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小5の英語教科書に目をとおしてみたら(3)

これの続きです。今回取り上げるのは Unit 3。

「What do you want to study?」「学びたい教科やなりたい職業を伝えよう」だそうです。

右下にいつもの動画クイズ。


女の子の声で「さいえんす」「こんぴゅーたぷろぐらま」、男の子の声で「みゅーじっく」「ぴあにすと」とか何か言ってるのを聞き取れれば楽勝。そういうクイズというかゲームのようです。

ページをめくってみましょう。


P.E とか home economics とかあってびっくり。それぞれ体育と家庭科のことですが今の小5生は聴いてするわかるのですが、と思って表をよく見たら体とか家とかマル印でヒント付いてるの。

そしていつものように級友とペアで対話ごっこ。

「ほわっどぅーゆーわんんとぅ〇〇?」「あいわんとぅすたでぃ△△」 この子たちは「What」も「do」も「want」もいちいち理解はしていなくて、絵文字化された「study」や「science」になじむことがここでは優先課題のようです。

右ページへ。「登場人物が学びたいことやなりたい職業を聞いて、線で結ぼう」クイズ。


「あいわんとぅすたでぃさいえんす、あいわんとぅびーあさいえんてぃすと」とか音声再生されて、子どもたちは「さいえんす」「さいえんてぃすと」を聞き取れれば正解ということで、ほかのフレーズについてはいちいち意識化して聞かないぶん、むしろよく頭に残るというところでしょうか。

巧いなあ。

皮肉でいってるんじゃありません、巧いです。

基本単語をひとつでもたくさん覚えてもらうことを、小5段階では重視しているようです。

続いて、今度はペアではなくグループ学習へ。

ペアでお稽古させて、その次にもっと大人数で乱取り…毎UNITでこうですか、面白い工夫です。

「あいわんとぅーびーあべーかー」の「あ」が何のためにあるかなどという些細なことは今の段階ではスルー。賢明です。

文字ではなく音声、ビニエットではなく対面式ゲーム重視。これはつまり文法は後回しということです。いろいろ慣れてからそういうのは習わせるほうがいいという考えなのでしょう。


英会話ごっこといえばごっこだけど、懐かしいな、小学生のとき通わされた子ども英会話教室でこういうのやらされた気がする。


個人的な思い出話を少しします。

たしか小2か小3の頃、二つ上の姉といっしょに、もうじき取り壊されることになっているホテルビルのある階にあったLL教室の英会話教室に通っていて、そこでレッドとかイエローとかのことばを覚えていったのだけど母が「あそこは小さい子たちといっしょでちっとも英語が身に付かない」と言い出してほかのところに私ひとり移されて、そこでひとつ学年が上の子たちといっしょの教室にまわされて、いろいろ嫌になって、それでも小5までいたのかな。小6になってある進学塾に入れられました。英語専科のところで、地元の名門公立高校入学率の高さを誇っていました。中1で習うことを小6より叩きこむわけだから中学では有利になるわけです。三人称単数では動詞が変化するというのに戸惑いました。そんなの子ども英会話教室では習ってないぞ!みたいな。そのうえ毎回例文を十暗記させられて、日本語訳を見ながらその例文を完全に暗唱できるまでは家に帰れないのです。ああいうの大の苦手で、いつも帰宅はびりっけつでした。

今の小学校英語→中学校英語の連結のさせ方には、私がかつて味わったあの落差を、どうスムーズにつなげるかという苦心を感じますね。私の個人的思い入れが強すぎでしょうかこの解釈?


社会科テイストを混ぜてくるのはいつものパターン。


ほかの社のものにくらべて「New Horizon」はアルファベットでの書きものにはあまり力を入れていなくて、音声とミニゲーム(ペア対話とその発展形)重視ですね。これを見るとそれがよくわかる。


続く

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