2010年代ベストアルバム 70-61 @もそそ
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70. Robyn - Body Talk (2010)
スウェーデン出身のポップ歌手による作品。聴けば分かるようにもろ北欧ポップって感じのサウンドで非常に耳になじみやすい。「テレビ番組のBGMとかで聴いたことあるんじゃないか?」というレベルくらいの脳内に入ってくる瞬間に馴染むサウンドで日本人にとっても親和性の高い音楽性なのかなと思う。個人的に2010年ぐらいのポップってこういうのだよな・・・というイメージにぴったりというか王道を走っているというか、だからと言って王道すぎて退屈というわけではなく、どの曲もすごいしっかりしてて聴き通して楽しい。今まで色んなポップ作品聴いたけど、やっぱつまんない曲とかあると、マイナス要素になっていてアルバムの総評が微妙な印象になってしまうこともあった。けど、この作品に至っては、優秀なチームと一生懸命作った力作であり名盤。
69. Vampire Weekend - Contra (2010)
1stで離れて、3rdで再発見してその次に聴いたのが2ndとなるこの作品で、こちらでは次作よりもっとパンチが効いていてキラーチューン多めでこれもこれで良い。トロピカルで陽気なサウンドのノリではるが、同時に上品さもあり、インテリさも感じるクオリティの高い作品。リスナーのツボを抑えたポップさはまさにデビュー盤の次のアルバムとして完璧に相応しい作品であり、1stから好きな人が求めるVampire Weekendのアルバムの答えとしてほんとに完璧だなと思う。個人的に好きなトラックはGiving up the gun。ポップな曲ながらも少し憂いのあるメロディでサビで小さくシンセの音がキラキラしてるのが聴いてて気持ちよくて好きなんだ。
68. Elli Ingram - Love You Really (2017)
この人を知ったのは、ドラムンベースバンドRudimentalの今年出した作品のボーナストラックから。この曲が余りにも素晴らしくて歌ってる人はどうなんだとSpotifyで検索をしてみたところヒットしたので、のぞいてみたらなんとアルバムを出していたとのこと。正直「ちょっと聴いてみるか~」ぐらいの軽い気持ちでハードル低めな感じだったんだけど、アルバムの素晴らしさに感動した。Elli IngramはUK出身のシンガーで現在26歳。それでこの人めちゃくちゃ歌が上手くて、ソウルシンガーって感じで、うねりや拳の効いた歌い方でテクニックがある。そしてアルバムの音楽性もジャズポップと言った感じでベースにあるのはジャズとかR&Bで、キャッチーで聴きやすいポップながらもオーセンティックな雰囲気があるのが魅力的。2017年に知ってたら絶対年間ベストに入れたであろうと思う程のアルバムの完成度で是非皆さんにも聴いてみてほしい作品である。
67. Bastille - Doom Days (2019)
客観的に見てもこの作品はBastilleをはじめて知りたい人に薦めたい作品ではなく、それなら2ndのほうが良いんじゃないかと思うんだけど、ファンの贔屓目あってはこの作品の素晴らしさはその2ndを超えているものとなっている。前作の音楽性はワールドワイドにアピールできるポップロックとなっているが今作ではややダークな路線となり、「進化」というより「深化」という言葉に相応しい。ヴォーカルのダンスミスの歌唱力はぐっと高くなり、P!ATDのような派手さのある歌唱ではないが、安定感が抜群で、そこを見出せばヴォーカルの幅や表現力の深さに感動してしまう。そして音楽の方もダークであるが、ポップであることは忘れず、キラーチューンやアンセムも健在、そして深夜から朝というコンセプトなテーマも分かりやすくて、次出すアルバムとして成功しているクオリティとなっている。
66. Passion Pit - Gossamer (2012)
めちゃくちゃ聴きこんだ作品。言葉は悪いけど彼の音楽としてのメンヘラはすごい自分の心にぐっときた。やはりこのバンドの魅力は明るいポップとは裏腹の歌詞の闇や心の暗さの対比であり、インディーポップとしてはめちゃくちゃクオリティが高くて、ピッチフォークが8.4を出したのは、正直らしくないと思ったけど、この完成度だからそりゃそうだろうなと思った。そして歌詞は弱気というか、ヴォーカル、マイケルアンジェラコスの素直な心がこのように正直に打ち明かされつつも芸術に反映されてそこが個人的にポイントが高い。どキャッチーなインディーポップの曲はこれでもかと空間に音を敷き詰めていて、何度聴いても新たな発見があるという価値のあるものとなっている。2010年前半のインディーポップの中で極めて高い位置にいる傑作だと思う。
65. Grouper - Ruins (2014)
