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ポーカー「テキサスホールデム」初参加レポ


1.そもそもポーカーとは?

みなさん、ポーカーといえば最初に何を思い浮かべますか。
多くの人は、「ハンド(役)」ではないでしょうか。
ポーカーの役は以下の通り、ロイヤルフラッシュが最強でハイカードが最も弱い組み合わせになります。

1. 同じスート(カードの柄の種類)の10・J・Q・K・Aが揃った場合は「ロイヤルフラッシュ」
2. 同じスートかつ連続した数字が揃った場合は「ストレートフラッシュ」(クローバーの3~7など)
3. 同じ数字のカードが4枚揃った場合は「フォーカード」
4. 3枚の同じ数字のカードと2枚の同じ数字のカードが揃った場合は「フルハウス」(ドラマがありましたね)
5. 同じスートのカードが揃った場合は「フラッシュ」(全てハートなど)
6. 違うスートでも、数字が連続した場合は「ストレート」
7. 同じ数字のカードが3枚揃った場合は「スリーカード」
8. 同じ数字のカードが2組の場合は「ツーペア」
9. 同じ数字のカードが1組の場合は「ワンペア」
10. 役がない場合は「ハイカード」(全員がハイカードの場合は、強い数字のカードを持っている人が勝ち)

「それくらい知ってるよ!」という人も多いことでしょう。
かくいう私も「役くらいなら知っている」状態でした。しかし、それは本当にただ"役を知っているだけ"でしかなく、「組み合わせで何となくどれが勝つのかが分かる」という程度の浅い浅い知識です。
挙句、「手元に集まるカードの組み合わせで勝敗が決まるのであれば、運ゲーだな」くらいに思っていました。浅はかの極みです。

では、実際にポーカーとは何ぞや?を解決するためには一体どうするべきか。

ポーカーゲームをやってみるのも、ひとつの手でしょう。
しかし、ソリティアすら運ゲー扱いしている私がポーカーを駆け引きのある大人のゲームだと理解するには、スマホアプリぽちぽちで足りるはずがありません。運ゲーだ!と投げ出すオチしか見えません。では何か。

実地だ!
実体験に勝るものはない!!

というわけで、実際に体験するために京都から新幹線に飛び乗り、都内某所で協力者と待ち合わせの上、挑んできました。

2.一般的なポーカーのルール

ところで役だけ知っていたみなさんは、ポーカーの一般的なルールはご存じですか。よし、ご存じないということで進めます。

  1. プレイヤーに5枚の手札が配られる

  2. 任意の手札を交換して役を作る(ただし手札を全取り換えはできない)

  3. 勝敗を決する

以上です。
私はこのルールだと思いながら現地に挑みましたが、何やら始まったゲームはそもそもプレイヤーには2枚しか配られない「テキサスホールデム」というものでした。

ちんぷんかんぷんです。
ポーカーさせろやの気持ちです。

この時点で「思っていたポーカー」とはルールが違うわけですので、カモになることは分かり切っています。お店の方に無理を言って見学をさせてもらいました。見学ってなんだよ?と同じテーブルについた他の方々も思ったはずですが、意外や意外。大丈夫。むしろ優しかったです。このテーブルには紳士しかいません。ポーカーは紳士のゲームですね。

しかし、指フェチでもある私は見学中についついディーラーやプレイヤーの指を眺めてしまい、なかなかゲームに集中できません。協力者がきちんとディーラーに質問をしてくれるおかげで、ちょいちょい知識を得ることはできますが、頭よりも眼球が動いておりました。万事休すです。

3.テキサスホールデムとは?

見かねた(?)お店の方が初心者講習なるものを開いてくれたおかげで、ここに来て光が差しました。あのままでは、私はただテーブルについてディーラーとプレイヤーの手元を眺めて終わるだけの時間を過ごしていたことでしょう。

さて、改めてディーラーの方にゲームを説明していただきました。

「テキサスホールデム」とは、
配られた2枚のカードを『自分の手札』、テーブルに置かれる全5枚のカードを『全プレイヤーの共有札(コミュニティカード)』として扱い、自分の手札と共有札を組み合わせて役を作り、勝敗を決めるというもの。つまり、手札+共有札の7枚で強い役を作るという、数あるポーカーの遊び方のひとつとのこと。

ポーカーの遊び方はひとつではない。
まるで何かの名言のようです。もう既に(初心者的には)新しい知識を手に入れました。

ゲームの基本とプレイヤーのアクションは以下の通り。
知ってるよ!という方は読み飛ばしましょう!

