大阪都構想実現で 巨大な一部事務組合の誕生??

一部事務組合(下の注釈をご覧あれ)という名前を聞いたことがありますか?

現在も大阪市では、ごみ処理関係の業務について、八尾市・松原市・守口市と共同運営する大阪広域環境施設組合という「一部事務組合」で業務を行っています。
小さい規模の地方自治体が、自分たちだけでごみ処理等を運営・処理するためには負担が大きく、組織の中心である大阪市にとっても、より大きな母体で処理を行うことが効率化にもつながり、小規模市町村の負担も下がることにつながるというメリットも、無くはないと思います。


しかしながら、現在の中心である大阪市がなくなれば、規模・権限共に突出した政令市がなくなるということであり、自治体数のみが増えることとなります。規模の差はあれ、権限は「横並び」状態で、「船頭」が居なくなった場合、その状態で4特別区と3市で合計7自治体の利害調整を行わなければならず、逆に「船頭多くして船山に上る」とならないか、心配しています。

さらに、一部事務組合では、一部事務組合議員として選挙で選出された議員はおらず、それぞれの特別区や各市町村で選出された議員が一部事務組合の議員となり、その業務などをチェックすることになります。果たして、それぞれ別の思惑の下集まってくる議員が、それぞれの自治体の利害を乗り越えて「調整」や公正な「チェック」ができるでしょうか?非常に疑問です。


いわゆる都構想の協定書における一部事務組合の問題は、それだけではありません。大阪市を廃止する特別区設置協定書(いわゆる都構想)では、150あまりもの事務を一つの巨大な一部事務組合で担うこととなっていますが、介護保険事業や住民票等システムに総務部門、斎場・霊園、etc.・・・と言ったように、趣旨も目的もバラバラな業務の寄せ集めです。なぜ、特別区か大阪府が担わないのでしょう?


基本的には、大阪市が廃止されれば、新しく創設される特別区において、現在大阪市が担っている業務が移管されることとなりますが、「特別区」では、その受け皿となるべき基盤がぜい弱で、4区バラバラで業務を行うことに無理があることの表れではないでしょうか。また、それらの業務を特別区に分割するための費用が莫大となるため、一括で業務を行った方が「オトク!」なのかもしれません。

じゃー、政令市大阪市を廃止する必要なんて、ないやん!!


※一部事務組合:
・複数の地方公共団体(以下、構成団体)が、その事務の一部を共同して処理するために設置する「特別地方公共団体」
・必要な事項を定める規約は、構成団体の議会の議決を経て、構成団体の協議により規定
・一部事務組合で必要な経費(負担金等)については、構成団体の議会における審議・議決を経る必要があり、議会の審議の中で一部事務組合の運営を確認

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?