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「学生>AI>社会人」株式会社COMPUS CEO/有限会社藤田酒店 アトツギ藤田圭一郎インタビュー

はじめに

この記事は、

・現役高校生のわたし橙香が
・高校生向けのインターンを募集している
・瀬戸内エリアで活躍する起業家・経営者にインタビューを行ったもの

となっています。

今回のインタビューは、長期インターン求人サイト『COMPUS』を運営する株式会社COMPUS CEO、そして有限会社藤田酒店のアトツギでもある、藤田圭一郎さんにお話を伺いました。


Name : 橙香(とうか)
現役高校生
この記事でインタビューをする人。

Name : 藤田 圭一郎 (ふじた けいいちろう)
株式会社COMPUS CEO
有限会社藤田酒店  アトツギ
Setouchi Startups 共同代表パートナー

この記事でインタビューされる人。

「地方で出来るインターンがなくて、困る。」 COMPUSとは? 『事業内容』

「本日はよろしくお願いします。」

「よろしくお願いします。」

「早速ですが株式会社COMPUSさんでは、主にどういった事業を展開されているんですか?」

「地方学生向けに、長期インターン求人のプラットフォーム『COMPUS』を運営しています。」

「いま、地方学生が三ヶ月以上ほどの実践型短期インターンをやろうと思った時、地方だと受け入れてくれる会社があんまりないから、休学して東京に行く。みたいな状況があって。なので、地方で暮らす学生でも休学することなく、地方にいながらインターンができるような場を作りたいなということで、地方学生にフォーカスしたマッチングのサービスをやっています。」

実際の『COMPUS』webサイトの画面。地域や職種を検索することで、様々な求人募集の中から学生と企業がマッチングできる。

「学生が地元の企業でインターンができる、といったような?」

「それもあるんですが、リモートの案件も結構多いので、地方からまた別の地方、地方から東京の企業、というような場合も多く発生しています。」

「岡山や、特定の地方だけに絞ったサービスではないんですね。」

『地方の企業に』ということではないですし、登録している学生も東京を含めた全国に居ます。

「浅学で申し訳ないのですが、こういったサービスは企業さんや学生にとってはけっこう一般的に活用されているものなんですか?」

「はい、一般的ではあります。特に東京の学生をターゲットとしたサービスがいくつかあって、東京では長期インターンというのはかなり昔から根付いている。ただ地方に向けて、地方学生を対象にしているサービスはあんまり一般的ではないです。

「地方学生が長期インターンの求人サービスを見た時に、地方で出来る案件が全然載っていなくて、困る。というのが現状で、そういうときにCOMPUSであれば地方にいながらインターンができる、というところが学生視点での強みです。

「なるほど!企業さんにとって、COMPUSのサービスを利用することにはどんな嬉しい点があるのでしょうか?」

「地方学生にリーチしたいと考えている企業さんはたくさんいます。そもそも東京だと、学生を獲得する、接点を持つということへのコストがめちゃくちゃ高い。競争が苛烈で。それよりも、競争が少ない地方の学生に接点を持ちたい企業さんがいて、そういう意味で地方にフォーカスしていることは強みになりますね。」

「あと、地方において長期インターンはいま全然普及していないので、友達や先輩がやってるってことはあんまりなくて、自分で情報を獲得しに行くしかないところがあります。自社の戦力として優秀な学生を採用したい企業さんにとって、ある程度自分で情報を取りに行ける、主体性を持って行動できる学生が多く登録していることも『COMPUS』の強みです。

「求人を出している企業さんの視点でも、自分たちの会社に良い影響をもたらしてくれる学生と出会いやすい場なんですね。」
「登録している学生は、やはり大学生の方が多いんですか?」

「ほとんど大学生ですね。高校生の登録をNGにしているわけではないんですが、中々高校生でインターンをやろう!という人は少ないです。通信制の高校に通っている学生は情報感度が高い場合が多くて、たまにそういったこともありますけど、ほぼ大学生です。」

