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【翻訳】【戯曲】【Faust - Der Tragödie erster Teil】「ファウスト - 悲劇の第一部」《ほんの少しだけ翻訳》

【翻訳】以下、翻訳にはアプリ「DeepL」を使用。

【Faust - Der Tragödie erster Teil】「ファウスト - 悲劇の第一部」
wikisource ドイツ版 URL> https://de.m.wikisource.org/wiki/Faust_-_Der_Tragödie_erster_Teil



Faust.
Eine Tragödie.
von
Goethe.

Tübingen.
in der J. G. Cotta’schen Buchhandlung.
1808.

ファウスト
悲劇。

ゲーテ

Tübingen の J. G. Cotta’schen書店 1808年.


【Zueignung.】
Ihr naht euch wieder, schwankende Gestalten!
Die früh sich einst dem trüben Blick gezeigt.
Versuch’ ich wohl euch diesmal fest zu halten?
Fühl’ ich mein Herz noch jenem Wahn geneigt?

【献身】
再び近づく、揺らめく姿!
かつて、鈍い視線にいち早く姿を見せた者たち。
私は今度こそ、あなたにしがみつこうとするのだろうか。
まだ、その妄想に心が傾いているのだろうか。


Ihr drängt euch zu! nun gut, so mögt ihr walten,
Wie ihr aus Dunst und Nebel um mich steigt;
Mein Busen fühlt sich jugendlich erschüttert
Vom Zauberhauch der euren Zug umwittert.

Ihr bringt mit euch die Bilder froher Tage,
Und manche liebe Schatten steigen auf;
Gleich einer alten, halbverklungnen Sage,
Kommt erste Lieb’ und Freundschaft mit herauf;
Der Schmerz wird neu, es wiederholt die Klage
Des Lebens labyrinthisch irren Lauf,
Und nennt die Guten, die, um schöne Stunden
Vom Glück getäuscht, vor mir hinweggeschwunden.

あなたたちが押し寄せている!それなら、あなたたちが支配してもいい、
私の周りの蒸気と霧の中から立ち上がるように;
私の胸は若々しく揺れ動く
あなたの列車を包む魔法の息から。

あなたは幸せな日々のイメージを運んでくる、
そしていくつかの親愛なる影が浮かび上がる;
半分色あせた古い伝説のように、
初恋と友情が、あなたと共に蘇る;
痛みは新たなものとなり、嘆きを繰り返す。
人生の迷宮、さまよえる道、
そして、幸運に惑わされた善人を呼ぶ。
幸福に惑わされ、私の前から消えた。


Sie hören nicht die folgenden Gesänge,
Die Seelen, denen ich die ersten sang,
Zerstoben ist das freundliche Gedränge,
Verklungen ach! der erste Wiederklang.
Mein Lied ertönt der unbekannten Menge,
Ihr Beyfall selbst macht meinem Herzen bang,
Und was sich sonst an meinem Lied erfreuet,
Wenn es noch lebt, irrt in der Welt zerstreuet.

Und mich ergreift ein längst entwöhntes Sehnen
Nach jenem stillen, ernsten Geisterreich,
Es schwebet nun, in unbestimmten Tönen,
Mein lispelnd Lied, der Aeolsharfe gleich,
Ein Schauer faßt mich, Thräne folgt den Thränen,
Das strenge Herz es fühlt sich mild und weich;
Was ich besitze seh’ ich wie im weiten,
Und was verschwand wird mir zu Wirklichkeiten.

彼らは次の歌を聞かない、
私が最初に歌った魂たち、
友好的な群衆は散り散りになった、
悲しいかな、最初の響きは消え去った。
私の歌は未知の群衆に響く、
その喝采は私の心を震わせる、
私の歌を喜ぶものは他にあるのか、
それがまだ生きているなら、世界に散らばってさまよう。

そして私は、長い間忘れかけていた憧れに捕らわれる。
あの静かで厳粛な魂の領域に対して、
それは今、不定な音色で浮かんでいる、
エオリアン・ハープのような、私の舌足らずな歌、
震えが私を襲い、涙が涙を追う、
厳格な心が温和で柔らかく感じられる;
私が持っているものは、遠くにあるように見える、
そして、消えてしまったものが現実となる。


【Vorspiel auf dem Theater. 】
Director, Theaterdichter, lustige Person.

