらなくていいかなと思ってた。ちゃんと向き合うまでは飽きてた気分だった。でも今年のアルバム振り返って聴いてみるとやっぱ楽しくなったので結局やることに。誰かの聴き始めるきっかけになればいいかなと思ってたけど、やっぱ「なんでこれやるの?」って考えた時に、やっぱ自己満がデカいなと。ただ50枚を画像にまとめるだけでは物足りなかった。やっぱ雑な文章でもいいから文字で残しておきたい。こう言って何気なく保険かけてるけど、今年は例年以上に手抜きです笑 年間ベスト記事は気抜いて書かないと多分今後はやる気出てこなくなると思う。ただでさえ年一にしかブログ書かないんだし。ただXがこれ以上キモくなってSNSやめたくなったらブログ書きたくなるのかな。まあそれは置いといてこれから始めます。まずは過去記事から。


50-41位

50 . Jamila Woods - Water Made Us

17曲45分

50位はシカゴのシンガーソングライターのJamila Woodsの作品。Jamila WoodsといえばDonnie Trumpet & The Social Experimentの「Sunday Candy」のコーラスでおなじみの人。この人と言えばやっぱ温みや優しさを感じ取れる唯一無二の声色。そしてこの作品のネオソウルの作風と相まってアルバムを通して癒しを届けてくれる。今年で良いと思った作品は年間ベスト気づいたけど、何か癒し要素が大きい作品を選びがち。ラッパーSaba参加の「Practice」が特に良い。良い声×良い声の相互作用。
 

49 . Bastille - Bastille: MTV Unplugged

15曲1時間10分

全く日本に来る気配のないままビッグバンドになってしまったBastilleのライブ盤。アンプラグドというタイトル通り、肩の力を抜いたライブでありながら、人気曲のいつもと違ったヴァージョンが聴けて面白い。Marshmelloとのコラボ曲である「Happier」はカントリーロック風になってるし、Nirvanaのカバー、「Come As You Are」はピアノバラードになってる。このバンドは器用なのでアレンジにおいて信頼できるのでカバーとか、どんな感じで出してくれるのかワクワクしてくる。まあ新規よりファン向けの作品かな。

48 . Billy Woods & Kenny Segal - Maps

17曲44分

ニューヨークのラッパーによる作品。この人の名前はここ数年急に聞くようになったけど、この人自体は2000年初期から活動してるみたいね。RYMとか海外音楽オタクから圧倒的な支持を集めてるイメージ。いや年間ベストに入れたい程気に入った作品だけど、何故そこまで人気なのかよく分からない笑 まあリリックとか良いんだろうね。個人的には変なビートに良い感じのフロウでラップしてるのが耳心地いいから好きなんだよね。

47 . Travis Scott - UTOPIA

19曲1時間13分

19曲73分とボリューム半端ない超人気ラッパーによる作品。冒頭から普段からインディー音楽聴いてる自分としては聴いた事の無い音圧に圧倒される。カッコいいよね。MODERN JAMとかCIRCUS MAXIMUMSとかドラムビートがしっくり鳴ってる曲がお気に入り。見ての通り年間ベストに入れるほど気に入ってるけど、まあちょっと長すぎたな、中盤は少し中弛み感あった。

46 . Nanoray - Delta-PP

9曲28分

気づいたらアルバムを出しているアングラの音楽プロデューサーによる作品。ハードコアブレークやドラムンベースを得意としており、そしてどっかから持ってきたであろうゲームやアニメなどのBGMや台詞などのサンプリングを織り交ぜてくる。約30分9曲の間に濃厚な踊れる音圧バキバキなサウンドはいつものNanorayって感じ。気持ちいい。

45 . King Gizzard & The Lizard Wizard - PetroDragonic Apocalypse

7曲48分

多作で有名なオーストラリアのバンドによる作品。個人的にはそこまでファンじゃないけどメタルな作風の今作は良かったね。作品によってジャンルを変えてるイメージあるけど、どれも器用にやれてるんだろうね。

44 . Dream Wife - Social Lubrication

10曲38分

ロンドン出身のバンド。数年前にこのバンド良いぞ!ってめちゃくちゃ言われてる時は逆張りセンサー張ってて何かあんま聴く気にならんかったけど、今作はいいね。どストレートなロックンロール。Sleater Kinneyみたい。徹頭徹尾ダンスパンクなのでそういうの聴きたい時におススメです。多分期待を裏切らない。

43 . Mitski - The Land Is Inhospitable and So Are We

11曲32分

今年を代表する作品といってもいい、Mitskiの新作。個人的には2018年の「Be The Cowboy」を超える作品ではなかったのでこの位置に。とは言っても一曲目の「Bug Like an Angel」の重厚なバックコーラスを聴いた時、「あ、これは良いアルバムだ」っていう予感が出てきたね。30分ほどでこれほど濃厚なインディーフォークを詰めた作品無さそうだし、世間的に大絶賛になるのも分かる。

