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読書生活

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2021年6月の記事一覧

カント「純粋理性批判」反オカルトの名著が示す臨界点

カントの哲学がどのようなものだったかを次回の哲学ワークショップで解説させて頂こうと思ってます。 私がカントの「純粋理性批判」を購入したのはおよそ15年前。 読んですぐに。 あー、無理、無理。 何これ? となってギブアップしました。 とてもまともに読めたものではありません。 日本を代表する霊学者に本山博さんという人がいますが、本山さんのインタビューを読んでたら 「カントの純粋理性批判がわかるのに一生かかった」 …とおっしゃってました。冗談じゃない、そんなことに一

マキャヴェリを必ず読む人たち

1996年に「在ペルー日本大使公邸占拠事件」というのがありました。 ペルーにある日本大使館をテロリストたちが押し入り占拠。4ヶ月も人質をとって立て篭もったという事件でした。大きく報道されました。 あの時。 人質を放せ!というのにテロリストたちは最初は「イヤだ」と言って聞く耳を持ちませんでした。ところが、突如としてアメリカ人の人質だけがさっさと解放されたのです。 アメリカ軍の特殊部隊デルタフォースが来るらしい。 この噂が流れたと言われています。デルタフォースとは元々は

今の目線でもう一度。古典を読む。

昔と今は当たり前ですが、かなり違います。昔は生まれたその地で一生を全うし、海の向こうなんて、ましてや空の向こうに何があるかなんて知ろうにも知り得なかった。 しかし、今はインターネットがあり、航海技術があり、宇宙探査機も遥か彼方へと飛んでいきその景色まで通信で見ることができる。 今の我々の立ち位置というのは、かなり特殊です。 この時代になって占星術が再び人気を得てきたのは、複雑な占星術の読み解きをわかりやすく説明してくれる教え手がたくさんネット内に出現したことと、占星術の

ハイエクを読む。今一度。

koko書房にご来店くださる方、或いは親しい知人に、必ずおすすめしている本があります。それはアルヴィン・トフラーの「第三の波」という一冊です。 私はトフラーの大ファンで、何かあったらトフラーを読め、トフラーを読めと言ってきました。 今から16年前になりますが、音楽の授業をやっていました。あらゆる音楽の歴史・成り立ちを解説しながら、そこから色んな国の特徴や歴史背景を学んでみようという授業でした。ブルーズ、ロック、ジャズ、ソウル、ファンク、レゲエ、テクノ、ハウス、ヒップホップ

記号と構造 (哲学 占星術 相場チャート)

哲学は一体何から読めばいいのか。 フッサールという思想家の存在をまず知ってみよう。フッサールはちゃぶ台をひっくり返すようなことを言い始めた。「世界は一つではない」と。 そのフッサールが登場した20世紀初頭。 それ以後の思想界の流れを見ると、西洋哲学に対してクレームを入れるような人たちが多く出現している。そのクレーム内容に注目すれば、間接的に西洋哲学の全体像がわかるはずだ。これが私のおすすめする哲学への入門の仕方です。この話を先日のワークショップでさせていただきました。