「登録している学生の特徴としては、先にも言ったように、情報感度が高い。あとは、東京に住んでいる学生も含めて、『リモートで働きたい』というニーズは結構あって、『リモートで働きたい=PCを使い慣れている』みたいなところもあるので、ITリテラシーやネットリテラシーも高めの傾向があります。」

「言われてみれば、たしかに。」
「わたしも高校生の身というのもあって、あまり詳しく理解しているわけではないのですが、自分自身の能力やキャリアを成長させるための選択肢として、就職活動や学生生活と並行してインターンで働く、といった方が多いのでしょうか?」

「そうですね。長期インターンの目的はスキルアップだったり、社会人と一緒に働いて自分のキャリアを選択する材料にしたり、実際に働いてみないと働きたい仕事もわかんないな、みたいなところもあると思うので。就活を見据えたうえで、部活や勉強やアルバイトなどをやりつつ長期インターンもやっていたり、という方がほとんどだと思います。

「あくまで、自分のキャリアを選び取るうえで活用できる手段のひとつとしてのインターンという場合が多いんですね。」

「これは、学生と働いたほうがいいぞ。」 学生のインターンをサポートする『きっかけ』。

「『COMPUS』を立ち上げようと考えるに至った、『きっかけ』はありますか?」

「一番のきっかけは、ぼくはもともと起業に興味のある学生との接点が多くて。そういった学生は地方でもインターンの存在を知っていて、彼らによく
『インターンどっかないですか?』と聞かれるんです。」

「それで、やっぱり休学して東京に行くしかない。そういうアドバイスをするしかなかった。実際に一年くらい休学してインターンに行くと、めちゃめちゃ成長して帰ってくる。」

「でも、必ずしも休学して東京に移住して、ということができる学生ばっかりじゃない。そこはもっと(場が)開けたほうがいいなと思ったのが直接のきっかけですね。実際に、ぼく自身もインターン先を探すのにすごく苦労した経験があって。」

「そして、ぼくも家業の酒屋でインターン生を雇って活躍してもらってきたので、正直地方に限らず社会人よりも学生の方が優秀な場合というのは、往々にありまして。『これは、学生と働いたほうがいいぞ』となって、ぼくは学生とばっかり働いている。」

「地方の優秀な中途人材とか社会人が、いないといったら怒られるんですけど、これから東京に出て行ってしまう学生の方が全然一緒に働きやすかったりするんですよね。彼らは東京に行って物凄い活躍をするんで、地域にいるうちだけでも一緒に働きたいなと思って、それが事業にとってすごくプラスになった。

「地域の企業も、同じ課題を抱えているわけです。『採用活動をしても自分たちの欲しい人材と中々マッチしないな、いい人材が居ないな。』そういう課題を抱えているんだったら学生と一緒に仕事した方が良いに決まっているんで、いち事業者としてインターン生を迎え入れて、よかった。という経験は他の会社とシェアした方が良いなと。」

「創業したきっかけとしては『目の前に学生が居て、困っていた。』『学生時代に自分がインターンをやってよかった/インターン先を探すのが難しかった。』『事業者として、インターン生と一緒に働いてよかった。』この三つの原体験が、いま『COMPUS』をやっている理由になっています。」

「ご自身の経験から、もともと学生のインターンについて考える機会は多かったんですね。」

「ぼくも岡山で起業支援的な動きとか、コミュニティっぽい動きとかを7年くらいやっていたので、”ももスタ”に来る学生だったりイベントによく来る学生だったり、関わることも多かったですね。」

------ももたろう・スタートアップ------
『岡山にスタートアップの文化を!』をミッションに掲げ、起業家・起業挑戦者をサポートするスタートアップ支援拠点。岡山駅前イコットニコット2F「Wonderwall」にてイベント・セミナーを開催。
公式ホームページは
こちら

チャレンジする学生という存在は、とても身近にあったんですね!」

そんな学生とばっかり一緒にやってました。

「『安定』ってなんなんだろう?」 藤田さんの学生時代と『起業』

「ご自身も、学生の頃から起業がしたい!と考えていたんですか?」

「はい、その上でベンチャーでインターンをしたいなと。」
「当時は長期インターンという言葉はなかったので、ベンチャーのインターンで実践的なことをしてお金を貰いたい。と思ってインターン先を探しました。学生の頃から起業したかったし、起業のためにインターンをしてました。