42 . Paremore - This Is Why 

10曲36分

2010年以降アルバム毎にスタイルを変えているParamore。前作は80'sポップヴァイブスだったけど今作はポストパンクかな?「C’est Comme Ça」がシングルで出た時はめちゃくちゃポストパンクスタイルでなんか笑っちゃったんだよね。でも「This is Why」は単純にめちゃくちゃカッコ良かった。Paramoreも大概スタイル定まってないけど、別にジャンル迷子っていうよりかは最先端のParamoreって感じで何かの二番煎じとか思わないんだよね。次作でビートルズスタイルになったり、はたまたドラムンベースとかになっても全然OKだと思う。来日してください。
 

41 . Inhaler - Cuts & Bruises 

11曲45分

音楽を聴けば一発で分かるけどUKロックバンドです。まさに中身もこれぞよいUKロック!って感じ。1st聴いた時は全然興味無かったんだけど、今作は何故だかハマったね。もっと売れて国民的なバンドみたいなイメージになってほしい。Sam FenderやCatfish and the Bottlemenがレディングフェスのヘッドライナーになってるし、いずれこのバンドもなるだろうね。

40-31位

40 . The Band CAMINO - The Dark

11曲29分

自分のブログの過去記事で推しておいてこの前作は全然ハマってなかった笑 でも今作は良いよね。The Band Caminoはポップパンクやポップロックバンドの中でもパワフルなヴァイヴスがあるなと思っていて今作はいかんなく発揮されてると思った。ロックサウンドのヴァイブスとキャッチーなメロディで強引にアゲてくれる感じが良い。まあ良いんだけど、ちょっと一辺倒な感じもある笑 ハマらない人がハマらないのは全然分かる。 まあ30分と手軽な内容なので布教用には良いアルバムだと思う。

39 . Feist - Multitudes

12曲46分

Broken Social Sceneのメンバーでも有名なカナダのシンガーソングライター。高校時代にはPlaceboってバンド組んでたらしい。あのPlaceboとは違うよ。全然アルバムとは関係ないけど、フォーク系ってどう褒めたらいいか分からない。次もフォークなんだけど、どうしたもんか。今年も年間ベスト記事作ってるけど、まあ作りたいから作ってるけど一作品2~3分ぐらいで書き終えたいんだよね笑 っていうのはもう置いといてFeistの今作は良いですよ。Borrow Troubleなんかリッチな高揚感のある曲で気に入っています。

38 . Angelo De Augustine - Toil And Trouble

12曲38分

声からマイナスイオンが出てるんじゃないかと思えるほどリラックス効果のある声色、蝋燭を前に歌っても火が消えそうにないほどのウィスパーボイスで歌う発声法、アンビエントな雰囲気のあるフォークソング。全てが癒しです。ありがとうございました。来たる冬に向けてオススメのアルバム。

37 . The Armed - Perfect Saviors

12曲41分

デトロイトで結成されたロックバンドによる最新作。The Armedはカオスを愛して楽しんでいる。かっけえノイズパンク。ちょっとスタイル変わればハイパーポップにも繋がると思う。アルバム後半でちょっとしおらしくなるのが残念だけど、楽しいアルバムだね。

36 . Carly Rae Jepsen - The Loveliest Time

12曲40分

Carly Rae Jepsenは楽曲単位で見れば好きな曲は沢山あるんだけど、アルバム単位で見たら良いなって思えるのが無かったんだよね。絶大な人気があるにも関わらず。でも今作は良かった。何かまとまってる印象があって。Rostamプロデュースの「After Last Night」やDJ Sabrina the Teenage DJコミュニティでヴァイブスが似てると話題になってた「Psychedelic Switch」等が好き。代表曲となる分かりやすいキャッチーさは無いのかもしれないけど、今作はよく出来てると思う。
 

35 . Lastlings - Perfect World

12曲49分

オーストラリアのエレクトロポップのデュオによる作品。是非ともLastlingsで画像検索してほしいと思うほどお二方のビジュアルがとても端麗だし、楽曲も悪いところが見当たらないエレクトロポップ。弱点が無い。Chrvhes好きならオススメかな。Chrvhes好きにも刺さるダンスポップで、Chrvhesのローレンと違うのは、ベッドルームポップシンガーのような繊細な歌い方でキャッチーなポップと相まって見るとスタイリッシュな印象を受ける。とはいいつつも、なんかベタベタにサビが分かりやすい曲もあったりと、良質なエレクトロポップだと思う。日本のLastlingsファンはもっとみんなに聴かれて欲しいと思っているに違いない。

