生活保護を受けること。
先日、生活保護についての話題を目にしました。
発言力のある方が、ああいうことをお話されると、ますます生活保護を受けにくい世の中になってしまうなぁ、とひどく落胆しました。
生活保護を受給している人の中には、パチンコに行くなどの不正受給者が存在していると聞きますが、本当かどうかは実際わからないし、本当に必要としている人に行き渡らないのは違うと思います。
今日は、生活保護のことについてお話させてください。
21歳で生活保護を受けた
実際にわたしは、21歳にして生活保護を受給しました。
理由は、病気が原因で離職し、すぐに職場復帰できる状況じゃないから。
貯金も一人暮らしのために費やしてしまい、その後の予期せぬ持病の悪化と、転職予定だった斡旋先が蒸発したことから、わたしの生活は困窮をたどりました。
お恥ずかしながら、親を頼れる状況でもありませんでした。
重たい身体を引きずり、泣きながら役所の方に相談したことを今でも覚えています。
すっからかんの家と通帳の残高を見て、役所の方はどう思ったのでしょうか。
数週間後に認可はおり、生活保護を受給しながらの転職活動になりました。
国民等しく受け取る権利がある
生活保護は、国民が等しく受け取る権利がある、最後のセーフティーネットです。
ですが、「わたしなんかが…」や「周りの目が気になるから…」と受け取ることを躊躇する方がいることも認識しています。
確かに、生活保護を受給している時、病院に通院すると嫌な思いをすることはありました。
生活保護、という特定疾患の受給者証の記載を見て、受付の人に小馬鹿にしたような態度をされたことや、わざと他の人に聞こえるように「生活保護ですね!」と言われたことがあります。
生活保護って、そんなに恥ずべきことなんですか?
生活保護って、底辺の人間なのですか?
生活保護は、働きたくても働けない人が受け取っているものです。
受給している時、傲慢な気持ちはさらさらありませんでした。少なくともわたしは。
ありがたく、慎ましく使わせていただき、生かしてもらいました。
ですが、税金泥棒、と言われるのは少し違うと思います。
エゴかもしれませんが、人間は持ちつ・持たれずの関係で成り立っているとわたしは思います。
突然あなただって、職を失い、貯金も底をつき、明日からの生活がままならなくなるかもしれない。
はたまた、不治の病になり、高額な医療費を払わなければいけないのに、働ける身体ではなくなるかもしれない。
そんな時、生活保護に頼らず、死を選びますか?
極論ではありますが、きっとそういうことになると思います。
困った時は頼っていい
確かに、自分が収めた税金が、赤の他人に使われていい気がしない人がいるのも理解できます。
ですが、本当に困っている方は、躊躇せずに頼っていいのです。
さまざまな公的手段を駆使して、それでも生活していくのが難しかったら、最後のセーフティーネットである生活保護に頼っていいのです。
生活保護を受給している人に嫌な思いをさせるほうが、むしろ変だと思っています。
世の中には、色々な人がいます。
裕福な人もいれば、貧乏な人もいる。
健康体でバリバリ働ける人もいれば、そうでない人もいる。
そんな自分とは違う誰かを、認め合える世界になるといいですね。
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※アイキャッチ画像に素敵なイラストをお借りしました。ありがとうございます。
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