あのスイティエン公園へ
ホーチミンに行ったら、あのスイティエン公園に行ってみたいと思っていた。
ベトナム人の友人デイビッドに言ったら、うわ懐かしいー、子どもの頃、父親のバイクに2人乗りして行ったな〜とのことだった。どうやらホーチミン・シティボーイたちが、ごく普通に親と出かける場所のようだ。広い公園にプールと動物園が併設された施設…、と聞くとたしかに一般的なアミューズメントパークらしきもの…を想像するかもしれない。
しかしgrab(配車アプリ)で、ホーチミンから1時間弱のスイティエン公園入り口にたち、二日本円で300円くらい?の入場料を払って中に入ると、日本人がイメージするアミューズメントパークとはまったく異なる、物凄いインパクトの場所であることがすぐに分かると思う。行かれたことがない方には、ぜひおススメしたい。
スイティエン公園を貫くコンセントとして、まず宗教や仏教の影響が強い施設だということがあげられる。複数あるお化け屋敷では、地獄を再現しており、閻魔様に裁かれた人間がボコボコにされたりメチャクチャに切り刻まれたりという場面が、これでもかというくらい繰り返される。園内の随所に見られるオブジェも仏教の教えによるもの…例えば蓮など.が多い。
デイビッドに社会主義って宗教禁止じゃないの?街角で見かけた寺とか、この遊園地とか、完全に仏教推しだけど問題ないの?と聞いてみた。すると、確かに共産党幹部は仏教に入ってはいけないけど実際には信者が多いし、仏教団体は人数も多くパワーがあるから共産党に取り込まれていてズブズブだとおもうよ!とのことだった。また、お化け屋敷は庶民の教育に利用されていて、子どもの頃は、悪いことするとスイティエンのお化け屋敷に連れて行くぞ!と言われるとまあまあビビったそうだ。なるほど。
スイティエン公園の次なる特徴としては、オブジェのデカさ、奇抜さ、カラフルさをあげたい。宗教とも密接に絡んでくるのだが、とにかくそこにある造形物は一様に大きい。神様や動物…カエル、象、猫などモチーフは多様でどぎつい原色の塗装、見た感じだいたい可愛くない。日本とはあきらかに感性が異なるようだ。
何で?とふたたびデイビッドに聞くと、まあ子ども向けだからね!こういう作りになるよね!と例によって話はかみあわない。
他にも無限に突っ込みどころはあって、直接見ていただきたいのだが、今回最後に指摘したいのは、動物たちに対する雑な扱いだ。フィッシュマッサージ、という足湯みたいなコーナーで魚に人間の足の水虫を突かせる…というのはまだしも、生きた亀が石垣のように積まれているコーナーその他があり、なかでも一番インパクトがあったのはワニ釣りコーナーだった。
それほど広くない池にワニが数十匹いるのだが、その真ん中の人工的な島のようなところで、やる気なさそうな係のおばちゃんに日本円で数十円程度払うと、太い凧糸に謎の赤い肉を結びつけた釣り竿をくれる。これをワニの目の前に垂らし、食いつかせる…ということをやって遊ぶのだ。ワニが食いついても釣り上げられるわけはなく、肉を取られたらおしまい。
ただ、食いつく一瞬にはかなりスリルがあり、何度もおばちゃんに紙幣を渡してしまった…。なんか動物愛護の観点からするとどうなのかという気もするが、ワニも美味しい赤い肉を食べられるし、他になかなかないので、貴重な体験になった。
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