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「行列」は数学・東海道本線の支線

高校数学から一時期姿を消してしまった「行列」。私はああいうのが割と好きでさっさと独習してしまいました。

前から疑問だったのは、行列はいつ頃どういう風に提唱され、発展したのかでした。

もちろん知ってますよ、多少数学史の心得があれば「行列式」の研究があって、その後「行列」研究が生じたんだって話は。

固有値や固有ベクトルの概念は、20世紀になってダフィット・ヒルベルト一派による積分方程式の研究から立ち上ったものであることも、自力で調べてあります。

いわゆる「線形性」をキーワードに数学の体系化が行われたのも、そういう時代精神と同じものからだってことも。


ただ、いい文献がないのです。数学史研究において「行列」はどこかエアポケット的なのです。

素朴に考えれば、行列式の研究→行列の研究→固有値・固有ベクトルの研究→線形作用素の研究 という風に進んでいったのだろうと思うところですが、どうもそうではないようです。

鉄道に擬えると、本線の途中に、裏街道的に支線が生まれて、それがまた本線に合流するイメージです。

東海道線にそういうの、あった気がします。


急こう配ですここ。図の左向きに列車が進む場合、急坂なので蒸気機関車さんには辛いので、緩い坂の支線(オレンジ色の線)を設けて、そこを走らせていたそうです。

それから昔はオレンジ支線のほうにも「新垂井」という駅があったそうです。廃止されましたが。

行列の正体は、このオレンジ支線のようです。輸送力増強のために後に設けられた、オレンジ支線「新垂井線」…そう考えると、それなりにもっともらしく思えてきます。面白いですね。


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