秋夜
いつの間にか夏は私を置いて逝ってしまった。すうっと淋しい風が吹く夜。私の体温を奪う冷たいベールは、孤独をいっそう感じさせる。冷たい青を纏った月の下、指先から凍って身動きがとれなくなる。
こんな夜は心に開いた穴を風が吹き抜け、存在を無視出来ない。
嗚呼、からっぽだ。
嫌でも気付かされる己の心。ツライ現実だけが常に私に寄り添う。家族に親友、恋人がいようと埋まらない空虚。そこには何が入る?
ピースが見つからないまま時は過ぎ、今年も冷える季節がやってきそうだ。
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