「就職活動などの、他の選択肢について考えることはなかったんですか?」

「最初から起業をしようと思っていたわけではなくて、大学入学時点では『安定した仕事に就きたい』という漠然とした思いがあって、法学部に進学してるんです。
法律系の資格を取るとか、公務員とか、法律家とか、なんとなくそれが安定だなと思っていたので、すごく解像度低めに、短絡的に考えていたんですけど。笑」

「なので、最初は起業のことは考えてなかったんだけど、色々経験していくうちにそれは、本当の安定じゃないな。と思い始めて。」

「ええっ?なんで......??」

「当時ちょうど、終身雇用みたいなのも崩壊するぞ!ということが言われ始めた頃なんですよ。で、転職するのが当たり前の時代みたいなのが始まってたような。当時聞いたのは、会社の平均寿命というのは23年ぐらいだと。23年以内に、無くなると、会社は。ってことは、40年働くんだったら少なくとも1回、人によっては2、3回なくなるわけじゃないですか。」

落ち着いて、しかし滔々と語る言葉は、藤田さんが歩んできた道筋の一端を感じさせる。

「そういうのを見聞きしたのもあって『安定』ってなんなんだろう?みたいなことを考えていた時、ビジネスにも触れる機会があって。自分がどういう状況でも、会社が潰れた、クビになった、病気になった、そういうときでも食いっぱぐれない状態が本質的には『安定』だな。という考え方にシフトしていって、そこから起業することになったという感じです。」

「なるほど!自分自身の手で舵取りできる方向性で、ということなんですね!」

「当時は、安定を求めて起業しよう。みたいになってましたね。」

その理屈だけ聞くと摩訶不思議ですね。笑」

「そこだけ聞くとそうね。笑」
「でも、本質的な安定は実は起業だろ。って感じなんですよね。」

「どんなときも臨機応変に対応できるみたいな。わかる気がします。」

「そうそう。それで一旦起業しようとして、複数の選択肢を持ちながら、就活もやってたんですよ。インターンもしたんですけど、やりたいことが卒業までにべつに見つかんなくて、一旦就職してましたね。就職しながらもやりたいことはあんまり見つからなかったので、一瞬だけ、2年くらいやってましたね。」

「その2年間のあいだでは、『まあ、この仕事でもいいかもな』みたいな気持ちにはならなかったんですね。」

「いや、ならなかったです。入って5日くらいで辞めたかった。でも辞めれなくて。やっぱり社会人になると、毎月出ていくお金も学生の時より増えていて、一回給料をもらう生活が始まると、中々辞めようってならなかった。当時はすごくお金が必要な趣味をやっていたりもしたので。」

「何やってたんですか?」

「スノーボードなんですけど、めちゃめちゃお金がいるんですよね。ギア(装備)って言うんですけど。板とか、ブーツとか、ブーツと板を繋ぐバインディングとか、ウェアとか。それだけでも何十万かかるのに、めちゃめちゃ行くからすぐボロボロになって買い替えるとか、リフト代とか宿泊費とか。毎年100万くらいは趣味に使ってたんじゃないかな。趣味に100万円使うとですね、大変なんです。」

「ふふふ、それはすごいですね!」

「それがあったから仕事を辞められなかったんですけど。ただ、スノボで骨折して、やっと辞められると、やっとお金が必要なくなったと。

「それほどに熱中していたスノーボードを辞めたことも、転機のひとつだったんですね。」

「ほんとに正直スノーボードが無かったらお金を使わず生きられる生活をしてたんで、お金が全く必要なくなって、それを全部、次は起業にぶち込もうということで。

「プログラミングの勉強をするために学校に通って、起業準備はしたんですけど、1年後くらいのタイミングで岡山に戻ってきて、結局まだやりたいことがなくて、一旦『家業』を継ごうかなと。

