アラレちゃんがメガネっ娘になった本当の理由(その4)
前回のぶん ⇩
今回分析していくのは、以下の左ページ。
順に見ていきましょう。以下は最上段の二コマ。
漫才…というよりはシチュエーション・コメディですね。
名作「ローマの休日」にも、姫様をめぐって記者さんとカメラマンさんのあいだで、こういうコントなコントが繰り広げられていました。
あれと同じで、本ページを含めこの第三幕の笑いには、品があるのですよ。アラレちゃん(メガネの女の子)は今、あの映画における姫様のポジションにいます。
おっさん(センベイ博士)はというと、あの記者さんの位置…と同じではないにせよ重なるポジションかな。もっともこの黒縁メガネ姫は彼の妹設定(しかもアンドロイド少女)なので恋愛色ゼロですけどね。
アラレとお姉さんの、かみ合わないやり取り(青の矢印)。その噛み合わなさを、センベイが大仰にこける(赤の矢印)ことで笑いを煽る。
二段目(青で括った段)で一度もとの状況に戻して…
三段目(赤で括ったコマ)で再びセンベイ・コントがさく裂して…
四段目のコマ(青で括ったコマ)で、センベイさんが状況を戻しにかかる。
これ、上のコマが〈ボケ〉で、下のコマが〈ツッコミ〉だって気が付くかな? (気づいたひとはえらい)
さらにこのボケ&ツッコミの二連(赤の矢印ペア)を、左側の縦長コマ(青で括ったコマ)がクールにキャッチして、元の状況に戻るの。
巧いわ~ 鳥先生が「ローマの休日」を意識していたとは思えないけれど、ああいう上質のハリウッド・シチュエーションコメディの定石を、まんがに持ち込んでいるのです!
残るは2ページですか。その5につづく!
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