34 . James Blake - Playing Robots into Heaven

11曲42分

数年前にPitchforkにsad boyみたいな括りされた時にキレていたJames Blakeさんの新作。近年はよりR&Bスタイルになって唯一無二のボーカルで歌いあげていたが、今作は原点回帰となるエレクトロに戻っていて1stシングルの「Big Hammer」で界隈をざわめつかせていましたね。個人的には今作みたいなジャンルはそこまで聴かないんだけど、やっぱ天才の作る音楽はなんでも聴けちゃう。今作もお気に入りでした。次作でOne Directionみたいなポップになっても好きになれると思う。

33 . Daniel Caesar - NEVER ENOUGH

15曲54分

カナダのシンガーソングライターの新作。R&Bな作風でDaniel Caesarのメロウな歌い上げで陶酔感に浸れる。そして儚げで切ない世界観は来たる冬にぴったりの世界観だと思う。個人的には「Let Me Go」や「Cool」がお気に入り。

32 . Nas - Magic 2

11曲31分

ここ数年のNasの創作意欲は凄い。2020年代以降5作もアルバム出してる。この次にでるMagic 3は特にハマんなかったんだけど、今作におけるNasのかっけえラップとかっけえビート、あとは耳に残るフックが多いし、30分くらいの手軽さも相まって聴きやすくて聴き心地の良い作品になりましたね。デビューから追ってる人にとってはNasのここ最近の活動は嬉しいだろうね。

31 . Wednesday - Rat Saw God 

10曲37分

いつしかの水曜日に来日公演するWednesdayの新作。今年前半、3~4か月の段階では刺さる作品まだまだ少ないな~と思いながら新譜を追ってたんだけど、これは刺さりましたね。ジャンルとしてはノイズロック、インディーロックであり、8分30秒における「Bull Believer」は女性ボーカルの魂の底から出てるシャウトやノイズロックなサウンドに圧倒されましたね。他にもノイズにまみれた良質なインディーロックで構成されていて今年屈指のかっこいいロックアルバムだなと思いました。

30-21位

30 . Nourished By  Time - Erotic Probiotic 2 

9曲34分

ボルチモア発のロンドンベースのR&Bシンガー。ピッチフォークによると80年代の影響を受けたエレクトロファンク、R&Bと書かれているがまさにそんな感じです。それにDIY的な手作り感というか、他には無いオリジナリティを感じますね。それに声、味のある低音ボイスでそこに「The Fields」みたいなキャッチーなメロディの曲は面白いなと感じますね。

29 . Slowthai - UGLY

12曲38分

性的暴行容疑で起訴されてキャリアをパーにしたラッパーの作品。作品はとてもいいのに。でも容疑の真偽はまだ分かってないようですけどね。元々問題児なのでイメージ払しょくはもう覆らないだろうなあ。それはともかくやっぱ作品は良い。海外ニキがUKのAtrocity Exhibition(Danny Brown)と評していたが、その通りで中毒性のある曲にロックから影響を受けたようなサウンドスケープ。安い値段で高いアルコール度を摂取できるストロングゼロみたいな。まあこれは雑括りだなと思うんですけど、せっかくヒップホップとロックが良い感じに融合された作品なのに、スキャンダルでふいにするのはもったいないよね。

28 . Queens of The Stone Age - In Times New Roman…

10曲47分

Queens of the Stone Ageはやっぱ思い描いてた通りの色気のあるストーナーロックを展開しており素晴らしい。これぞQueens of the stone age的サウンド。変に迷走することなくいつも通りやってくれるだけでカッコいい。QOTSAはこれでいいんだよ。

27 . Squid - O Monolith

8曲41分

去年のBlack Midi、Black Country, New RoadみたいなUKテクニカルポストパンク枠。前作よりちょっとキャッチーになった?なんか聴きやすくなった気がする。小難しいイメージもあるポストパンクというジャンルだが、これはちょっとわかりやすいロックンロール感があるような。故に聴きやすくてシンプルに良いロックアルバム。

26 . Christine and The Queens - PARANOÏA, ANGELS, TRUE LOVE

20曲1時間36分

1時間半超の大作。80'sに影響を受けたダンスポップを歌っていた印象だが、今作はやけに重い。しかし美しい。暗くて美しい世界観であるがゆえに(あと長い)、人を選ぶ作風であると思うが、いざ座してこのアルバムに直面するとこの世界観に魅了されますね。大胆にクラシックのカノンに歌詞を載せて歌った「Full of life」が一番好き。

