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コロナ太りかと思ってたら、癌だった話。②

まずは内視鏡内科へ。

検索をしまくった結果発見したのは、最寄駅から数駅先にある、内視鏡専門の消化器内科。

まだ開院して間もないこの病院の院長は、自分でも名前くらいは知っている某・有名病院の内視鏡専門科で部長を務めていた先生だ。
内視鏡専門ならサクッと中を見てすぐ判断して貰えるだろう、と言う安直な考えですぐネット予約。

何年か前に子宮筋腫で通っていた大きい病院(地元の病院から紹介状出されて行った)は予約が物凄く取り辛く、電話のみ・しかも予約出来る曜日が限定、時間帯も数時間限定の為、まーあ繋がらないったらありゃしない。

繋がってもそこから担当診療科へ繋ぐのに更に待つ。
そして希望の日に取れた試しが無い。
第3希望まで潰され、下手すると2ヶ月先に予約を入れる羽目になるのがデフォルト。
一昔前のライヴチケット争奪戦のノリ。
筋腫自体偶然見付かったもので、無症状だったから経過観察だったのもあり、通う必要性も感じられず通院をやめてしまっていた。

……脱線した。
予約時間に病院へ行くと、そこそこ混んでいる。
9割が内視鏡待ちの患者さん。
自治体の健康診断会場の様な雰囲気で、その合間に診察という感じ。

そりゃ壁ガラスに【内視鏡】とデカデカ書いてあるもんね。
先生いつ休むんだろう、と勝手に心配するくらい待合室の椅子はギチギチ。
それでも案外早く、名前を呼ばれた。

症状を話し、触診で先生がお腹を押していくと、押される度に「うぅっ」と声が出るほど痛い。
押した先生が「え、痛いの?え?ここも?」と頭を傾げる。

「うーん……変だなぁ。ここが痛いはず無いんだけど。これは中を見ないとわからないかなあ」と、トントン拍子で胃カメラと大腸内視鏡の予約を入れ、検査のガイダンスを受けた。

予約はノートに書き込むアナログ方式、しかも予約取り専用の小部屋に通され、予約取り専門のスタッフまでいた。
え、そこまで必要?と思いきや、ノートを見て納得。
予約は連日びっしり入っており、キャンセルや変更も多いようで、修正テープが分厚く貼り重ねられた箇所が沢山ある。
患者が希望する日時や時間と、ほんの少しの隙間を擦り合わせていくのは難易度が高そうだ。
実際自分も、確定させるまで大分掛かった。

開業間もないとは思えないくらいに年季が入っていたノート。
そりゃ予約コーディネーターさん必要になるわ。
でも、アナログよりパソコン管理の方がわかりやすくないかい?と余計なお世話的思考が浮かぶも、コーディネーターさんはこちらの方がやりやすいんだろうな。

目の前の立派なパソコン触る時、「あっ」「あら?」「あれ?」しか言ってなかったし。
と言うより、こんなにキチキチで、先生いつ休むんだ?(2回目)

そう言えば何故、胃は胃カメラで、大腸だと内視鏡って言うんでしょうね。
関係無いけど。

診察より時間が掛かった予約取りを終え、次は事前準備でCTを撮る事になったが、この病院は設備が無い為、沿線の少し先にある撮影専門の施設を案内される。小規模の病院だとよくある事だ。

丁度当日すぐに予約が取れたので、結果を施設から戻って来て今日のうちに聞くか、後日聞くか尋ねられた。
次の休みも通院で潰されてはたまらないので迷わず当日を選ぶ。

この判断が後日スムーズに事が運ぶきっかけになったので、今となっては自分グッジョブ。

違うみたいだ。

施設で渡されたCTのデータを持ち、病院へ帰還。
再度名前を呼ばれ診察室へ入ると、
「あのね、胃腸って言うよりあなた、卵巣に腫瘍がありますよ」
「え〝っ?」

漫画やドラマでよく見聞きするこのリアクション、人は予想外の事が起こると本当に出るんだな。

「えーと……、どうする?内視鏡、やる?(苦笑)」
「すいませんキャンセルで(笑)」
「そうだよね、じゃあ紹介状書いてあげる。んー、でもなあ、僕 婦人科は知り合い居ないんだよねー。どこ行きたい?」
「この辺りにどんな病院あるかよく知らないんですよね。でも◯◯は予約取るの大変だから嫌です」
「じゃあ◆◆大で良いかな?」
「遠いんですか」
「はっはっ、隣駅だよ隣」
「よくわかんないですけど、じゃあそこで」

内視鏡予約の際に貰っていた、検査に使うA4サイズ大の袋に入った意外とお値段が嵩む下剤や、その他の下剤が無駄になった瞬間だった。


そして紹介された大学病院は、いとも簡単に予約が取れてしまった。
規模としては前の病院よりも大きいのに、今までの苦労は何だったんだ。
しかも、婦人科腫瘍専門医がいる。
これは渡りに船。

この日はここでタイムリミット。
結局次の公休も、病院へ行く事になってしまったのである。

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