  • 1ゲーム=4ラウンド制

  • ポット=そのゲームでプレイヤーから集めたチップの合計

  • アクションは6種類

    •  ラウンドの最初にチップを賭ける「ベット」

    •  既に出ているチップと同額のチップを賭ける「コール」

    •  既に出ているチップに上乗せして賭ける「レイズ」

    •  チップを賭けずに他プレイヤーにターンを譲る「チェック」

    •  自分のチップを全て賭ける「オールイン」

    •  勝負から降りる「フォールド」「ダウン」

基本的な進め方としては以下の通り。

【ラウンド1:プリフロップ】
1.ディーラーから各プレイヤーに2枚のカードが配られる
2.ディーラーがアクション開始位置である『ディーラーボタン』を決定する
 ディーラーボタンが置かれた人から時計回りの順番でアクションを起こすことになる
3.ディーラーボタンが置かれた人の左隣の人が「SB:スモール・ブラインド」となり、テーブルで決められているチップ額を出す
4.SBの左隣の人が「BB:ビッグ・ブラインド」となり、テーブルで決められているチップ額を2回出す(ポットに出す分と、自分用の賭けるチップ)
5.各プレイヤーは手札のカードを確認し、勝負に乗るか乗らないかを決める
 乗らない場合:手札をディーラーに返却して「フォールド」または「ダウン」を宣言し、そのゲームから完全に降りる
 乗る場合:賭ける額を決めてその場にチップを出す
6.賭けに出された全員のチップが同額になれば、ラウンド2に進む
 賭ける金額の釣り上げが発生することも!
 もし手札が強くない場合は降りるのも手!

【ラウンド2:フロップ】
1.ここで初めてテーブル上に全プレイヤーが共有するカード(コミュニティカード)が3枚オープンされる
2.ラウンド1と同じく各プレイヤーは手札のカードを確認し、勝負に乗るか乗らないかを決める
3.このラウンドで賭けに出された全員のチップが同額になれば、次のラウンドへ

【ラウンド3:ターン】
1.コミュニティカードの4枚目が追加でオープンされる
2.前ラウンドと同じく各プレイヤーは手札のカードを確認し、勝負に乗るか乗らないかを決める
3.このラウンドで賭けに出された全員のチップが同額になれば、次のラウンドへ

【ラウンド4:リバー】
1.コミュニティカードの5枚目がオープンされ、テーブル上にコミュニティカードが出揃う
2.前ラウンドと同じく各プレイヤーは手札のカードを確認し、勝負に乗るか乗らないかを決める
3.このラウンドで賭けに出された全員のチップが同額になれば、手札をオープンして勝敗を確定させる
4.勝者はそのゲームで賭けられた全てのチップを手に入れる

まず、この流れを理解すれば良く、次のアクションが分からない場合でもディーラーの方に聞けば解決してくれました。なんて親切。
しかし、この情報だけでは巷のルールブックと大差ないでしょう。というわけで、次は体験した感想と聞きかじった知識を披露することにします。

4.見学と初心者講習を経て

まず見学している時には、ゲームの流れを何となく把握することには成功しました。これは見学の良いところですが、「誰が何をしているか」を眺めていられるため、ゲーム全体の流れは掴みやすくなります。一方で、「どうしてそうなった」の疑問が止め処なく溢れます。何故なら、「どうして」を解決するための詳細がまだ見えていないため。弱い手札なのに最後まで賭け続けた理由というものが、ここでは見えて来なかったわけです。

次に初心者講習を受けてみて分かったことは
 ・自分のことに集中しすぎないようにするべき
 ・カードよりもチップの戦略を考えるべき

ということでした。

そもそも、「役を作ること」がメインだと捉えていたため、最初は手札とコミュニティカードの組み合わせばかりを考えてしまいました。しかし、これがダメでした。
だって、5枚全て揃う頃にはゲームはお開き。手札が弱かろうが強かろうが、強制的に公開されてしまうわけです。
もちろん、手札として何が来ているのかは重要でしょう。
手札に強いカードがあるか? これで最初にオープンされた3枚を組み合わせて戦えるか? それを考えて乗るか乗らないか、コールかレイズか、アクションを決めなければならないわけです。
しかし、本当の目的はその更に向こう。
役を揃えた先にある、チップの山を手に入れることにあります。

では、何をするべきか。
極端にいえば、自分以外のプレイヤーに「降りる」選択肢を取らせることにあると考えました。
むやみに賭けるチップの額を釣り上げる、という意味ではありません。

例えば、あなたがプレイヤーの1人だとしましょう。
引くほど自信満々にベットし続けている奴がいたら、「こいつ、すごい手札を持っているのでは?」と思うのではないでしょうか。
あるいは、いくらチップ額を釣り上げても、しれっとついてくる奴がいたら? 何ならレイズを唱えて倍にしてくる奴がいたら? アクションに一切の迷いがない奴がいたら?
なんかもう怖くなりますよね
「こいつは何かあるのでは?」と考えてしまうのではないでしょうか。

