めざすは「ビジョン型」上司?
理想の上司像は?
「そんな理想の単一モデルはないよ」と思いながらも・・
部下や後輩をもつビジネスマンであれば、ちょっとは気になるもの。
最近の傾向を見てみました。
理想のリーダー像
先日、日経新聞に掲載された、エン・ジャパンが実施したアンケート調査結果。
結果をみると
・目標やありたい姿を明確に定める「ビジョン型」30%
・部下との対話からやる気や行動を促す「コーチング型」25%
・メンバー全員から意見を聞いて意思決定を行う「民主型」18%
・メンバー同士の関係性や感情に配慮する「関係重視型」14%
・リーダー自身が高いパフォーマンスを見せる「先導型」11%
・細かく指示する「強制型」1%
記事では「目標を設定して帰属意識を高めつつ、具体的な作業を部下に任せる後方支援タイプが支持を集めている」と解説されています。
ビジョン型の上司が人気なのは、パーパス経営や企業の存在意義が強く問われる背景もあるのでしょうか。
ビジョン型には、ビジョンのような抽象的な言葉を、現場の実践に落として考えられるリーダーが求められる印象も受けます。
次に支持を集めるのが「コーチング型」
ビション型とも少し共通しますが、大きな方向性を定めたら、具体的なアプローチは部下に任せる、必要なときに関わる、という自主性の尊重が部下から期待されていることが読み取れます。
よかれと思って、細かい段取りへのアドバイスや、率先して範を見せる、といった上司の関わり方は、よくよく、相手や場をみて進めたほうが良さそうですね。
頼りがい < 親しみやすさ
別の調査ですが、毎年恒例の明治安田生命が行う「理想の上司」アンケート調査。
https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2023/pdf/20240221_01.pdf
新入社員が思う理想の上司像の1位は、男女ともに「親しみやすさ」。最近の心理的な安全性が大事にされる職場を考えると、わかる気がします。
イマドキの新入社員は、自分を引っ張ってくれるような「率先型」の上司ではなく、親身に寄り添ってくれる上司を求めている傾向が見えますね。
ちなみに、調査を開始した2016年は、男性が「知性的・スマート」、女性が「頼もしい」が1位。当時は、頼りがいのある上司のほうが1番人気でした。
理想の上司像も変化しています。
上司も役割の一つ
出張帰りに、手に取った日本代表キャプテン「長谷部元選手」のNumberの記事。
歴代最長のキャプテンは「信頼に応えるため、自分の形を変えてきた」という。
キャプテンは、リーダーであっても上司ではありませんが、このコメントには深く納得。
「上司(リーダー)も、組織としてパフォーマンスをあげるための役割の一つ」と考えれば、部下が最大限の力を発揮できるスタイル(型)が理想。
上司のスタイルは、置かれている環境やまわりのメンバーによって、うまく変化できたらいいんでしょうね。(そんな簡単ではないですが・・)
そして、上司のスタイルも、個人のキャラクターというより、コンティンジェンシーリーダーシップのように『スキル』として身につけるもの。
そう思うほうが「がんばれば変われる」という気概が出てきます。
多様性を尊重する流れは、止まらない。
上司のカタチは、多様なメンバーとチームとして働けるよう、常にチューニングが求められますね。
リーダーシップの6分類を唱えたダニエル・ゴールマン氏は『優れたリーダーは、人の心を動かす。優れたリーダーは人の情熱に火をつけ、最高の力を引き出す』という。
さて、自分はちょっとでも、誰かの情熱に火をつけることができているんでしょうか。
おわり。