この作品を聴いてほんとに驚いた。視界にはありとあらゆるものが映っているのに、この作品を流したと同時に世界は自分と「Grouperの音楽」しかなくなってしまった。触ると壊れそうなほど繊細なアンビエント、ドローンで形成された音は、あまりにも美しく、そして儚げに歌うGrouperの声はもはや音の景色と一体化しており、その音と声によって自分はGrouperの音楽だけで世界から隔離されてしまったんだろうと思う。
64. Miguel - Wildheart (2015)
最初この人を知った時は、肉欲というものを芸術へと昇華しているなと思った。それぐらいにこの作品には色気やエロさを見出すことが出来る。だからと言ってチャートにあるような曲の下品さは皆無であり、行為とか女性とのやり取りからもっと人間っぽさを見出してるような感じで、自分はそこら辺にアートを感じた。作品の音楽性はR&Bではあるが、サイケっぽいブラックミュージックで、ノリが独特である。しかし、そんなサイケな宇宙的で混沌としたサウンドからのCoffeeの爽やかなスローバラードは、アルバムのハイライトとなる曲であり、美しい旋律の名曲。後にTame ImpalaがRemixすることになるWavesという曲は、このアルバムの特徴でもあるサイケっぽさにロック要素を加えたアッパーな曲で他のアーティストではなかなか見られない名曲もある。これもまた、素晴らしい名盤です。
63. Nick Cave & The Bad Seeds - Ghosteen (2019)
今年を代表するアルバムの一つ。ベテランバンドの3年ぶりの作品。前作もその年を代表する作品となっているが、自分も良いアルバムだなとは思うけど、大好物かと言われたらそうでもないっていう印象だったが、今作はかなり良いと思う。前作は息子を亡くした悲しみが反映されたどうしようもない暗さが世界観を覆っていたが、今作はもっと境地が先にいっている。天国の音かと思うような俗世と離れたような音となっている。アンビエントやエレクトロから成る音によって、苦しさや悲しさから逃げずに前を向けることが出来た優しさが見えるようになっており、その点において暗いトーンの前作より好きである。全体において悟りを開いたような人生経験の重みがずーんと伝わって、辛い人生を送ってきたけど、このようにアートに昇華している事は素直に尊敬している。
62. Blood Orange - Freetown Sound (2016)
Blood OrangeことDev Hynesも2010年を代表する優秀なプロデューサーの一人で、これまでSky FerreiraのEveything is EmbarrassingやCarly Rae JepsenのAll Thatなどの作曲に関わっている。この人が生み出す音は80年代っぽさのある憂いさやノスタルジックかつ優しい音が特徴で、非常に癒しになる。そして今作においても甘美なサウンドが健在で、ヴォーカルにエコー効かせたり、ドラムマシーンがリズミカルな部分に貢献しているAugustineやファンクナンバーの、E.V.Pや、Carly Rae Jepsen、Empress ofのコーラス参加など、バラエティ豊富でレベルが高い作品となtっている。ヴォーカルは正直細い声なのだが、かえってそこが繊細で悲壮感漂い、この作品と世界観が合っている。現代社会における不当な扱いを怒りではなく静かに表現し、Kendrick LamarやKanye Westのように怒りを芸術にしたものとは違って、これは甘美な世界を味わいつつも、どこか悲壮感を感じさせられて、結果考えさせる作品になっていると思う。
61. The Black Keys - El Camino (2011)
現在、アメリカを代表するロックバンドの一組で、ガレージやブルースを得意とする二人組のバンド。この作品は、グラミー賞にもノミネートされるほど有名なものとなっている。「Lonely Boy」でのおじさんが一人で踊りあかすMVが超話題にもなったりしたが、この作品の良いところは一曲一曲どれも良くて、今やみられるのも難しいロックアンセムが幾つもあり、ツェッペリンの天国の階段みたいなバラード曲やダンサブルな曲もどれも個性があり、非常に聴いてて楽しい作品となっている。ギターの歪んだ音やベタベタとした独特なドラミングなども強い持ち味となっていて、一言で言うならシンプルでカッコいいロックンロールと呼べる。最近において「シンプルでカッコいいロックンロール」は、実はそんなにカッコよくなく、今年でたthe Black Keysのアルバムも新しさに欠けて面白くないな。。。とは思っちゃったのだが、このEl Caminoはスタイリッシュに終わり、キレ味のあるロックンロールで占められており、素直にカッコいいと思える作品だ。
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