血と汗と、塩の味。【企画参加】
耳がおかしくなりそうなほどの蝉の大合唱と、数歩先の道路ですらゆらゆらと茹だらせる熱気。
中学校の最上階の第2音楽室には空調はなく、30名近くの部員を押し込めるには暑すぎた。
野球部は運動場、卓球部は格技場、バスケ部は体育館、とわたし達吹奏楽部を除く生徒は誰もいない校舎は、ほぼ貸し切り状態である。
そうなると、空調が完備されていて、約30名とたくさんの打楽器を収容できる部屋はランチルームは、夏休みの間は吹奏楽部の部室になった。
❄ ❄ ❄
炎天下の中登校し、人一倍暑がりで汗かきなわたしは、火照った身体を冷やしてから練習に取り組むのが必須だった。
その日も、なるべくクールダウンをしてから練習に取り組んだつもりだった。
けれど、一回目の合わせ練習をしている時、ふと鼻から何かが伝う感覚がして慌ててティッシュを鼻に当てる。
鼻から少しティッシュを離して確認すると、赤く染まったティッシュが目に飛び込んできた。
先生は木管楽器の子たちに説明をしていたが、わたしは静かに手をあげ、異変を察知した同じパートの同級生が「先生…!」と声をかけてくれた。
(※以前お話ししたMのことである。さすが未来のナース)
お恥ずかしながら鼻にティッシュをあてたまま、「鼻血が出てしまって…」と事情を説明する。
30名近くの部員に見守られながら、鼻にティッシュをあて事情を説明するわたしは、客観的に見てもなかなか滑稽だったと思う。
普段厳しいとされている顧問が、少し慌てた様子を見せ、水筒とティッシュ、塩分補給用に各部活に配られている塩を持つように言い、ランチルームから移動するようわたしを連れ出した。
別れ際、Mがティッシュをくれた。
夏休み中、保健室には養護教諭もいないため、横になれるのはカーペットの床である第2音楽室だった。
窓をあけ、向かいの美術室の窓まで開放し、扇風機をガン回しにして、落ち着いたらでいいから、とわたしに言い残し、顧問は部員の待つランチルームに戻っていった。
塩分補給のための塩は、しっかりとわたしの枕元に置かれていた。
今でも、顧問の心配そうな顔は忘れることはない。
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中学生の部活の時に起こった事件を書いてみました。
鼻血が出やすい体質だったので、わたし的には大したことではなかったのですが、顧問の動転っぷりには申しわけなくなりました。
顔も真っ赤になるし、汗かきだし、というのと、きっと塩の消費量はわたしが1番だったと思うので、その後もちょくちょくネタにされてました笑
「こまめに塩なめとけよ!!xuを見習って!!!」
「(一同苦笑い)」
顧問は普段厳しめの人だったので、言ったところで同じ部屋の中で、鼻血が止まるまで休憩かと思っていたら、気を遣ってくださって、人目のつかなく、風通しの良い部屋に移動させてくれ、そして熱中症にならないように、塩まで用意してくれた顧問の優しさに触れた一日でした。
その1件のあとは、こまめな休憩が少し増えました笑
riraさんの企画はもうすぐ終了です!!!!
【応募要項】
・夏の思い出を語ってください。忘れられない想い出、とっておきの思い出など、どんなものでもいいですが自分の思い出でお願いします。
・形式は可能ならエッセイ、あるいはエッセイぽいもの、ブログ風でもなんでも🆗です❗️(追記:エッセイとは...「自分の体験+感想や意見」な感じで、ゆるーくで大丈夫です)
・ヘッダー画像を夏らしいものにしてください。
ショートショート部門は、わたしが感想を書かせていただきます!!
【応募要項】
・夏をテーマに書いたショートストーリー
(夏祭り、海や花火、キャンプ、帰省した田舎などのシチュエーションだけでなく、スイカ🍉、かき氷🍧、など夏のアイテム🌽🎐🌻など、夏っぽかったら🆗です)
・ヘッダーはお好きな画像をお使いください。
・タイトルに【ショートショート】など入れてもらえると、わかりやすくて助かります。
【応募期間】
8月31日まで!!!!
【注意事項】
・#夏の想い出noteをハッシュタグにつけてください。(xuの夏祭り企画に参加した方は、お手数ですが統一のため、ハッシュタグをこちらに変更お願いいたします)
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・誰でも見れるように無料記事でお願いします。
・もし1日以内にriraさんから反応がない場合は気付いてないので、コメントで教えて頂けると助かります。
夏休みもラストスパート!!!
みなさまの夏の思い出や、夏に関するお話を聞かせてくださいね✨✨
※アイキャッチ画像に素敵なお写真をお借りしています。ありがとうございます。
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