支援現場の即興力
悪魔の実を食べて身につけたいスキルと聞かれたら(そんな質問されたことはありませんが)
それは『即興力』
中小企業の経営者の方々と話をするときに、もっと的確な返しができたらなあ、という思いです。
芸人さんの即興力
『即興』といえば、タモリさん。
「笑っていいとも」の放送開始の新聞では「即興エンタティナー タモリ」という紹介文があったとか(Wikipedia)
ブラタモリでも行く先々で、テレビ素人の「地形の専門家たち」との掛け合いをとおして、クスッとした笑いを届けてくれました。
相手やその場のシチュエーションに応じて、自然体で切り返えせる即興力にただ、ただ尊敬します。
タモリさんに限らず、芸人さんは、与えられたわずかな時間で、意外性のあるコメント見事に笑いに変えていく。
場に合わせた言葉の選択も秀逸ですね。
吉本興業NSCの講師、本多正識氏の「1秒で答をつくる力」を読むと、芸人さんの切り返しのスゴさを感じます。
「1秒で答をつくる力」を一言でいうと
相手の話や議論の流れに沿って論理的に考え、瞬間的に情報を処理していく、そんな感じです。
本の中でも「芸人のなかでも両方をこなせる人は少数派で、シンプルながら究極の能力」と紹介されています。
まさに悪魔の実の能力者ですね。。
即興力はスキル
即興とは「論理的思考」と言われると、少し安心。
生まれつきの「センス」や「頭の良さ」と言われると、どうにもできないですからね。。
「論理的思考力」であれば、多くの社会人にとっては、なじみのあるもの。
とはいえ、スピードとクオリティの両方を追求する論理的思考力なんて、簡単ではありませんが。
自分のような凡人が、即興力をスキルとして磨くためにどんなことがでそうか、考えてみました。
即興性を磨く
想像し続ける
「あーでもない、こーでもない」と普段から、いろいろな着眼点で考えてみる。一人ブレストを続けるイメージ。聞かれたときに、違う角度から意見が言えるようになりたい。
たとえば、アイデアを求められれば、大多数の意見でもなく、ピント外れの意見でもなく、回答率15%ぐらいのところを狙う感じでしょうか。
自分の軸を持つ
「臨機応変に柔軟に対応したい」といいながら、自分なりの軸は大事。ただコメントするだけでなく、メッセージ性を込めるなら、自分の思いや信念が乗った言葉のほうが強い。
日常の出来事でも「よくわからない」で逃げないよう、自分のスタンスを持つように意識したい。
答は複数あるという意識
一つの正解を考えるのではなく、常に複数の正解がある前提で、意見を考える。
一つの意見に固執しない、一つの視点を絶対視しない。スッキリしなくても、そんなゆるさや曖昧さを持てる余裕がほしいところ。
準備する
あたりまえですが、普段から突然振られてもアウトプットできる準備をする。
無から、新しいものは生み出せない。
小さくても頭の片隅にあるものが結びついてアイデアは生まれるはず。
自身の専門のフィールドのアップデートだけでなく、関連したフィールドのストックも増やしたい。
コンパクトに伝える
ひな壇芸人さんほどでなくても、現場で与えられる時間は限られている。
マネジャーなどの役職になると、より短い時間内に、人を動かすような発言が求められますね。
少し前に流行った「1分で話せ」(著者:伊藤羊一)で紹介された結論と根拠の骨組みを使って
・結論
・3つの根拠
・その具体例
といったシンプルなカタを使って伝えるのもわかりやすい。
などなど。
即興力を磨くためにできそうなことですが、、
『論理的思考力を、一秒で完結させること』
その道のりは長そうです(笑)
最後に
中小企業支援の現場では、事前にどんなに分析をしても、想定と異なることも多い。
例えば、最初の問合せから売上拡大が課題と思いきや、ヒアリングを進めると、まずは利益率の改善が優先課題であったり。
経営者の方と話をしながら、自分のなかの仮説を軌道修正したり、質問をアレンジしたり、少ない脳みそは大忙しです。
中小企業支援の現場に台本はない。
常にアイドリング状態で、最善手を考え続ける。
そんな緊張感があるからこそ、やりがいとおもしろさがあるのかもしれません。
おわり