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本を読む冒険

本を読む人の中には、「本を読むことでいろいろな世界を冒険することができる」という人がいる。確かにいろいろな経験を本から得ることで一種「冒険」のような経験を得ることができるのは確かだ。しかし、僕はこの比喩にいささか違和感がある。「全然いいよ。」という言葉と同じくらい。
そもそも「冒険」は「主体的」であり、予想外のことも起こるけど、ある程度どこに行って何をするかを計画することができる。「冒険」も長さも自分で調整できる。だから「思ったよりも長かった」みたいなことはそうそう起こらない。対して読書は「受動的」であり、(確かに本を手に取って、読み始めるということは「主体的」だけど)「冒険をする」というよりも「冒険を傍観する」立場である。読書をしていて「あれ、こんな冒険のつもりじゃなかったんだけど」なんてことはよくあるどころかいつもそうだ。いい意味でも悪い意味でも。まったく自分のコントロール下にない。

読書は僕たちを「冒険に連れ去って」くれる

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