【劇場での前奏曲】
演出家、演劇詩人、おかしな人。


【参考】青空文庫「ファウスト」(翻訳者:森 鴎外)版の冒頭文


薦むる詞

昔我が濁れる目に夙く浮びしことある
よろめける姿どもよ。再び我前に近づき来たるよ。
いでや、こたびはしも汝達を捉へんことを試みんか。
我心|猶そのかみの夢を懐かしみすと覚ゆや。
汝達我に薄る。さらば好し。靄と霧との中より
我身のめぐりに浮び出でて、さながらに立ち振舞へかし。
汝達の列のめぐりに漂へる、奇しき息に、
我胸は若やかに揺らるゝ心地す。

楽しかりし日のくさ〴〵の象を汝達は齎せり。
さて許多のめでたき影ども浮び出づ。
半ば忘られぬる古き物語の如く、
初恋も始ての友情も諸共に立ち現る。
歎は新になりぬ。訴は我世の
蜘手なし迷へる歩を繰り返す。
さて幸に欺かれて、美しかりぬべき時を失ひ、
我に先立ちて去にし善き人等の名を呼ぶ。

我が初の数闋を歌ひて聞せし霊等は
後の数闋をば聞かじ。
親しかりし団欒は散けぬ。
あはれ、始て聞きつる反響は消えぬ。
我歎は知らぬ群の耳に入る。
その群の褒むる声さへ我心を傷ましむ。
かつて我歌を楽み聞きし誰彼
猶世にありとも、そは今所々に散りて流離ひをれり。

昔あこがれし、静けく、厳しき霊の国をば
久しく忘れたりしに、その係恋に我また襲はる。
我が囁く曲は、アイオルスの箏の如く、
定かならぬ音をなして漂へり。
我慄に襲はる。涙相|踵いで堕。
厳しき心|和み軟げるを覚ゆ。
今我が持たる物遠き処にあるかと見えて、 
消え失せつる物、我がためには、現前せる姿になれり。


劇場にての前戯

【参考①】Web上の「青空文庫 in Browsers」で上記の青空文庫を表示した場合。

森鴎外訳「フアウスト」の冒頭文をWeb上の「青空文庫 in Browsers」で表示



【参考②】アプリ「iTextPad」で上記の青空文庫を表示した場合。

森鴎外訳「フアウスト」の冒頭文をアプリ「iTextPad」で表示
(文字サイズ、文字色、背景色などは変更可能)


【参考③】
【エオリアン・ハープ】
Wikipedia> https://ja.m.wikipedia.org/wiki/エオリアン・ハープ


 エオリアン・ハープ(Aeolian Harp)は弦楽器の一種。ウインド・ハープ(Wind Harp)とも。自然に吹く風により音を鳴らす。ギリシャ神話の風神アイオロスに由来する。
 フレデリック・ショパンの「練習曲 変イ長調 作品25-1」を聴いたロベルト・シューマンが「まるでエオリアンハープを聞いているようだ」と言ったといわれていることから、この曲の愛称としても知られる。

〜[上記Wikipediaより抜粋]


『森 鴎外は実際に「エオリアン・ハープ」を音を聞いて敢えて「アイオロスの琴」と表現したのか、もしくは、上記にある「自然に吹く風により音を鳴らす」からイメージした表現か。』


【参考④】 
【アイオロスの琴】
『変な疑問153「アイオロスの琴」①』
URL> https://kugutu2000.wordpress.com/2017/03/28/変な疑問153「アイオロスの琴」その1/


 木枯らしが電線に吹きつけると、電線がひゅーんという悲鳴をあげる。定常な空気の流れにさらされた電線の背後に一定の周期で渦が生まれては流されて行くことが電線の固有振動を励起する現象であるが、物理学では古くからこの現象を「アイオリスの琴」という美しい名前で呼んでいる。

〜[上記より抜粋]

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