アプリのサービス終了を経験したおたくの話

わたしは約1年前にサービス終了したアプリゲーム作品のおたくです。


サービス終了が、どんどんと身近なものになっているな、と思う。
プレイしていたアプリがサービス終了になった経験を持つ人もかなり増えたのではないだろうか。


アプリゲームの最大の特徴は供給が多いこと・話題が多いことだと考える。
同じゲーム媒体なのでコンシューマーのRPG系ゲームと比べられることも少なくはないが、そもそもコンシューマーゲームは「完結していること、そしてそれをクリアしていること」が作品を語る上の前提なので、サ終に関して同列に語っても共感がしにくい。

どちらかというとイメージは週刊連載漫画の連載終了だろうか。もちろん完結した後も様々な展開があり名作として語り継がれる漫画もあるが、サ終アプリはそんな大層な存在じゃない。単行本数冊程度、ストーリーの伏線も回収しきれないまま人気がないからと捨てられた、打ち切り漫画のようなものだ。展開はあまり望めず、時が経てば単行本も廃版になる。


おたく界隈(とくに自分のいる女性向け界隈)の主流は、まだまだアプリゲームだろう。
これはわたしの感覚だが、アプリゲームが主流となった結果、ファン側は「常に供給のあるもの・みんなと騒げるもの」に興味を持ち、供給のないもの・展開のないものに対しては耐えられなくなってしまったように感じる。そしてそれが、「サービス終了が続いてしまう」数ある理由のうちの一つですらあると思う。


今はSNSも普及して、世界中の誰かと、リアルタイムで同じ時を過ごしている。
みんなが一斉に同じものを見て・同じものへの反応をしている姿が一度に目に入る。それは本当に楽しいことだと思うし、「みんなと楽しむこと」を目的として活動すること・ゲームをプレイする人もいるだろう。怒涛の勢いで展開していくおたく文化を楽しく生きていくなら、それが一番"正しい"のかもしれない。

自ジャンルもサ終が決まった直後はトレンド入りをしたし、一部で署名活動が起きたりしたようだが、わたしの目に入る限りその数週間後には精力的にジャンル内で発言していた人ですら別のゲームを始めたり、別の作品を楽しんでいた。実際「趣味」はその程度の依存度であるべきで、1年以上経っても未だにめそめそしている自分の方が「生きにくい」人間である自覚は持っている。


案外、みんな乗り越えていけるんだなぁ、と思った。
それは断じて良い悪いの話ではない。身近になってしまった「作品の突然の終わり」にどう向き合うかは、人それぞれだ。

早急に違う楽しみを見つけたって良い。もうアプリゲームは出来ないと他の媒体を楽しんでも良い。おたくを辞めることだってできるし、ある日突然、他の"何か"と運命の出会いをしたって良い。もちろん、一生「好き」でいても良い。


好きなまま生きていくなら供給は自分自身で創り出さなければならない。今回深くは触れないが自分は夢女なので大体どこでも推しくんと行くし推しくんとの暮らしのため生きている。今はペアフレグランスが欲しい。なんかこうやっていると毎日自ジャンル本当に楽しい…(と、思い込めるので1年間の間にメンタルだけはずいぶん鍛えられたような気がする)


再三他の記事で書いているが、わたしはサ終が決まった時本当に死にたかった。推しくん以外を好きな自分になるくらいなら、推しくんを一番好きな今全部終わらせたかった。でも今でも推しくんが一番好き。推しくんがせかいでいちばんかっこいい。まだサ終が決まった日、"殺してしまいたいと思った自分"にはなっていない。


最近サービス終了が続いてしまったためか、わたしのnoteを見てくださる方が少し増えた。
もしもあなたがサ終に直面してしまったなら、元気を出してとは言わない。言うことはできない。(推奨すべきではないけれど)もう死んでしまいたいならそれだって自由な選択の一つだろう。本当に悲しくて悲しくて、誰かにただ話を聞いてほしいと思うならいつでも連絡してほしいくらいには思う。きっと心から共感して話を聞くことができる。
ただ、今まだ遊べるのなら、早急にネットを閉じて、終わってしまう最後の瞬間までしっかりとゲームを楽しんで欲しい。生活を犠牲にしてでも遊びつくしてほしい。「あの時もっとプレイしていたら」という後悔だけは、終わってしまったあとでは絶対に払拭できない。また、個人的には保存作業も可能な限り行ったほうがいいと思う。記憶は本当にあいまいなもので、毎日見ていたはずの物、聞いていた言葉でも触れなくなった途端に容赦なく薄れていく。「記憶が薄れていること」に気が付いた瞬間の絶望は大きい。思い出す方法は少しでもい多いほうがいい。


もしも一生好きでいると思うのなら、いつかあなたとお話ししたい。
あなたの愛した、あなたの世界でいちばんきらめく作品の話を聞かせてほしい。

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