お酒を売るだけではない、「付加価値」 藤田さんと『家業』

「継ぐ。というよりも、一旦腰掛けで入って、その中で自分で事業の種を見つけていこうって感じでしたね。お金もなかったし会社を作るにも住所とか、コピー機とか、FAXとか、当時でいうと固定電話とかもあった方が良かったし、いろいろ必要で。中々ゼロからスタートするの大変だったので、一旦家業を使おう。という感じで入ってます。」

「なるほど!藤田酒店さんについても、事前に少しお調べさせていただいたんですが、酒屋さんがこんなことまでやってるんだ!という印象を強く受けました。あのような一風変わった経営戦略には、どういった意図があるんでしょうか?」

有限会社 藤田酒店(1975年設立)
岡山駅周辺の飲食店にお酒を卸す事業を中心に、飲食店特化型求人サイトの運営、デリバリー代行サービスをはじめとして飲食店さんに向けた様々な事業を展開している。

飲食店さんにお酒を売るっていうのはそんなに簡単なことじゃなくて、昔ながらの業界ということもあってしがらみも多くて、一般的な営業手法では中々うまくいかないなと思っていたので、なんかこう、付加価値をつけられないかなと。」

お酒以外のところで価値を提供できないかなと考えて、お客さんが困っていることというのは人材の確保だったり集客の部分だったり、そういうところをwebでサポートしてあげようと求人サイトを作ったり集客向けのサービスを作ったり、インフルエンサーマーケティングのサービスを作ったりしていました。」

藤田酒店さんが運営する飲食店特化型求人サイト『makanai』

「お酒だけだとやっぱりこう、中々売れないんです。そういう時に、なにか困っているところを助けてあげたら、お酒も買ってくれるじゃないですか。相手も人ですし。」
「飲食店さんは何に困っているんだろう?と考えてみて、求人や人材に困っているなら求人サイトで助けてあげて、よかったらお酒も買ってね。みたいな感じで。」

「ただ、酒買ってくれないと求人載せないよ、っていう話じゃなくて、無料で誰でも載せていいよ、みたいな感じでバーッとばらまいていったので、買ってくれても買ってくれなくてもどっちでもいいっていうスタンスだったんです。」
「無料で載せてくれて、お酒を買っても買わなくてもいい。そんなふうにやっていたからこそこんなに広まって、結果的にお酒も買ってくれる関係を築くことができた。

「当時は無料で求人を載せます!というところはなかなかなくて、求人雑誌やサイトは一ヵ月10万円とかで高くて、それで全然人材も来ませんみたいなことも結構ありました。無料というのは新しかったんですよね。ちょうど携帯がスマホにシフトしていくような時期だったのもあって、求人をwebで探すのが当たり前になっていっている時期というところも良かった。」

「企業さんにとって活用のハードルが低い求人サービスという媒体が、藤田酒店さんにとっては絶好の広告でもあったんですね。」

「それをきっかけにどんどん酒屋の名前が広がっていって、売上も上がっていきました。」

そして現在でも、ただお酒を売るというだけにとどまらず、飲食店さんとの繋がりを持つためのいろいろな戦略を打ち出しているんですね。

「そうですね、たとえばコロナ禍ではFujita Eatsというフードデリバリー事業をやっていて。」

Fujita Eats……

「そういう名前でUber Eatsみたいな事業を立ち上げたんですけど、これなんかは、Uber Eatsがもう、高いと。手数料で。37%くらい飲食店から手数料取ってて、だからUber Eatsでマクドナルド頼むと高いでしょ?」

「ふつうに頼んでも1000円超えちゃうイメージはありますね。」

「Uber Eats側の取り分めっちゃ多いし、Uberのプラットフォームとか配達員に払うお金もすごいから、お店も値段を高くせざるを得なくてああいう風になってて。それでも直接店に来て食べてもらうよりは良くて。」
そこをぼくらだったらそもそも配達のリソースもあるし、安くやりますよ!と始めたんです。いまではもう、昔ほどUber Eatsも見かけなくなりましたけど。」

「たしかに、わたしもあんまり使わないかもです。」

「高いしね。」

『インターン』とは?