25 .  The Japanese House - In The End, It Always Does

12曲45分

初期EP出してた頃から注目していて、あの頃自分はデジタルクワイアやヴォコーダーを使った曲を気に入ったのでThe Japanese Houseの「Clean」とかよく聴いていたが、1stアルバムは全然ハマってなかった。だから今作におけるハードルは下がってたし、まあとりあえず聴いとくかって油断してたんだけど、アルバム全体良くて気に入ったね。多分自分の中で「女性版Bon Iver」みたいな解像度の低い印象を持っていたんだろうけど、もう今作ではBon Iverの面影はないし、The Japanese Houseの音楽の世界観にすっかり魅かれている。前作の2019年ではまだ感じてなかったThe 1975のGeorge Danielに対する理解が今では深まっているから、The Japanese Houseの今作のプロデュースに参加しているGeorge Danielの、彼の要素を彼女の今作に感じ取れているのが、多分前作と今作における自分の評価の違いの一つなのかもしれない。

24 . Taylor Swift - 1989 (Taylor's Version)

21曲1時間17分

再録盤を年間ベストに。何もおかしいことない。元の曲が良いから評価も高くなる。最初の「Welcome to New York」の冒頭のシンセ音がスーパーマーケットでちょっと不安になったけど、元よりオリジナルも大概スーパーマーケットだった。ここ数年諸事情により過去作品の再録を出しているTaylor Swiftだけども、やっつけ感もなく、聴き馴染みのある楽曲だけど、またどこか新鮮さも感じる作品だなと思う。「Shake It Off」のドラムの抜け感が特にツボ。基本的にこの作品の曲は好きなんだけど「Bad Blood」だけはどうしてもいかにもなMax Martinポップがやっぱり苦手。

23 . Noname - Sundial 

11曲31分

一時期引退の噂もあったnonameの新作。Jay Erectronica参加の「balloons」って曲で彼が陰謀論的なやべえリリックを吐いているんだけど、確かにこの部分はドン引きだけど、でもまあ普通にラップ聴いてるだけではカッコ良いんだよな。アルバムの内容はジャズラップ。Nonameのクールなラップは洒落てて聴き心地良し。ジャズでお洒落な落ち着いた作風であるが、そんな中でAyomiが熱くされどクールに歌い上げる「boomboom」が滅茶苦茶良いから皆聴いたほうが良い。

22 . Kali Uchis - Red Moon In Venus

15曲43分

自分の年間ベストを見まわしてるけど、kali uchisの新作が女性で一番メロウ。甘々のR&B。アイスクリームのようにトロトロで陶酔感のある世界観もあり、セクシーさもある。「Endlessly」やSummerwalker参加の「Deserve Me」等がお気に入り。聴き終わった時には溶けてる。

21 . boygenius - the record

12曲42分

今年の顔ともいえるバンドの作品。Phoebe Bridgers、Julien Baker、Lucy Dacusによる三人組。かねてから三人ともそれぞれインディー音楽界では名声があったので、スーパーユニットなんですよね。色んなアーティストとのコラボによってコミュ強との噂のあるPhoebe Bridgersが発起人なのかなやっぱ。この三人が集まってカスみたいな駄作が生まれるわけないよね。インディーフォーク好きのツボを突いた作品だと思うし、普段ポップ中心のリスナーも触れやすいポジションを得てると思う。この三人自体豪華だが、作品のバックにはJay SomやIlluminati HottiesのSarah Tudzin、Ethan Gruskaなどインディー好きにはたまらない人選もしている。でも聴いていると、なんかどこかでIlluminati Hotties感はちょっと感じ取れるんだよな、Illuminati Hottiesの持ち味の優しさの表情があるパンクサウンドや、「Not Strong Enough」ではEthan Gruskaの「インディーロック感を持ちつつ大衆受けするような音楽性」を感じ取れて、Ethan Gruskaナイス!って思ったな。

20-11位

20 . Foo Fighters - But Here We Are 

10曲48分

ドラマーのテイラーホーキンス亡き後の初めての新作。Foo Fightersは最近の作品は微妙だったけど今作はWasting Lightぐらい良いね。エネルギー溢れるほど熱いロックなのに、どこかセンチメンタルなのは、やはりテイラーホーキンスに対する追悼のメッセージが今作にあるからだろうな。でもこのセンチメンタルさを悲しげなメロディで表現するんじゃなくて、敢えてノイズで表現してるのが凄い。ここはやっぱロックンロールバンドらしさや、Dave Grohlの人柄が出てるよね。悲しさを乗り越えた素晴らしい作品だと思うよ。

19 . Hozier - Unreal Unearth

16曲1時間2分

三作目の作品だけど、これまでの二枚アルバム聴いてたし、内容も良かった記憶あるけど、どこかやっぱ「Take Me to Church」で一発当てたイメージがあった。けど今作聴いてそのイメージが消えてちゃんと曲がめちゃめちゃ良いシンガーソングライターって風に変わったよ。Spotifyの月間リスナーも3000万人超。Cigarettes after sex現象だよ。そんなに人気だったの?日本だといまいち伝わってないよね。そんなHozierの新作、個人的には「ロック好きって、こういうの好きでしょ?」を体現してる作品だと思う。Hozierは別にそんな挑発してないと思うけど笑 後半美しい「Francesca」や豪華なアレンジしてる「Eat Your Young」やデュエットのハーモニーが綺麗な「Damage Gets Done」とか。もはやグラミー賞なんてどうでも良い自分だけど、今作が何も選ばれてないのに最近腹立っている。最優秀ロック賞とかにノミネートされるべきだよ!

