幼い

電車で色々な人が彼の足組みを避けて歩いている。
 彼は自分のその大胆な足組みが迷惑になっていることに気がついていないのだ。僕はそれを見ていて妙に腹が立った。
 
僕は彼の足組みになんら神経がないことに苛立っているのでなく、そこまでして格好つけていながら全く格好良くないことに腹が立ったのだ。
 もっと便利に言えば、僕は彼の陶酔を黙って見ていなくてはいけない状況に不快感が生まれたのだ。

 彼の足組みも僕の精神も、別に大したことじゃない。

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