手札は最初に配られた2枚。交換はできません。
コミュニティカードはテーブルに置かれていく5枚のカード。
もちろん、強い手札を手に入れる引きの強さは大切でしょう。しかし、それは自力で調整できる部分ではありません。カードの組み合わせも自分ではどうにもこうにもできません。ディーラーを買収するしかないです。

ここで「自分のことに集中しすぎないこと」
つまり、他プレイヤーの様子を観察する必要があるわけです。
例えば、視線はどこに向いているのか。やたらとポットを見ているか、自分のチップの山を見ているかもしれません。
あるいは、アクションの選択に時間がかかっているか、決断に全く迷いがないか。一瞬の迷いもない場合は最強手札の持ち主か、つよつよメンタルの可能性があるでしょう。後者の場合はお手上げです。生粋のギャンブラーと呼べるでしょうから、真っ向からやり合っても泣きを見るだけの予感がします。逃げましょう。

ともあれ、つまり「他プレイヤーの動向を知るべき」というわけです。これが勝負に乗るか乗らないかの判断にも影響すると考えました。

そして、「カードよりもチップの戦略を考えること」
これは、経験者の方からすれば当然の帰結になりそうで恥ずかしい部分ですが、初心者として許してください。
ゲームの目的は、ポットに入っているチップを手に入れることにあります。
ポットに入っている額を手に入れるためには、「このラウンドでいくら賭ければ得できるか」「自分の手持ちで、どれだけ勝負ができるのか」「今の時点で、次のラウンドに進むべきか引くべきか」を考える必要があるでしょう。
そのために注視するべきなのは、自分で左右できない手札やコミュニティカードではなく、自らが持っている手持ちチップとポットに集められた賭けチップだと思いました。

5.見学テーブルにて

もはや余談となりますが、「他プレイヤーの様子を観察する必要がある」と感じたきっかけは、見学させてもらったテーブルのプレイヤーにありました。
うす暗い店内で、恐らくファッション目的ではなさそうなサングラスをかけていたわけです。ファッション目的ではないと判断したのは、席についてからサングラスをかけていたから。つまり移動中は暗くて見えにくかったんだな。
視線の動きで思考を読まれることを避けたのかもしれません。

また、悩みの仕草は指先に表れる場合もあるように感じました。判断に迷ったと思わしきプレイヤーは、何度か手持ちのチップの表面を撫でたためです。「賭けるか」「賭けざるべきか」「賭けるなら上乗せするか、同額か」を考えて無意識に動いたのかもしれません。

これ以上は気持ち悪がられそうなので割愛します。そもそもただの深読みかもしれません。

6.ディーラーからの指導

さて、初心者講習をしてくださったディーラーの方が教えてくれたことや確認したことを羅列していきます。そのお店特有のルールである可能性は否定できませんが、極力独自ルールに該当する箇所は省きました。

  • アクションの前に発声を行うこと

    • 特に「レイズ」で上乗せの場合は、先に額を宣言した方が良い

    • チップをテーブルに出すアクションを先に実施すると、多く払いすぎることや意図しない額の出し方になる場合もあるため

    • ただし、賭けずに他プレイヤーにターンを譲る「チェック」はテーブルを叩いて示していたので、全てがそうではなさそう

  •  手札カードのめくり方は横向きにすること

    • カードは横向きにして、手前側を軽くめくって数字を確認すること

    • 上品なやり方としては片手を添えることだが、重要なのは他のプレイヤーに見られないこと

  • 手札カードはテーブルから離さないこと

    • きっと初心者は位置を整えるためにカードを持ち上げるかもしれないが、これはNGとのこと

  • 賭けチップはきれいに重ねて出さないこと

    • ディーラーや他プレイヤーが誤認する恐れがあるそう

    • 枚数を確認したのち、宣言の発声と共にテーブル上に並ばせるように手を滑らせると良いらしい

      • 重ねて置いたチップを上からなぞって散らばらせるよりも、掌を返して軽く放り出す所作が褒められていた

  • オールインされた場合、同額のチップが出せないならオールイン返しすること

    • 化け物には化け物をぶつけんだよ理論

    • 同額が出せないなら全財産を賭けろというわけである


7.最後に

さて、こうして初心者どころか未経験丸出しのペーペーとしてポーカー場に乗り込んできたわけですが、体験しなければ分からなかったこととしては場の空気感はもちろんのこと、ディーラーやプレイヤーの所作にありました。こればかりは、実際に見ないことには分かりようがありません。

そして、参加すると「自分のことでいっぱいになりがち」だということも分かりました。ゲームを見るのが好きなら、いっそ誰かを応援するパトロンとして参加する方が良いかもしれません。

最後に、協力してくださった皆様、ありがとうございました。
はちゃめちゃ楽しかったです!


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