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noteに書いた記事がアーティスト本人に見られていた件、そして新しく出るEPについて(Patient Hands : Stasis)

好きな音楽を見つけてはそれを共有することで、自分の感じたこと以外に、他の誰かが感じたことを得ることができ、その音楽について語りあったりなどの考えを共有することが楽しい。

だからブログを書いたりするのは、そういった好きなものや考えなどを広めることを目的としていて、記事をきっかけにして、誰かが聴いてくれるきっかけになったらいいな~ぐらいの気持ちで書いていたのだけれど、

まさかアーティスト本人に見られる日が来るとは思わなかった。

Patient Handsの人に見られていた

以前書いたこの記事、本人に見られていたよう。
これが発覚したのは、ある日、何か新作出てないかな~とふとした気持ちでPatient HandsのBandcampページを覗いた時のこと、彼のページにこんなことが書いてあった。

“To be clear, this is a masterpiece.”
- Note.mu (Translated from the Japanese)

(右上のbcというところからサイトに飛べます)

どこかで見覚えのある文言だなと思い、それに「noteってあのnoteだよな・・・?」となり、「これ自分が書いたあの記事じゃないか?」となり確認してみたら、もう100%自分のところから引用してるんだなとしか思えなくなり、興奮のさなか、思わず彼のBandcampページのメールフォームから「あの引用ってもしかして僕が書いた記事から?」みたいな感じで送ってみたところ、割とすぐに返事が返ってきて、こんなことが書いてあった。

「そう!君!この数か月間連絡を取りたかったけど、やり方が分からなかったんだ。あのレビューは僕のお気に入り、泣けるものだった。友達や家族に見せたよ」
「僕の音楽はどうやら日本で良い感じになってるらしい、沢山の人がツイッターで僕のことを見かけると言ってくれるんだ、多分君の投稿だよ」

上半期ベストにするほど気に入っているアーティストとこうやってやり取りできると思わなかったし、この後いくつかやり取りして、この後紹介するEPの音源もリリース前から聴かせてもらえたのだけれど、

なによりもまず、

この記事の冒頭にも書いたように好きな音楽を広められたらラッキーって感じで、自分の音楽を広めたり、呟いたりするのは結局は自分のためだと思ってた。自分の喜びでしかなくてこのブログだってそういうものだと思ってたけど、まさかアーティスト本人に見られていて、そしてとても喜ばれるなんて微塵とも思わなかった。

だからこそ、嬉しかった。こうやって自分が書いた人に、直接喜びのメッセージをもらえることができて、これまでの音楽ライフの中で味わったことのない感動だった。

今回の件はこれまでの音楽ライフの中でとても良い思い出になったし、そういった理由で音楽にも幸せにしてくれたPatient Handsには感謝している。
「だから、」という理由ではないけど、リリース前に送ってくれた、11月8日に出るPatient Handsの新しいEPをこれから書きたいと思う。

Stasis

Stasisは2014年に作ったもののリイシューで彼が18~19歳の時に作った作品らしい。(ていう事は今23~4歳くらい?)

それで聴いてみたところ、やっぱ若いころの作品という事もあって、ヴォーカル面においてStoic時期と比べるとまだ安定してないなとは思った。

とはいえ、サウンド面においてはStoicのアイデアの根っこのところはあったとは思う。例えるなら、人の声が続いていく中だんだんとノイズが音の世界を支配していくところや、フォークから段々と演奏が盛り上がっていくところは、Stoicでの"Envelopment"、"I Shaved My Father's Face"に通じる。

不思議に思ったのは"Severed"という曲。この曲では冒頭から「あー」だの「おー」だの声を中心にして徐々に展開を作っている曲なのだが、
James BlakeやBon Iver等とは違って、芸術故の手段とは感じなく、Patient Handsがまるで世界との距離感を図っているかのような、不思議な感覚にとらわれる。
Patient HandsことAlex Stooshinoffの作品はStoicでも強く感じてたが、とても自伝的で、パーソナルな世界観が色濃く出ている。そして今回のStasisでも、アンビエント、ドローンのサウンドや彼の虚ろげな声から、自分自身を見つめている姿を確認することができる。

6曲という短い編成ではあるが、Stoicが世に出ている現在、この独特な世界観を辿っていく意味では今回のリイシューも意味のあるものと思える。今回のリリースでも考えるにPatient Handsは創作意欲があってまた近いうちに作品を出すのかもしれない。

そういった意味でも、Stoicと次作の間でStasisのリイシューがあることで、より次作の前に予め理解を深めておくことで、次作でもよりよく楽しめると思うので、

是非とも聴いてほしい作品である。

11月8日に公開予定


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