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分析魔・坂本龍一を、ホソノが分析してCM曲

[英文での要約] This essay examines and analyzes a piece composed by HOSONO Haruomi, a charismatic Japanese musician, with conscious reference to a piano piece by another charismatic figure, SAKAMOTO Ryuichi. At the request of a music director to create a piece for a famous Japanese actor in the style of Sakamoto's piano composition masterpiece "Merry Christmas Mr. Lawrence," Hosono followed Sakamoto's compositional techniques in his own unique way, resulting in this remarkable work. My analysis identifies three elements: (1) the harmonic progression Ⅵm7→ⅣM7, (2) the structure involving modulation up a fourth and then returning, and (3) the introductory melody from Sakamoto's piano piece "Perspective," which strongly emphasizes the piano's resonance. Hosono incorporates these elements into his composition while also innovating by combining elements (1) and (2) in ways not used by Sakamoto in "Merry Christmas Mr. Lawrence," thus elevating the piece beyond mere imitation or pastiche to create a work distinctly his own. Detailed analysis and commentary will be deferred to a later opportunity; this essay provides only a summary of the findings.


このCM曲については前に触れたことがあるような、ないような…


以下は追悼番組で紹介されたものからの転用です。このCM用の曲です。1984年、ということは昭和59年ですか。


ピアノ演奏のものはこちら。弾いているのは越美晴(コシ・ミハル、男じゃありません女性です)でしょうか?


これを当時耳にした龍一先生が「誰か俺をパクりやがった!誰だコノヤロー」と調べさせたらよく知っているひとの作曲と判明して目が点になったとかならなかったとか。

ずっと後になってラジオ番組でホソノさんが「あの時は『戦メリ風の曲をひとつよろしく』と言われて『それなら坂本くんに頼めばいいじゃんか』とカチンときて、それで研究して作ってあげた」とご本人に裏話して「あーっやられた!」という反応を引き出していました。(うろ覚えです)


「戦メリ」風というよりは、彼らが一緒に活動していたあのYMOのラストナンバー「Perspective」のイントロ風です。ブラームスならきっと「そんなこたぁロバでも分かるさ」と笑顔で開き直るくらいの激似です。


この「Perspective」については過去に数回取り上げて分析した気がするので今回はしません。これのイントロは「ファ・ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ」音列やねってあの話です。サブドミ△7和音の浮遊感を音列で表現してるの。


一方、健さんのCM曲は、サブドミ△7和音のようでそうじゃないよーんな和音です。「レ・ファ・ラ・ド」和音っぽい。そもそも「ミ」は鳴らないのです。サブドミ△7和音なら「ミ」が鳴るのですが、鳴らない。


今時間が割けないので、聴き比べ動画の作成は後日に回します。サブドミ△7和音に取り替えて、旋律「シラシドレド」を奏でても、特に違和感はないのですが、うーん、やはり青マークで弾いたほうが健さんしてる感じが私の鼓膜には感じられる感じです。


今回はちゃちゃっと行きます。緑マークのところで転調。G長調からC長調への転調。コードネームで見ると「Aⅿ7→F△7」。


Aⅿ7→F△7の進行…なんかこれ聴きなじみがあるような・・・

あっこれ「王立宇宙軍」(1987年)で使い倒していた進行やないですか!


Ⅵⅿ7 → Ⅳ△7 を繰り返すの、坂本節の基本。それをホソノさんはあの天才耳をもってしてつかんでいて、そこにさらに四度転調というサカモト節その2を挿しこむことで、CM依頼主がいうところの「戦メリ風でひとつどうかよろしく」を実行したのだと愚考いたします。

(たぶん下の方からの要望)

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