「藤田酒店さんでも、事業の中でインターン生を受け入れていたとお聞きしましたが、どういった風に学生と一緒にお仕事をしていたんですか?」

「そうですね、ほんとはその時『インターン』というか、ふつうにアルバイトとして雇っていたんですけど、10年前くらいに地元に戻ってきて求人サイトを作っている頃から、学生のエンジニアと働いていたんですよね。彼らもすごく優秀で、後に起業したりしていろいろやってますけど、ちょっとずつ学生に実践的な仕事を任せるということをやっていたんです。」

「最初はプログラミングの部分を学生にお願いしていて、酒店の事業が伸びてきて『COMPUS 』を立ち上げるタイミングで、アルバイトのエンジニアの子たちに『ちょっと、COMPUSっていう事業をやるから、名目上はインターンということで』と言って、『インターン』になったって感じで。笑」

「まあ、アルバイトとインターンって何が違うの?って聞かれると結構曖昧なところで、インターンと言いながらバイトみたいなものもあるし、バイトと言いながらインターンみたいなものもあって、明確に線引きされていないんですよ。
ただ基本は、実践的な仕事を任せるというのがインターンなので、たとえば飲食店のアルバイトでも、学生に店長くらいの裁量を渡して広告の出し方だったりSNSの運用を任せたりしているお店だとかもあって、バイトでもインターンと言えるようなものって結構そこら中にあるんですね。
なのでうちも、そんなに違和感なく『じゃあインターンということで』という感じでもう10年くらい、藤田酒店はインターンの学生と一緒にやってますね。いまもめちゃくちゃ活躍してくれていますよ。」

お仕事に対して、どう自分が関わっていくか。その違いが、インターンをインターンたらしめている要素でもあるんですね。」

「ちなみに、『COMPUS』のほうを立ち上げる際には、一緒にお仕事をするメンバーはどのように集まったんですか?」

「COMPUSを始める時、ぼくの場合はまわりに起業志向の学生とかがけっこう多くて、エンジニアの子なんかもいたので、『一緒にやろう』って言って。彼らもインターン先がなくて困ってたし。立ち上げの時は周りにいた起業をしたい学生と仕事していて、彼らもCOMPUSを辞めて起業していきましたけど。」

「『地方でも学生のインターンを、』というビジョンを聞いて『一緒にやりたい』と思う方がどんどんメンバーになっていった、という感じなんでしょうか?」

「いや、最初はそういうビジョンとかはなくって、『とりあえず、無いから、つくろう。』って周りの子たちと仕事をしていて。サービスが立ち上がってからはビジョンを掲げて、ビジョンに共感するメンバーも入ってくる、という。そこからは全然難しいことではなくて、『COMPUS』を利用している時点でインターンが見つからないことに困って登録しているわけなので、フィットしますよね。自分の課題が、明確にそこにあるはずなんで。COMPUSの中でも一番求人が来やすい会社だと思います。」

「最初の立ち上げというところでいくと、そこまで地方のインターンに課題感を持っていたメンバーではなかったかも。ただ、『これやろうよ』と言ったら『たしかに、こういうのないね。』ってくらいの感じで。」

「だけどその後から入ってくるメンバーっていうのは殆どその辺りに課題を感じていて、たとえば『地方出身だけど、大学生になって東京に出ていって、そのまま地方にいたらやばかったぞ』みたいなことを感じているとか、『東京の情報の多さとか、人との繋がりやすさとかを見て、地方にいたらマズかったな。』とか、『でも地方にたくさん友達がいる。地元をどうにかしないと。』という想いを持った学生とか。」

「逆に東京から地方に出てきて、『なんじゃこれ。』みたいな焦りを感じている学生とか、地方にいながらインターンが無くて困った経験がある子とか。地方にいる学生でインターンがなくて困ったら、大体『COMPUS』を見つけるんじゃないですかね。