18 . Disclosure - Alchemy

11曲37分

Disclosureにしては珍しいゲスト参加なしのアルバム。個人的にはいた方がもっと良かったと思うけどね。でも今作は彼らにとって原点回帰とかきっと思い入れのある作品なのかもしれない。今作は何より「Looking for Love」って楽曲が余りにも良すぎる。Daft Punkみたいな声加工して軽快なクラブサウンドでキャッチーに歌い上げるこの曲がホント最高。何でロボットみたいな声がこんなに心地いいんだろう純粋に不思議に思う。まあその他歌唱パートのあったりなかったりするUK Bassサウンドは、単純に自分の好みのツボなんで、聴いてて「めっちゃノレる~!」って気分になります。

17 . Lost Cousins - Point No Point

11曲45分

まだ新譜digに乗り気だった時に見つけたバンド。2019年に出たファーストアルバムから、エコーのかかりまくったボーカル、浮遊感のあるサウンド、程よくフックのある楽曲等、これぞ「ドリームポップ」って感じだったが、今作もその雰囲気を踏襲。7月という夏に出たこともあり、クソ暑い今夏の避暑地的なポジションがあったかもしれないし、なかったかもしれない。というか次作が出ることも予想だにしてなくて、やっぱインディーで、マイナーなバンドだと定期的な音楽活動難しそうだな~と思ってたので。新しいの出してくれてよかったし、先行シングルに出た「Plain Sight」って曲、冒頭からサックスが軽快に鳴ってて最高。Spotify月間リスナー1万人以下とは思えない程完成度の高いドリームポップだと思うんだよなあ。

16 . Elli Ingram - Bad Behaviour 

13曲38分

英国のシンガーソングライターで、Amy WinehouseやLauryn Hillに影響を受けたそう。Elli Ingramは新人発掘人のRudimentalの作品で知ったんだけど、その後2017年に出たアルバムがかなり良かったので、早く新作出ないかなとここ数年思ってた中、やっと出てきた新譜。前作は曲が良いから好きって思ってたんだけど、今作聴いてて思ったのが、曲と言うよりElli Ingramが歌うから好きって印象になった。ジャズポップな作風でねっとりとでもテクニックのある歌い方が良い。先行シングルを超える新曲が無かったのがちょっと残念だが、満足したアルバムでした。

15 . Julie Byrne - The Greater Wings

10曲38分

米国シンガーソングライターによる三作目の作品。このフォークの曲調から幽玄な美しさはどことなく去年のWeyes Bloodの作品に通じる何かを感じる。そしてパーソナルな悲しさが出てるなと思ったらどうやら、制作段階でパートナーを亡くしており、途中で断念をせざるをえなかったとか。なるほど。やはりFoo Fightersもそうだけど、死と向き合った作品は音楽において緊張感が伝わってきて、アルバムにおける芸術性を価値高いものにしているなと思う。

14 . Priya Ragu - Santhosam

15曲40分

スリランカ内戦で逃れた両親の元、スイスで生まれたシンガーソングライター。このルーツを見て分かるように彼女の音楽はどこか東洋的要素を感じる。そして西洋音楽とこの東洋的要素が混ざった音楽性は彼女の持ち味であると思う。今作はM.I.A.っぽいアフロビーツにトラップのノリでラップする[
「Black Goose」だったり、Janelle Monaeがやりそうなドラマチックな「Let Me Breathe(Reprise)」等、クオリティの高い楽曲が沢山あってとても良い。2021年に出たミックステープではありがちなポップスだな~ぐらいに思ってたので、こんな良い楽曲が集まっていて驚いてしまった。前半が最高の流れすぎて後半ちょっと勢い落ちるのが少しだけ残念。The KillersのHot Fuss現象ですね。しかし何より驚いたのが、彼女は新生の若きポップスターかと思いきや、37歳だそうだ。年齢のことをとやかく言わないが、37歳だなんて全く予想つかないよ。

13 . The 1975 - At Their Very Best (Live from Madison Square Garden)

