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小3から英語を学びなおしてみよう(その1)

小3、小4の学校用英語教材を、昨日閲覧してきました。

市立図書館の教科書コーナーにあるだろうと思って、駅の図書館まで行ってみたのですが、小5からのはあっても、小3と小4のものは見当たりませんでした。

司書さんにも訊ねてみました。置いていないようでした。考えてみれば小3と小4の英語は「授業」ではなく「活動」なので教科書がそもそもありえないわけです。事前に検索で、教材が文部科学省によって用意されていて子どもたちに配布されていることは知っていましたが、それは教科書には該当しないのです。ゆえに図書館の教科書コーナーに置いていなくても、しゃーないわけです。

県図書館まで足を伸ばしてみました。あそこには小中高の全教科書が並んでいるので、あるとしたらきっとあるだろうと思って棚を回ってみたのですが、見つかりません。司書さんに訊ねても「ないですねえ」でした。

そういうわけで最後の手段、県庁そばにある教育センター資料室に向かいました。3階に資料室があって、あそこならあるだろうと思って職員に尋ねたら、ありました。教科書の棚ではなく、閲覧室の平台にありました。

ただ少々戸惑いました。「Let's Try!」という薄い本が上下二巻、その横に「We Can!」というもう少し厚めの本が上下二巻で置かれていたのです。前者が小3用で後者が小4用なのかな、それとも小学校ごとにどちらのシリーズを使うのかを決めているのかな…やがて気が付きました。「We Can!」は2020年度より英語の授業が小5スタートになるまでのつなぎ教材だって。同年度より各民間出版社の検定済英語教科書が小5、小6で使われるので、それまでの二年間用のものなのですね。

小5、小6英語について、文部科学省の学習指導要綱は、中学英語ほど具体的に指示を出していないのが前から気になっていました。中学英語については疑問詞を教えろ関係代名詞を教えろ現在進行形を教えろ等、文型を具体的に挙げながら指示していますが、小学校英語についてはそういうのが見当たらなくて、ということは教科書会社はいったい何を準拠にして小5、小6英語教科書を開発したのだろうと思っていました。しかしどうやら謎は解けたようです。この「We Can!」は文部科学省が開発したもので、これが事実上のモデルですね現行の各社小5、小6英語教科書の。

「Let's Try!」も文部科学省によるもので、現在も使われているようです。つまり小3、小4における「外国語活動」の教材ですね。

かなり薄い本でした。内容については、手際よく分析して紹介しているものがあったので貼っておきます。


小3、小4でそれぞれ週1コマ。年間でそれぞれ35コマですね。週一回では子ども英会話教室のレベルにすら達しない。



順番に検討していきましょう。Unit 1 から。

動画でこの子たちがあいさつしてきます。「あんにょんはせよ」とか「はろー」とか「にいはお」とか。

ページをめくると、「Let's Listen あいさつを聞いて、子どもと国旗を線でむすぼう。」とあって、こんな音声を生徒たちに聴かせるようです。

①の女の子(先の動画で「はろー」と言ってた子です)は、先のページでは右から二人目で、上にある旗がこの子の属する国だから、

音声データでは「はーい、あいむおりヴぃあ、あいむふろまめりか」とあいさつしています。線で結ぶとこんな風。


②の男の子は「じゃんぼ」と挨拶していました。「けにや」というてます。旗はというと…

こんな風に小3の子たちに線を引かせていくゲームからスタートです。

こういうの楽しいな。この絵と対応しているので地理の知識ゼロでも解けますね。

ちなみに④はインド、⑤はドイツ、⑥は中国ですね。音声データを聞かせるのは、このクイズを解かせるためというよりは、いんぐりっしゅに慣れさせるためのきっかけなのでしょう。

この右側のページ、どんな風だと思います?

じゃーん。

英語であいさつのれんしゅうかと思ったら、そうではないようです。級友たちと自己紹介ごっこです。日本語でです。

Unit 1 はこれでおしまい。

英語ぜんぜんでてこないやん!と思っているうちは青い。これは他者とのコミュニケーションを体感させるゲームのようです。級友でも家族でも、自分以外の者はすべて「他者」です。他者との出会いはいやおうなしに対話を迫られます。

こうやってだんだんと異言語での他者との対話に、小3生たちを導いていくのでしょう。


その2に続く!

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