「なので、COMPUSにとっては登録している学生全員がターゲットというか、一緒に働いてもらえる可能性がある学生かなと思っています。」

活動していく中でビジョンが見えてきて、一緒にお仕事をするメンバーの皆さんも、そんな目標を見据えて働いているんですね。

「『事業のはじめ方』っていうのは、変わってきました。」 藤田さんの『最初の起業』

「先ほども、『卒業までにやりたいことが見つからなくて』とおっしゃっていましたが、ご自身の中でも起業をするなら自分が興味関心を持っていることで何かやりたいという気持ちがあったんでしょうか?」

「いやでもそう、やっぱりそう考えていたから、見つからなかったんですよね。
「自分がやりたいことで且つ、ちょっとお金になりそうなことみたいな、軸はいくつかあったんですけど、あんまりアイデアが浮かばなかったのもやっぱりそういうところに囚われていたからで。」

「さっき言った飲食店向けの求人サイトも、最初無料でやっていたんですけど、収益化していったんですよ。」
「ある日、『お金を払うからもっと目立つところに載せてほしい。』というような要望があったので、じゃあ、月額3万円でこの辺に広告出せますよ。みたいなことを提案していったら『うちも』『わたしも』と売上がどんどん増えていって、それを会社にしたんです。
それがぼくの最初の『起業』なんで、蓋を開けたら結局、好きな物とか、好きな事とかじゃなくて、困っている人を助けた、みたいな。」

「もちろんそれは、これで酒が売れたらいいなという思惑はありつつも、いつも接点がある人たちが困っていることを助けたら、向こうからお金を払ってくれることになった。自分が好きな事とか、そういうところとは全然違って、自分が一番時間を使っていた事とか、自分が一番接点が多かった人とか、そういうものの周りにビジネスのアイデアが生まれるんだな。ということは思いましたね。」

「自分の中にある欲求にベクトルを向けるだけじゃなくて、周りの人たちとのつながりとか、周囲の人たちが困っている事、求めている事にも目を向けることが、よい事業を起すきっかけになるんですね。

「間違いない、その通り!どっちもありだと思います。自分の欲求とか、大きな課題に立ち向かいたいっていうこととか、色んな起業のはじめ方があると思うので、必ずしもぼくみたいなケースだけじゃないと思うんですけど。ぼくみたいに大きな志とか、やりたいことベースとか、そういう起業じゃない形っていうのも、ありかな。

「ただ、COMPUSに関しては最初の起業とは違って、やりたいこと解決したいことがあって始めた事業なので、そこはやっぱり自分の中で『事業のはじめ方』っていうのは変わってきました。」
「最初の、『なんかとりあえず困っているから助けてあげたら、それがビジネスになった。』からいまはもっと大きなビジョン、ミッションみたいなことが先にあって、そこに向かってやっていこう!という感じで、少しずつ『なんとなくやっていたら起業できました』みたいなところからは、変わってきました。」

「アトツギなのに、なんで起業するの?」 藤田さんにとっての『家業』と『起業』

「個人的に少し疑問というか、家業のアトツギである藤田さんにとって、その家業からは離れたところにある『起業』という選択肢に目が向くことって、なんとなく不思議というか、どこかミスマッチなような気もしてしまうんですが、どうなんでしょうか?」

「たしかに、そういう人は少ないですよね、いまはちょっと増えて来ているのかな。」
「最初から家業と起業、両方をやろうと思っている人は少ない可能性はあるんですけど、家業に入って自分がやりたいと思ったことをやろうと思った時、たとえばぼくで言ったら飲食店向けの求人サイトを作ろうと思った時に、色んな『制約』があって。」
「『そんな新しいことせずに既存の事業をやれよ』とか『そこに投資するより先にお金を使うべきところがあるだろ』って言ってお金を回してもらえないとか、色々あるんですよ。」

「社内の目、社員の目、会社の周りの目に、『アトツギがわけわからんことやっとるぞ』という見られ方をしたりだとか。新しいことにチャレンジしにくい環境というのがアトツギはあって、そういうときに自分の会社を別でつくってしまって、そっちでチャレンジするみたいなのは最近結構増えて来ていて、『家業』『起業』両立してやるみたいなケースは増えているんです。」