25曲1時間56分

今年一番スキャンダラスなポピュラーバンドといってもいいthe 1975の2022年のライブ盤が今年になってサブスクにも登場。調子に乗ってる彼らは良いね。Matty Healy逆張りモード発令して悪ノリしなきゃいいんだけど、こういう性格じゃなきゃこういうThe 1975じゃなかったかもしれないなだなんてたまに考えるんだよね。今作における内容は前半は最新作である「Being Funny in a Foreign Language」の楽曲中心のパフォーマンスと、後半は往年の人気曲のパフォーマンス。まずもとより楽曲が良いので票か高くなるし、The 1975はライブバンドだと思うので、ライブ音源も素晴らしいですね。やっぱ。あとMatty Healyは喉がすごい強い人なんだと思う。後半につれて疲れているはずの喉なのにシャウトしまくってるのが感心するわ。この作品には収録されてないけど、たまに最後の方で「People」やってるしな。意味わからん。唯一不満なのがオーディエンスの声がもうちょっと近く聴こえたらなあと思う。まあ全然問題ないけどね。

12 . The 1975 - DH01817 (Live from Gorilla, Manchester. 01.02.23)

16曲56分

またThe 1975のライブ盤。こっちの方が高いのはこっちの方がお客さんとの距離感が近くて臨場感が出て熱いなあと思ったから。内容は1stの再現ライブともあり今ではやらない珍しい楽曲もライブ音源に収録されているのが価値ある。めっちゃ歌いずらそうにしている「Talk!」とか聴いてて面白いよね。ライブ音源ってそういうオリジナル盤では聴けないアレンジや見えなかった表情が出てくるのが良い。「Menswear」が意外にライブ映えしてるのが良かった。

11 . The Lemon Twigs - Everything Harmony

13曲48分

米国のデュオ、ダダリオ兄弟による新作。Simon & Garfunkel、Arthur Russell、Moondogにインスパイアされたそうだが、でしょうねって感じの70年代フォークポップで、かつとても洗練されていて単なる過去の再現じゃなく、今聴いていても古くないサウンドだと思う。時折Queenみたいな美しいハーモニーが出てきたりと、先人の音楽に対するリスペクトを感じ取れるし、今作において「美しさ」の表現に力を入れたんじゃないかなあと思う。フォーク系は聴けば聴くほど味が出るので、今作もどんどん個人的に評価が上がっていて年間ベスト10に入れる予定だったが、最終的にこの位置に。

10-1位

10 . Romy - Mid Air

11曲34分

The xxのメンバーであるRomyのソロ作品。一歩違ったらチャラそうなディープハウスなのにRomyが歌うと全くチャラくないし、なんかすごいエモい。というのもプロデュースにFred Againがいたからだ。なるほどね、Fred Againのハウスはアンビエントだからこういう雰囲気になるのも分かる。むしろFred Againの音楽よりちょっとアゲ感あると考えると、結構都合が良いのかもしれない。美しいハウスサウンドだし、踊れる。一番良い曲は「Enjoy Your Life」。超キャッチーなキラーチューン。今年の曲でもトップレベルにお気に入り。人生を楽しめ。

9 . Fall Out Boy - So Much (For) Stardust

13曲44分

Fall Out Boyによる5年ぶりの作品。FOBは昔はガチファン(今も好きだけどちょっと冷めた)だったので2013年に復帰作が出た時はめちゃくちゃ感動したし、中身も最高だった。その次に出た2015年のAmerican Beauty / American Psychoは、ファンだったからとりあえず手放しに喜んで聴いてたけどさ、何回か聴いてると案外微妙な曲が多いのに気づいて、その次のMANIAでは完全に何か違うなーって冷めてたんだけども。それから5年間は長かったね。その間にベストアルバム出してたけど、何となくまた新しいチャプターに入るための区切りとして受け取ってたんだよな。で、Panic! At The Discoがブレイクして兄貴分のFOBはいったいどういう舵を取ってくるのか気になってたけど、先行シングルの「Love From The Other Side」を聴いた時、「イケるじゃん!」って思ったね。原点も見直しつつ、FOBらしいロックを届けようっていう気概を感じたね。それで今作。前作における「Young and Menace」でずっこけた記憶があったが、今作では特に変なことせず、サウンドスケープも壮大になり、Danny Elfmanにインスパイア受けたって言ってたけど、映画音楽っぽいアレンジがアルバム全体を豪華な雰囲気にしていて、ビッグバンドたる確かな実力を感じた。もろEarth Wind & Fireな「What a Time to Be Alive」は、ブラスバンドのグルーヴが最高。5年ぶりの作品はパワフルで彼ららしい良い復帰作だと思う。

8 . Mckinley Dixon - Beloved! Paradise! Jazz​!​?

