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変化するジャンプ

鬼滅に続き呪術廻戦の勢いがすごい。
連載当初はBLEACHの系譜を継いだエモい作品という印象だったけど、ここまで人気が出ることは想像すらできなかった。
ヒットの要因としては、鬼滅の連載が終わったタイミングで市場が第二の鬼滅を求め、メディアがさらに煽ることで連鎖反応が起きたのかと。
約束のネバーランドの連載開始のタイミングがもう少し遅ければ。アクタージュの連載がまだ続いていれば。ヒットの渦中にある作品は変わっていたかもしれない。

鬼滅ヒットの要員のひとつは引き伸ばしがなく潔く完結したことも大きい。
おそらく暗殺教室あたりから、人気の看板作品でもストーリーに終わりがくればしっかり終わるという流れが定着しつつある。
呪術廻戦もその流れを汲んでいるのか、話の展開がジェットコースターのように起伏しつつ高速。今までのジャンプの流れだと、ピンチからの逆転や主要キャラが死んでも、なんやかんやで生き返るというものだが、呪術廻戦は今のところこのルールが通用していない。終わりに向けて瞬間瞬間で激しく燃え続けるマグネシウムのようだ。読者にとっては、テンションを持続させつつ完結まで突っ走ってくれるのでとても心地よい。

現在のジャンプは人気作品が完結しても、新たなヒット作を生み出し続けられる土壌ができているように感じる。
今までは新人作家は本誌で連載デビューし、人気がなければ12話で即打ち切りという容赦のない流れであった。しかしジャンプ+というWebマンガサイトを立ち上げたことで新人作家を発掘しつつ、本誌の連載枠を使わずにお試し連載ができる環境が生まれた。これにより本誌連載作品のクオリティは上がり、12話打ち切り作品は減少したように感じる。
鬼滅も独特の絵柄のせいか、連載初期は後ろから数えた方が早い順位だった。タイミングによっては打ち切り候補にも入っていたかもしれない。
現在連載中の仄見える少年という作品が好きなのだが、順位は不調である。しかし、即打ち切りになることもなく連載継続中である。この辺りに最近のジャンプの変化が強く現れているように見える。引き伸ばしをせずに連載作品の新陳代謝を行うことで、連載枠を圧迫する固定の人気作品が減り、無理な打ち切りも行われなくなる。
読者にとっては良いこと尽くめなので、引き続きこの編集方針でお願いしたい。


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