「けど、ぼくみたいに起業するつもりで家業入ったとか、二足の草鞋でやるぞ!みたいなのを最初から考えている人はたしかに少ないなと思いますけど、ぼくはそういうふうにパラレルに活動してよかったなと思いますね。」

「やっぱりひとつの事業だけやっているよりも、複数の方がリスクも分散できるし、片方の事業が落ち込んでいても、もう片方の調子が良ければメンタル面でもいい。メンタルポートフォリオとかって呼んでいます。両方の事業が良くなかったらやばいけど。笑

「自分の逃げ道をちゃんと作ってあげる意味でも、事業を二つ。
起業を二つするのでもいいかもしれないし、家業と起業をやるっていうのもいいと思うし。もちろん相互にシナジーもある。結構、COMPUSで働いてくれているメンバーに『ちょっと酒屋のマーケティング付き合ってよ』っていうこともあるので。ただ、もちろんそれで悪いこともあるかもしれない。それぞれに100%のリソースは割けないので。まあ、でも、よいことのが多いかなとは思います。

「アトツギとして『藤田酒店」を見てきたからこそ。起業家として『COMPUS』を見てきたからこそ。それぞれの事業で活かせるものも増えていくんですね。」

事務所に置いてあった、同じアトツギのお知り合いから贈られたという白ワイン、Symn-シン-
せっかくなので写真を撮らせていただいた。

インターン生とこんな風に仕事がしたい!

「最後に、もしCOMPUSさん、もしくは藤田酒店さんと一緒にインターンという形でお仕事がしたい!という方がいたら、どういった関わり方をしていきたいですか?」

「そうですね、やっぱり、主体性を持ってやってほしいですね。どんどんと『これって違うんじゃない?』『これはやった方が良いんじゃない?』みたいな提案というか、突き上げていってほしいなとは思いますね。」

「いまあるCOMPUSさんや藤田酒店さんの事業に対して、疑問を投げかけることができる人と一緒に働きたいな、という感じでしょうか?」

「言われたことを淡々とこなすことも大切ですけど、より事業を良くしていくための提案とか、俯瞰して会社のやっていることを見てくれるような方と、ディスカッションしながら一緒に事業を伸ばしていきたいなと思うので。

「でも、そういった俯瞰的で虚をつくような視点を持っている人材って、実は学生だったりもしますよね。」

「そうですね。さっきも言った通り、あんまり、ろくな社会人いないですからね。岡山には。

「ふふふふふ。」

これは、ちょっとまあ、知らんけど。笑

「いまこの場にいるの、わたし以外みんな社会人ですけどね。」

「いやそれはもちろん、例外はある。」

「普通に求人情報誌とかで募集してもなかなかいい人って来ないし、どこも困ってますよ。人材不足ってのは。」

意欲のある学生であれば、大人にも負けないくらいの活躍ができると。

全然活躍する。全然。どんどん社会人と一緒に働く機会なくなっていきます。社会人よりAIのほうがええんちゃうかな。学生>AI>社会人です。文句も言わないし。笑」

「頂点の座に恥じないお仕事をしていきたいと思っています。」

まとめ

・株式会社COMPUSでは、地方学生向け長期インターン求人サイト『COMPUS』によって魅力的なインターン生と企業をマッチングし、学生の可能性を最大化している。

・有限会社藤田酒店では、ただお酒を売るというだけに留まらず、多様なサービスによって飲食店とのつながりをつくり、飲食店を応援している。

・株式会社COMPUS・藤田酒店では、俯瞰的な視点で事業をより良くしていく主体性を持った学生と一緒に働いていきたい。

・酒屋のアトツギとして、「家業を継ぐかもしれない。」「後を継ぎたい事業がある。」 という思いを持った学生と、ぜひ一緒にお話がしたい!

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この記事は、JST「EDGE-PRIME Initiative」 事業の一環として、岡山大学がNPO法人だっぴ、無花果株式会社と協力し、運営している高校生向けアントレプレナーコミュニティ 「オレンジ」が作成しました。


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