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座談会『創業支援の最前線』

創業支援部会の座談会で、創業支援のスペシャリスト 洞口さまに『創業支援の最前線』というテーマでアツく語っていただきました。オンラインの画面越しながらも、創業支援にかける熱量が伝わってきました。
冒頭に「質疑応答は何時までもOK!」という洞口さまの言葉に驚いた参加者も多かったはず。

洞口 智行 様
株式会社 EXPLODIA 代表取締役社長。中小企業診断士
多くの中小企業支援機関で創業支援の専門家として活躍するほか、海外販路開拓支援などを専門とする。
https://www.tokyo-kosha.or.jp/station/consultant/022.html
中小卸売業社外取締役。海外出版社にて営業企画責任者、大手資格予備校にて講師育成企画責任者等としても活躍。
You Tubeの『ほらっちチャンネル』では、中小企業診断士の魅力やビジネス情報等を配信。英語版の『Horacchi Channel』では、日本での就労を志す諸外国の若者へ向けてビジネス情報や日本語学習コンテンツ等を配信。
ほらっちチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCWFRCZp5L_SZnjHAA52l1HA
Horacchi Channel
https://www.youtube.com/channel/UCeMIfO0PifpnA1NuJ3HxFpg

以下、洞口さんの講義の概要です。

1.『最近の起業動向は?』

いきなりクイズ。
創業支援に携わるうえで押さえておきたい知識。

Q1:起業費用はどのくらい?
起業家の起業費用は、100万円未満が約___割を占める。
近年は少額資本で起業する割合が高くなっている。

Q2:自己資金だけで起業する人はどのくらい?
起業費用に占める自己資金割合が100%である割合は、___%を占める。
この割合は、起業費用が高くなるにつれて低くなる。

Q3:副業から起業する人はどのくらい?
副業から起業する人の割合は近年増加しており、約___割を占める。
本格的に起業する前に、週末起業などの予行演習を経ることで起業がよりスムーズに。

はてな

回答は Q1:4割、Q2:65%、Q3:4割 
出典:起業と起業意識に関する調査 日本政策金融公庫(2019年1月)

2.創業支援は「公的業務」

創業資金は創業者の血と汗と涙の結晶。

創業資金が「十分」という方はほとんどいない。個人的に、創業者から通常の診断士業務におけるコンサルティング料金(1時間数万円)は受け取りにくいと感じている。反面、創業者への公的支援制度は非常に充実している。

そこで、あくまで自身の場合であるが、創業支援業務は公的機関の窓口相談対応を中心に据えて、個別に相談を受けるケースについても、東京都の創業ステーションなどの窓口をご紹介して、自身で対応させて頂く形をとっている。

また、公的な創業支援業務には、以下のような魅力があると捉えている。
・公的機関の専門家としての信頼を得られる
・年間数百件の「場数」を踏むことができる
・公的支援ノウハウを身に着ける事ができる


握手

3.創業支援の醍醐味

なんといっても、新しくビジネスを興す起業家と密接に関わり、喜びや感動を分かち合えること。起業家の皆様から「初売上が立ちました!」「単月黒字を達成できました!」等のご報告を頂くと、つい目頭が熱くなり、一緒に声をあげて小躍りして喜んでしまう。

また、これは実際に現場に立って強く感じたことであるが、創業支援に携わる先輩診断士の先生方から非常に多くのことを学ぶことができる。診断士の仕事を始めた当初、自分は先輩診断士のかばん持ちのような形で隣に座り、先輩方がどのように経営者へのコンサルティングを行うのかを実地で学ばせて頂いた。経営状況の分析や決算書に基づく財務分析、今後の課題設定や施策展開の提案など、先輩方が熟練の経営者の信頼を得て、診断士としての価値を提供されていく様子をつぶさに拝見させて頂いた事は、値千金の経験であった。

未来

4.創業支援は『どこでもドア』

創業支援のお仕事は、どこにでもつながる「どこでもドア」のようなものだと思っている。

これからビジネスを始める起業家とはもちろん、創業支援に携わる専門家、公的機関や民・民で契約をするクライアントなど、さまざまなところにつながっている。創業支援の仕事は、間違いなく自分のこれまでの仕事や人間関係を広げてくれている。中小企業診断士として「創業支援はお墓に入るまで続けていきたい」と思っている。

座談会を終えて

当初の予定時間を超えて、語りつくしてくれた洞口さま。
創業支援へのアツい想いを持ちながら、起業家の方々と誠実に向き合い続けていることが伝わってきました。起業家の方々から、実務面だけでなく、メンタル面でも頼りにされていることを感じます。
この他にもご自身の診断士としての独立時の営業話などの実践的な話題も多く、学びの深い時間を参加者と共有させていただきました。

洞口さま、ありがとうございました。