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線路と日々。セオリーありますか

人生、たまたま同じようなことが重なるとか、自分に関わりのある人に共通する何かがある、とうようやことはないだろうか。

僕にはいくつかその手のことがある。そのうちのひとつについて、書いておこうと思う。

小さな頃、父の田舎に遊びに行った。実家の近くにちょっと変な道路があった。近くに幹線道路があるのに、並行するような形でもう一本走っている。聞けば、旧国鉄の廃線を道路にしたのだという。

10才の頃、転勤したばかりの父の会社に遊びに行ったことがある。最寄りの駅で降りると高架の線路と垂直に走る不自然な道路がある。おぼろげな記憶だが、舗装されておらず、自転車置き場のようになっていた。ここも以前、鉄道が走っていたとのことだった。

住んでいるアパートメントの部屋をリフォームするとき、仮住まいの部屋を探した。候補のUR物件は通りに面したコンビニのすぐ裏手にあるはずだった。通りを右折しコンビニをすぐ左に見ながら、物件の前に立つと…、果たして建物の目の前は、その昔路面電車が通っていた道だった。

だからどうだということもない。単純な偶然だ。
これまでの人生で、きっと何万本と道路を見てきているわけで、鉄道の跡と無関係な道路の近くに住んだり、通ったりしたことの方がむしろ多い。それにその場所で特別良いことや悪いことが起きたわけでもない。

ただ…、これまで自分の過去に起きてきたことと同じことが不意に目の前に現れると、何となく余裕が生まれるということがあるし、何が起きるか分からない未来についても、根拠なく大丈夫だろうという気がしてくるから不思議だ。

あ、線路の跡だ、またか、これまでそうだったように、何とかなるのだろう、というような…。

自分の気持ちがざわついて緊張感だったり不安感だったりがあると、物事がうまくいかないことは多い。だから意識して自分を暗示にかけるという手は、わりと悪くないと思う。自分を落ち着ける事が出来るし、分からない未来に気をもむことから、少し離れることができる。

ずいぶん前、不動産投資を始めた頃、小さなビルを買おうと思い立った。候補は二つ、1つは街中にある一階にレストランが入ったビルで、もう1つは同じ街のやや外れにある、区役所の裏にある一階が空き物件になっているビルだった。僕は一階が空きになっている方を買うことに決めた。色々比較のポイントはあった。ただその物件の目の前には、昔電車が走っていた。

その後、空き物件は埋まりビルの値段も上がっていったから、良い投資になった。だが排水のトラブルが起きたり、泥棒に建物を傷つけられたこともあった。

だからどちらのビルを選んだほうが良かったのかは分からない。良いこと悪いこと両方あって月日は流れる。どちらを悩んだところで変わらなくて、結局何か理由をつけて、選ぶ道を決めているだけのような気がする。





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