10曲28分

Mckinley Dixonはバージニア州リッチモンド出身のラッパーで2021年のアルバムから存在を知ったんだけど、今作は滅茶苦茶良いね。ジャズラップを基盤にしてるんだけど、ミニマリズムの逆を行く、音を詰め込みまくったサウンドが爽快、流れるようなラップも気持ち良く、ジャズビートにさらにストリングスアレンジがのっかり、その上フックのあるメロディ等々、四方八方、情報量が多い曲が30分10曲に詰め込まれてる。ぎゅうぎゅうですね。もっと聴きたくなると思わせつつ、コンパクトな内容になっちいてそれがアルバムの高い芸術性の価値の決め手になってるのかな。とても良いアルバムでした。

7 . Will Heard - Wild

15曲42分

英国のシンガーWill Heardを知ったのは新人発掘バンドRudimentalの2ndのゲスト参加から。Rudimentalのあのアルバムはこの男によってクオリティを上げたと言っても良いほど歌唱力で見せつけていた。それが2015年でその頃から好きだったんだけど、2017年にEPを出して、それ以降は楽曲はぱったり止まったね。SNSも全然更新しないし、半ばあきらめてたんだけど去年からちょいちょい活動し始めて今年、やっとデビューアルバム。この人はもっと注目されるべきポテンシャルあるよ。まず歌が超上手い。ファルセットも出るし低い声の発声も良い。中音域はハスキーな声でカッコいいし、広いボーカルレンジを持っている。楽曲自体もソウルポップで色んな人にウケそうなセンスを持っていて聴きやすい。このアルバムでもその実力は出ていて、聴きやすいソウルポップにボーカルも素晴らしい。歌唱力の高さは知っていたけど、なんとMariah CareyやAriana Grandeがやっているようなホイッスルボイスも披露している。めちゃくちゃ実力のあるボーカリストだからもっと知られて欲しいね。アルバムの楽曲はどれもお気に入りなんだけど、後半残り数曲がもっと良かったらもっと気に入ってたんだけどな。

6 . Cleo Sol - Gold 

10曲41分

イギリスのシンガーソングライターCleo Solは2021年のアルバムの評価高いの知っていて、それ聴いてたんだけど、別にハマんなかったし、今年もHeavenとGold二枚出してHeavenもハマんなかったから、Goldもハマんなさそうと思いながら聴き始めたらひっくり返ったね。めっちゃ良い。ゴスペルの「There Will Be No Crying」の一曲目に食らってからもう全曲が身体に沁みてくる。令和のSadeじゃんて思ったね。飾り気のないオーガニックなサウンドがあるなと思っていて、ジャズやピアノバラードやネオソウルがただただ身体にスッと入って癒しを与えてくれるような。Cleo Solのトーンが高くてきれいに澄んだ声も美しく、Saultから知ってたけど、なんか今作でぐっとCleo Solの魅力に気づいたな~。「Life Will Be」がやたらStevie Wonderっぽいメロディしていてそれがお気に入り。分かる?聴いて欲しい。

5 . Sampha - Lahai

14曲41分

ジャケ、やたら上から塩だかペッパー降らしてる料理人じゃんって思ったの自分だけ?ともかく7年ぶりのSamphaの新譜ゲキヤバだね。個人的にSamphaと言えばどこかのアーティストのゲスト参加にいたらだいたいその曲良い曲っていうイメージがあって、この人独特の歌声はやっぱ唯一無二の武器だよ。正直2017年にデビューアルバム出た時は変な声だなと思ってたけど、あの時は大間違い。この声は素晴らしい。SamphaかCee Lo Greenがゲスト参加してる時は良い曲だって信頼してる。それで多数のゲスト参加曲を経てアルバムを待ち望んで出てきた今作。めっちゃ良い。UK bassやgarageを取り込んでいて、でもやっぱ主役はSamphaの歌声。エレクトロなビートに歌うSamphaのリズム感が只者じゃねえ感醸し出していてそのテクニックに酔いしれる。愁いのあるビートでよくラップみたいだけどラップじゃない歌い方出来るなと心惹かれる。

4 . Sufjan Stevens - Javelin

10曲42分

Sufjan Stevensのこの新譜の評判がやたらと高いのは確認してたが、聴くのはちょっと後だった。どれどれという気分でかけてみて出てきた一曲目の「Goodbye Evergreen」、冒頭一人で歌い上げるSufjan Stevensにいつもの感じだなと思いつつ一分ぐらいからコーラスやサウンドが壮大になって、「ひえええええやべええええええ」って感動したね。余りにも美しいこの世界観に一瞬で惹かれてアルバムを聴きながら思ったね。死んで行きついた先にこの音楽流れて欲しいと。Nick Cave & The Bad Sheedsの「Ghosteen」は葬式で流してくれって思ったけど、今作はその先で流れてくれって思った。世の辛み悲しみを踏まえて達観したような音楽なんだよな、Sufjan Stevensの今作はそんな疲れた世の中と人々に癒しを与えていると思う。新宿駅とか人が行きかう場所でこの音楽流そうよ。

