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「ドラゴンボール」連載終了の裏話

先日、週刊少年ジャンプの三代目編集長だった方の企業小説風昭和熱血おじさん青春小説『さらば、わが青春の少年ジャンプ』を読んでとても感心しました。

同著者には同じテーマでもう一冊、企業小説風ジャンプ物語があるというので、他館から取り寄せで今日借りてきたのですが…


氏名も社名も誌名もすべて偽名になってはいますが、『わが青春の』を読み込んだひとなら大半を特定できてしまいます。

社内人事、派閥争い、妬み、そういったものが満載です。

ドクター・マシリトのことも出てきますね。ご本人が以前あるインタビューで「社内食堂で食事するの嫌いで、いつも他社のひとたちと食べてた。社内に留まると人事がどうとかこうとか、くっだらない噂話に付き合わされる、ばかばかしい」と言い放っていたのは、きっとこの本のことです。

「ドラゴンボール」連載終了後、「ジャンプ」が大幅に売り上げ部数を減らしていたにも関わらず編集部がそれを把握できないでいた裏事情が読んでいて面白い。同著者へのインタビュー本『まんが編集術』にも出てくる話ですがこの本のほうが詳しい。

それは置いといて、鳥山明(とは特定していないけれど誰が読んでも彼です)の元まで何度も懇願に出向いて、しかし新連載にとうとう首を縦に振ってもらえなかったのを「これは絶対鳥嶋の陰謀だ」と決めつけています。

鳥山先生、超激戦区でのトップランナーでい続けることに精魂尽き果てていたのですが。

小説としては『さらば』より劣るけれど、暗号解読しながら当時の集英社のなかで何がどうなっていたのかを知っていく楽しさはあります。嫌悪感と共に。

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