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経営分析の先の景色

 『経営分析』

このカタい4文字を見るだけで、一般向けなnote記事にならない気がします。

それでも前進(笑)

中小企業支援に関わるとき、企業の決算書を拝見し、経営分析をする機会も多い。

と言いながらも、経営分析に対して

「決算書は過去の結果。過去を見てもしょうがない」
「売上拡大を支援するのに経営分析は必要ない」
「中小企業の決算書は実態と違うのも多いんじゃない」

との声も。
もちろん、支援者によって、支援のアプローチは違うので、支援先の決算書をどう活用するかは人それぞれ。きっと正解はない。

自分は、決算書をつくる専門家ではないので、もっぱら読む専門ですが、経営分析の魅力にちょっとだけ触れたいと思います。


決算書はロマンチック!?

NewsPicksで連載されていたスタートアップを目指す漫画「スタートアップル」。テーマは意外にも「決算書の理解」でした。

詳述はさけますが、主人公の「決算書はロマンチック」というセリフが印象的です。

自分には「ロマンチック」なんて発想はまったくありませんでしたが(笑)「無機質な数字の羅列から、過去にあったことや未来の可能性があふれてくる」という言葉には、なんとなく共感します。

純資産の厚みから推測される企業の歴史や、研究開発費に込められた将来の希望など、会社の過去や未来を想像すると、自分も確かにロマンを感じているかもしれません。

漫画のなかで主人公が聞かれる問い

「決算書を読むことを通じて何を学んだか」

10年前、診断士を取ったときに聞かれていたらなんて答えただろうか。
悩みますね。

経営分析は何のために

一般的な経営分析の定義には「経営成績の良否を明らかにするもの」とあります。
でも「社長との対話のツール」と考えたほうがしっくりきます。

経営分析とは、貸借対照表・損益計算書などの財務諸表や原価資料などを分析・比較・検討して、企業の財政状態および経営成績の良否を明らかにすること。
(デジタル大辞泉)

自分には、製造現場をサラッと見渡して「社長、経営課題はこれですね」なんて、ドラマのようなカッコいいことはできない。
経営分析のデータを持ちながら、社長との対話や現場の活動と結びつけて、ちょっとずつ企業の理解を深めていく、そんな感じです。

結果的に、数字の良し悪しを評価するよりも、企業の強みや特徴、伸ばせそうなところや改善すべきところを社長と共通認識をもつために経営分析をしている気がします。

決算書を見ながらの妄想

いつの頃からか、決算書を見ながら妄想する時間が長くなりました。

訪問前であれば、ホームページの情報やネットの記事を見ながら、決算書の数字と結び付けて妄想します。

「大きな設備投資が続いているけど、何がチャンスなのかな。新規分野への進出?、それだったらこの分野かな。経営方針を読むと、確かに攻めた経営をしそうだし、社長の写真見ると「目ぢから」ありそうだし・・」
と、勝手な妄想が延々と続きます。

あくまで妄想、あくまで仮説。
現場ではその妄想にとらわれないよう自戒しています。

最近、自分の妄想グセが、ちょっとあやしいかなと思うようになり、google先生に「決算書 妄想」で検索。

すると、同じような「決算書の妄想好き」が世のなかにはいるようで、ちょっと安心しました(笑)

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最後に

改めて
経営分析は地味です。きっと、派手さはありません。

それでも、経営分析をして企業を理解しようとすると、社長と深いところまで共通認識を持ちながら、信頼関係がつくれるのでは、と思っています。

最近は、週末に診断士チームで、企業支援に関わる場面も増えてきました。

特に複数名のチームで企業支援に入るときには、経営分析をベースに企業の現状や課題の共通認識をチームで持っておくと、その後の具体的な提案や実行計画の検討がスムーズになる気がします。やはり、定量面と定性面の組み合わせは強力です。

経営分析の先には、きっと「支援後の企業の喜ぶ顔」がある。

ちょっと飛躍しますが、そんな希望を持ちながら、課題解決のヒントを探して、今日も決算書をネタに妄想を続けます。

おわり