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この目で地中海を見る日はもう来ない。

COVID-19の影響が多岐にわたっています。世間では失業保障や休業補償について、政府への要望の声が聞こえます。

国民一人一人の生活はもちろん保障されるべきですが、致し方なく、失業するしかない業種がたくさん出てくるでしょう。

それらの業種に従事している人たちは、いまは政府に助けてもらうが、コロナが落ち着いたら、新しい仕事を見つけなければなりません。

そんな業種の一つに、LCCが挙げられるでしょう。今の時期、家から出ることも自粛です。ましてや、他国に行くなど、感染リスクからみてもあり得ないことの一つです。

航空会社の特徴は、損益分岐点が高いことです。機体の維持、人件費など、かなりのランニングコストがかかります。

余談ですが、ニューヨークでアルバイトをすると、一か月に30万ほどもらえます。しかし、生活費が非常に高いため、貯金はほとんどできません。収入がなくなれば、毎月の赤字はかなりの額です。反対に、日本の田舎や、東南アジアの新興国で暮らすと、月々10万円以下でも暮らしていけます。航空会社は、ニューヨーカーと同じようなスタイルで暮らしています。

ほとんんどのLCCが破産しますが、そのほか、大手の航空会社はどうでしょうか。もちろん、同じように収益は大幅にダウンします。LCCに比べ、資金的体力があるとしても、コロナ不況に耐えうる資本は持ち合わせていないでしょう。耐えたとしても、固定費の削減により、今よりかなりスリムな形となるでしょう。

まず考えられるのは、航空会社の国有化です。日本の国有化として記憶に新しいのは、東日本大震災時の東京電力です。

公的資金投入により大手が生き延びたとします。すると、その後の空の旅は、今よりも貴重で、慎重なものとなります。

少なくとも、LCCに比べ料金は高く、気軽に韓国へ、などはできません。グローバル化の波は終わり、世界は、インターネット上での繁栄を築くのかもしれません。実際に現地に赴くという行為は、危険を伴う割に割高で、とても不況を生きる庶民にはできないものでなります。世界一周?そんなものはなくなります。

僕は幼少期から、地中海に行きたいという夢がありました。シチリア島の暖かい日差しを浴びながら、真っ白い街並みを眺めたいと思っていました。

しかし、その夢も夢のままになりそうです。

現在のイタリアは、そんなのんきなことを言ってる場合じゃないです。しかも、この状態が波はあれど2年は続きます。死者が減ったとしても、問題は感染のリスクとバカ高い飛行機代を払ってまで、僕みたいな庶民が旅行に行くのかってことです。

では、2年後以降はどうなのか。

今回のコロナウイルスにより、グローバル化の流れは完全に終わりました。時代は鎖国、動くのはモノと金のみです、まあ、それすら怪しいですが。

一度止まった流れをもとに戻すだけの魅力が、グローバル化と呼ばれた人々の流動性にあるのかといわれると、実はないのではないかと感じます。

だって、ネットで十分じゃないですか?あれだけあこがれていたシチリア島も、VRゴーグルをつけて8K画面で見れば解決してしまうのです。哀しいような、うれしいような気分ですが、実際そうなのです。

一番大切なのは、私たちが幸せを感じながら生きられるかどうかです。

ひととのかかわりは8割減りました。もうこの目で本物の地中海は見れません。それでも、幸せに生きる道はたくさんあります。目まぐるしく変わる世界に適応し、自分の価値観をアップデートすることが必要なのかもしれません。


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