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小5の英語教科書に目をとおしてみたら(5)

これの続きです。今回取り上げるのは Unit 5。

ここまですでに「ほわっと」「はう」などがデビューを果たしています。

デビューといっても子どもたちはほぼ理解していなくて、この教科書編纂チームもそれをそもそも期待していないとみます。”そういうのは中学に進んでから授業で習えばいい、その際に「ああ小学校でなんか聞いたな、言わされたな」となじみ感を抱いてくれるように、こうやって小5のうちに慣れさせておくねん” な方針のようです。

この Unit 5 では「ほぇあ」がデビュー。

ページをめくってみましょう。


ほぇあいずざらけっと?
いっつばいざですく

」はこれより前にもう出ていたかな?「ばい」が絵文字で強調されてのが印象的。中1の7月で再登場しますこれ。

これまで述べてきたように小学校英語は書かれた文ではなく音声のつらなりで学ぶ(というか慣れる)ようになっていて、それもすべて理解するのではなく「べーすぼーる」とか「ぺん」とかの基本英単語を聞き取れればいいという方針のようです。

これってどういうことかわかりますか?子どもたちは自力で文を組み立てることはないし、教える側もそういうのは生徒たちに期待していないということです。

この割り切りはなかなか合理的です。よくわかってらっしゃると思います。

そういうのは中学生になってからでいいと、割り切っています。

だから今回の単元で「ほぇあいずざ〇〇〇?」のおけいこをさせるにあたっても、この「ほぇあ」が「どこ」にあたるフレーズであることさえわかれば、これを使っていろいろ文を作ってみよう式の指導はせず、テンプレートの空欄に絵付きカード(教科書巻末に並んでいる)を入れさせて対話ごっこさせていくのです。

よくわかってらっしゃる。

しかしわかってないといわざるをえないところが今回も見受けられます。

「ほぇあ」とか「はう」とか「ほわっと」とかの、中1になって「これらを疑問詞と呼ぶ」と教わっていくこれらのフレーズは、かなり暴力的に聴こえるので、使う時は気を付けないといけないのですよ。

たとえば「ほわっつでぃす?」は「これはなんですか」ではなく「なんだこいつは?何に使うんだ?なんでお前こんなの持ってるんだ」と海兵隊のごついおにいさんから銃を突き付けられながら訊かれているように聞こえることさえあります。

「ほわっつでぃす?」


右ページのやり取りもなんというか。


グリーン先生(金髪の女性)が「ほぇあいずざらいぶらり?」とおまわりさんに訊ねています。小5の皆さんは、右側のおまわりさんになったつもりで道を教えてあげるゲームです。

「ごー〇〇〇ふぉーわん△△△、たーん□□□、ゆーきゃんしーいっとおんゆあ×××」

なにいってるのかわかんなくてもいいので、○○○で△△△で□□□な×××に「らいと」とか「れふと」とか「ぶろっく」とか「すとれーと」とかをはめこんで発声しましょうというゲームです。

これもよくできています。小5の子たちには、全文を作らせるのではなく、空白にはめ込みできればそれでいいという割り切りです。

中1で本格的にやらせるから今はこれでいいというわけです。

ただですね、やはりいきなり「ほぇあ」とか「ほわっと」とかでひとにものをたずねるのはあまりよろしくないのですよ。こういうおけいこをやらせると、そのあたりの機敏に無頓着になってしまうなーと感じます。

こういうのを子どもらに稽古させると、

かなりぶっきらぼうな対話ですねこれ。「郵便局はどこ?」「まっすぐ二つ目の信号まで行け」「球場はどこ?」「右行け。左手に見える」ぐらいの感じです。

そういう対話ゲームを、級友どうしで稽古させていく。


この段階ではこうするしかない…のでしょうか。

私がこのメガネの方なら、かなり迷うと思いますね。


そして社会科コーナー。


「DO YOU KNOW?」は本当は「DID YOU KNOW?」でないといけないのですよ。これ、ニホンジンがほとんど全員間違って理解しているので、嫌味言っておきますね。


続く

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