3 . Bleachers - Live at Radio City Music Hall

21曲1時間36分

長らく年間ベストを作っている中でライブ音源が初のトップ3に。Dirty Hitに移籍した彼らだけど、そのニュースついでにライブ音源でも聴いてみるかというノリで聴いたら、なにこれめっちゃ熱いと感動。まるで自分の眼や身体でライブを楽しんだかのような追体験ができるくらいの臨場感と熱いヴァイブスが今作に詰め込まれている。客の声が聴こえるし、優秀なプロデューサーであるJack Antonoffはライブ場では暑苦しい男、そこが最高。一曲二曲から段々会場があったまり三曲目の「Wild Heart」ではもう会場が良いムードで一体感出てきた。80'sポップに影響を受けたご機嫌な曲はオーディエンスの躍らせ、調子に乗ってどんどん大合唱への渦を作り上げている。色んな楽曲でサックスソロが盛り上げるし、Jack Antonoffは煽り、客を盛り上げる。客も演者も盛り上がっているなあと、ライブ音源を通して充分伝わるね。会場がくっそ盛り上がってる中で超アンセムの「I Wanna Get Better」がどうなるか想像してほしい。オーディエンスの大合唱。めっちゃ楽しんでるじゃんという臨場感が伝わってくる。正直オリジナル音源知らなくても全然楽しめると思う。オリジナルは洗練されたポップス、ライブは熱いヴァイブスのあるパフォーマンス。素晴らしいライブ盤。

2 . Jessie Ware - That! Feels Good!

10曲40分

先行シングルの「Pearls」が完成度が高すぎてアルバムがどうなるんだろうと思ってたけど、その期待のハードルを悠々と越えるクオリティの高さ。2023年上半期はJessie Wareしか勝たん!って思ってたね。ディスコやダンスポップを焦点に当てた今作は他の同ジャンルと比べるととてもリッチな世界観で他がスイカバーやスーパーカップならこれはハーゲンダッツ。「That! Feels! Good!」や「Beautiful People」のファンクポップは踊れまくれるし、「Hello Love」や「Begin Again」の優雅なサウンドは陶酔感ある。どの曲もパンチ力抜群の楽曲が並んでいる。こんなすごい楽曲が続々出てきたら「やっぱこいつ強えわ。もうダメだ。強い」ってなる。別に競ってないけど。とにかく素晴らしく完成された世界観にただただ圧倒された一枚。

1 . DJ Sabrina The Teenage DJ - Destiny

41曲3時間56分

The 1975のHappinessの共作で有名なDJ Sabrina The Teenage DJのアルバムはやたら長いことで有名で3時間もしたCharmedが長い事がもはやネタになってるらしい。しかし、今作はそれを更に超えて約4時間。2023年の年初のインタビューで3枚出すと言ってたし最初は春に出したいと言っていたが、結局夏まで出なかったので、前作の90分より長い作品が出るのではないかという予兆はあったんだけど、まさか4時間とはね。考えて欲しい。好きなアーティストやバンドが4時間のアルバムを出したって時、「ご褒美です」ってなったり、「いや流石にね小分けしてくれる?」って思うかもしれない。ただ実際4時間を出されたら4時間を受け入れるんですよ。今作を何周しても短くしてくれだなんて思わない。もう身体が4時間を受け入れてる。ただね、4時間一気には聴いたこと無いです。どうしても途中で区切らないといけない。今回はそんなこと関係無いです。4時間の今作はずっと素晴らしい。ずっと聴ける。ずっと飽きない。だからこそ、区切ってもまた後で途中から聴いてやろうという気持ちにもなる。DJ Sabrina The Teenage DJを知らない人も沢山いると思うから説明するけど、今作は彼らのこれまでの8枚のアルバムの総大成にも感じる。これまでの作品を経てこそ生まれた傑作で、DJ Sabrinaはハウスで踊らせるし、彼女自身歌える。持ち味であるどこかノスタルジーな気分にさせるハウスだったり、極上の部分をただひたすらループさせて、トランス状態な気分にさせたり、サックスが鳴りまくる中R&B風に歌い上げたり、色んな楽曲が詰まってる。まるでひとたび入れば色んなアトラクションで楽しめるような遊園地みたいな作品。自分で言ってて言い得て妙だなんて思うけど、今作はまじで遊園地。DJ Sabrina the Teenage DJの音楽は踊れるし、気持ちいいし、陶酔感もあれば、憂いもある、区切りながらこのアルバムを楽しめ。
 
#年間ベスト #音楽

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