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無常により限界 2024/03/25の日記

『PERFECT DAYS』見た。以下ネタバレ上等の感想。


役所広司が好きだから見に行ったけど、ちゃんと役所広司が好きな人のための映画だった。ストーリーの面白い面白くないは元来あんまりよくわからない方なので、とりあえず不自然な展開がいっぱいあってモヤモヤ…みたいな感じではないと思う。ただ場所の位置関係は把握してないので、川で飲んでたら末期がんのおじさんが急に現れるシーンは!?ってなった。あれ何?

ブルーカラーの役所広司、かなりブルーカラー労働者の雰囲気は出ていたけど、それでも確かに脱色されたキレイさはかなり感じた。とはいえ、キレイさをサポートするような描写もちゃんとあるので別にいいと思う。佐藤さんのリアリティも素晴らしいね。10段階男はマジで謎。

鍵を閉めるとガラスが曇るトイレの公園にいたホームレス、確かにそれっぽいし現実にいたら崇高だと思うが、そこはやはり映画なので、狙ってる感もあったし、全面的には肯定しない。あれは狙ってやってないのがいいものなので。

迷子の子供と母親のシーンもやりたいことはわかるけど、それにしてもちょっと陳腐には感じた。世間の清掃員に対する無理解みたいなのを演出しつつ、だけど両方にとってとりあえず取っておく慣習的な行動があって、母親も子どもを守るためには仕方なくて…みたいな議論、まだやらなあかんか?という感じ。そういうのはもういいでしょう。役所広司の誠実さをアピールするためだとしても弱すぎるし。

女将さんがThe House of the Rising Sunを日本語で歌い出したときは、え!?!?!?アニマルズにもイエローサブマリン音頭的なアレが!?!?!?!?!?と思ったけど、マジであるらしい!

浅川マキって人が日本語詞を書いてるんだって。へー。全然知らなかったぜ…ビビったな…。でも他のロック演歌カバーに比べてもこれはちゃんと元の雰囲気にマッチしててええね。てか調べたら元の曲も作者不明の民謡みたいな感じなんだな。全然知らなかった。


全体を通して何が伝えたいのかは割とわかりやすい方の映画だったけど、キービジュアル?にあった「こんなふうに生きていけたなら」はそんなにメインでもなかった気がする。

それよりももっと「時間って人間の喜びも悲しみもお構いなしに進むよね」とか「どんな気分でも朝って来るよね」みたいな無常観と言うか、世界の意味的な構成はあくまで人間が作ってるってことを押してる気がした。だから他の作品で例えるならこれはちいかわじゃなくて平家物語とかだと思う。合戦とか全部抜きにして、建礼門院の余生だけに注目した平家物語があったら多分こうなんだろうな。

あと話題の最後のシーン、表情がどうこうとかは前評判で聞いてたけど、それ以上にえ!?ここで!?という感情のほうが大きかった。ストーリーとしてもそうだけど、それ以上に車の中でいきなり限界になるのが以外だった。あのあとどうしたんだろう…普通に出勤したのかな。佐藤さんいたらビックリしただろうな…。


映画見てから部屋を片付けた。部屋を片付けるのはそう何度もあることじゃないので丁寧にやったほうがいいが、面倒なので本当にヤバいところは無視して、デカい問題をいくつか片付けて終わったことにした。

本棚もなんかいい感じにしたけど、めちゃくちゃ埃積もってたので本当に地獄だったな。でも本を片付けて揃えるのは気分がいいので定期的にやるべきだ。てか本棚って私みたいな学生にとっては第二のファルスなので、たまにキレイにしてあげた方が良い。そのうちDLSiteから本棚を片付けるだけのASMRが出る日も近い。

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