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2588日の現実と2589日目の奇跡

2589日は、年に直せば約7年になる。
7年という期間は、小学校入学から中学校入学までがまるまる納まってしまうほどの年月になる。
それだけの時間が、希望に満ち溢れていた少女達に、現実を教えたのだろうか。


2024/05/03(金)、Zeppダイバーシティ東京にて、VRアイドル『えのぐ』がワンマンライブを行う。元々所属していた『岩本町芸能社』から独立し、『えのぐ合同会社』設立後、初となるワンマンライブだ。
1日1公演に絞り、座席数も約1,000席ほどであるが、05/01時点でまだ埋まりきっていない所。以前からメンバーからも繰り返し、『次回以降ライブが出来るか分からない』と言葉が出ている所から、厳しい状況であることは察するに余り有る。
『えのぐ』を結成し、活動して約6年の結果がこれである。それをずっと傍で見てきた、元岩本町芸能社スタッフや関係者、えのぐみ、そして何よりもメンバー当人達にとって、過酷な現実であることは言うまでも無い。


『えのぐ』を今まで応援していて、辛くなったことは何度もある。こんなにも良いパフォーマンスをするのに、こんなにも自分が好きになったグループなのに、何故売れないのか。本当に奇跡でも起きない限りはこのままだろうと諦めている一方で、その奇跡がいつか起きるのではないかと期待を捨てきれずにいる。それほどまでにメンバー全員が諦めずに頑張っている。この諦めの悪さが、粘り強さが、『えのぐ』の強みなのだと、未だに思い知らされる。


『えのぐ』が最初に出したシングル、『ハートのペンキ』を引っ張り出し、再生をする。ジャケットに写る彼女たちも、記録されたその歌声も、まだ幼く純粋で、この『現実』を知らない。
けれどもどこか、その『現実』すら乗り越えて『奇跡』を起こすことが出来そうな、現在の彼女たちが持っている力強さを仄かに感じた。
私の中の『えのぐ』とは、昔も今もそういうアイドルグループなのであった。

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