ひていけい、形になる前に:DMの表(面)から相磯桃花(の作品)を見つめる author by 紺野優希
相磯桃花の作品は、まるでDMの表(面)のようだ。日時や会場の位置、また参加作家などの説明が書かれている裏面とは違い、表(面)は作品やビジュアル・イメージという視覚的情報をもとに展示へ誘う。前者のような情報を内容として考えた時に、相磯桃花の扱うテーマは後者により近い。つまり、コンテンツ・中身の抜けたキャラクターへの問い、あるいは問題意識と言える。この場合、それに内容や意図を込めるのは、ゲームのプレイヤーと芸術家という人間主体である。そのように捉えた時、相磯の作品には「脱臼状態」