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働きながら過疎地域を応援する

起業支援に取り組む中小企業診断士の集まり『スタラボ』

今月の座談会は、南伊豆町商工会の経営指導員 木下 和孝さまにご登壇いただきました。

テーマは「過疎地域の商工会が行う創業・事業者支援の実態と課題」です。

木下 和孝 
南伊豆町商工会 中小企業診断士
南伊豆町で生まれ育ち、南伊豆町商工会に勤務。経営指導員として、持続化補助金活用の支援のほか、販路開拓など、地域の事業者の活動を幅広く支援。

「過疎地域で、地元で働く会社員の副業(創業)支援をしてみませんか」

そんな提案が、木下さんから投げかけられました。

地域にフィールドプレイヤーが少ないからこそ「地元でやる気のある会社員や公務員の副業としての創業を支援する」というアイデア。
お聞きしていて、地域を元気づける、その可能性にワクワク感を覚えました。

自身も過疎地域で奮闘する、木下さんだからこそ、その提案に説得力を感じます。


以下、木下さんの座談会の概要です。

南伊豆など過疎地域の実態

全国の過疎市町村の数は820。実は、全国の1,718市町村の48%にあたり、面積で見ると、日本国土の6割を占めている。

「みなさんの何らかのゆかりある地域も過疎市町村になっていませんか」

限界集落では、徒歩圏内に買い物できる食品小売店がない場合も多い。知り合いにお願いして、週1回、市街地のスーパーに買い物に連れて行ってもらう人たちもいる。

南伊豆町の食品スーパーは、イオン系の1店舗のみ。すでにライバルとなる地元の店舗はなく、撤退されたら「町民の胃袋はどうなるか」と心配になる。

過疎地域では、事業所が存在するだけで地域貢献。

今後は、高齢な経営者のお店が廃業していく。新たな取組みを始めるにも地域内に「動けるプレイヤー」が非常に少ない。

集落によっては、50代でも「まだまだ若手」という扱いを受けている。

持続化補助金をきっかけに

あなたの会社の経営計画をつくりませんか

と提案しても、ほとんどの事業者は、計画をつくるメリットもわからず、話に乗ってくることはない。一方で、

補助金で新たな取組みを始めませんか

と提案すると、興味のある人が増え、決算書まで喜んで提供してくれる。

持続化補助金は、金額的には大きくないが、小規模事業者にとっては気軽に新しい取組みがチャレンジできる施策。

支援者側にとっても、補助金採択後のフォローで、決算書を見ながら経営数値の確認できたり、支援の入口として最適なものと考えている。

■持続化補助金
持続化補助金は、小規模事業者が行う販路開拓や生産性向上の取組に要する経費の一部を支援する制度
・補助金額 ~50万円。
・補助率2/3
https://mirasapo-plus.go.jp/subsidy/persistence/

基本的には、事業者とのヒアリングを繰り返して、申請内容をブラッシュアップする。その際に、浅い提案でもまずは「例えばですが・・」と前置きをして、何か提案をしてみるのがポイント

すると、事業者がその提案に違和感があると、逆に自身で考えて「それよりは・・」と、事業者から別のアイデアが出てくることも多い

会社員・公務員の副業は隠れた創業予備軍

プレイヤーが少ないなら、自分で取り組んでみよう

南伊豆町では、地元の会社員や公務員が自ら副業してプレイヤーになる動きがでてきた。すでに事業を開始している人もいて、会社員の副業環境の広がりを感じる。

これまでは、首都圏の人材を地方に連れてくる、という発想が強かったが、隠れた「地元の人材」が、自らプレイヤーとして活躍できるのは良いこと

実は、実過疎地域では安定収入のある会社員が公務員が、隠れた創業予備軍なのかも。そんな副業人材を創業の構想段階からサポートできたらおもしろい

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支援者側は、むしろ企業内診断士のほうが支援がしやすいこともある。

創業したい人材も、支援する診断士側も平日は会社員や公務員として仕事をしているので、夜の時間や週末に活動を合わせやすい。組織に属しているからこそ、副業の悩みも共感できる。

企業内診断士自身も、持続化補助金を活用して、事業開始の資金に充てるのも一つ。首都圏の診断士もオンラインをうまく活用することで、過疎地域の創業準備者とつながりやすくなる。


ぜひ、持続化補助金を活用して、過疎地域の会社員の副業を支援することで、地域のプレイヤーを増やすサポートをしてみませんか?

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最後に

木下さんのアイデアは、南伊豆町に限らず、全国の支援が行き届かない過疎地域に向けられています。

どの過疎地域でも「プレイヤー」が少ないのは共通の課題。
もちろん、移住の促進や首都圏の副業人材をスポットで地方に連れてくる方法もありますが、やる気のある「地元」の会社員にフィールドに立ってもらうのは魅力的なアイデアだと思いました。

最初から「隠れたプレイヤー人材」を何人も見つけるのは難しいかもしれませんが、地元で副業人材の成功例が見えてくると、「自分も」という人たちも増えてくるかもしれません。

企業内診断士のなかで「地域の支援に関わりたい」と思っている人たちにとっては、一歩を踏み出すチャンスですね。

木下さん、地域とつながる提案もありがとうございました!

おわり