「どうしてだろう。ワタシは未だに、田中守ではない。」


映画『愛がなんだ』の感想文です。

執着のパレード。嫉妬のフリースタイル。振り向かない虚像。鏡に映る自分から浴びせられる「ざまぁ見ろ」。普通なんてない、いつだってその時が乾杯だ。

こびりついて取れない。拭っても拭っても振り払えない。身体の神経から呪われている「恋心」という名の一方通行。

派生し繰り返す、無様で可哀な下心。
小さなひびを指でほじくり中に入ろうと頭を突っ込むが、到底入れない自分。落ち着いて見れたらどれだけ滑稽か。そんなのも分からないくらいワタシはアナタに侵されている。
可笑し冒され犯される。
失敗を性欲に転化しようとして自分に裏切られる夜。

好きな人を解った気でいる2人。
それぞれの矢印は決して届きはしないダーツ。飛ばすだけ飛ばしてずっと浮いてるただの欲望。

ねえ向いて。こっちを向いて。ワタシを見て。ワタシでいいじゃない。アレじゃなくてワタシにしなよ。アナタを好きなのはワタシだけなんだから。
ワタシのカタチに嵌まらないアナタのカタチ。


「幸せになりたいっすね」

涙と吐息と、同時に吐いた唾


自分の人生は自分軸で生きなきゃ
どんなに大好きで愛していて大切な人がいたとしても、その人主軸の人生じゃ自分が死ぬ


自尊心ではなく自己肯定感を。

きっともっと面白いんだよ、人生劇場は。

きっと誰でも幸せになれるんだよ、作品『人生』は。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?