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愛猫 逃走 17日目

10月7日 水曜日

昨日から緊張してあまり寝られなかった。

9時半頃住宅街へ。

すべての作業を念入りに終わらせるため、

カメラデータ回収の他、捕獲器も一度持ち帰った。

必ず朝は車ではなく公園から歩いていく。

この住宅街へ続くきつい坂も今回が最後かもしれない。

そう思うと切ない気持ちになった。

暗いトンネルから少しだけ明るさが見えてくる。


捕獲器は一度、公園の駐車場スペースで

段ボールの囲み、薄さ、多少の誤差等、

みやこが踏むであろう体重で

左、右と負荷をかけながら確認を行った。

それでも不安が残るため、何度も何度も調整した。

多分1時間半くらいいただろうか・・・


午後帰って、みやこの好きなフードを用意する。

まぐろが大好きなみやこ。

最後に特別なまぐろフードとチュールを用意した。


午後17時過ぎ。

いよいよ決行時間にちかづく。

娘さんにはラインで連絡して、みやこにはわからないようにする。

玄関にいく時も言葉は発しないでそのまま入る予定だ。


いつも通り、カメラの設置をして、

整ったらみやこを呼びながら近所を回る。

そして、フードを仕掛ける。


いよいよ帰る時、待ちきれないみやこ の姿が

向かいの家のガレージ車前に見えた。

目があった。

これでは作戦がバレると思い、

「 みやっ 」 と呼ぶと

案の定後退りする。

そしてもう一歩踏み込むと逃げて行った。

が、それも計算だ。

すぐガレージ上の娘さん宅へ駆け込み、

カメラを確認しながら玄関で待つ。

思いの外、車が3台くらい過ぎ去った。

5分後くらいにみやこが現れる。

昨日と同じくチュールから食べる。

そしていよいよ中へ。

緊張の一瞬だ。


なにも考えずひたすら待つ。

最初はフードをとって捕獲器の外で食べる警戒ぶり。

しかし、次に入った瞬間。

「 カシャ 」

静かな音がカメラからも聞こえた。

すぐに下に降りる。

気が動転してもう一つ向こうのお隣さんガレージへ行ってしまう。

が、すぐ戻り、みやこを確保。

泣き叫んだり暴れる様子もあまりなかった。

こじ開けようとしていたが、その前に押さえ込み成功した。

よかった・・・

安心と共に娘さんが来て、

「 よかったねー 」涙ぐむ。

お互いにハグした。

が、それよりみやこが脱出しないよう黒い布を長めに覆う。

最初に覆っていたせいか、落ち着いた様子だった。

本当に本当に ほっとした。

みやこ・・・

いままでどれだけこの日を待ち望んだか・・・

一時期はもう帰ってこないのではないかと暗い気持ちになりながら、

何度眠れない夜をすごしたことか・・・

思えば長かった。


17日目。みやこを無事捕獲。


駐車場を借りてる方も駆けつけてくださり、

娘さんが最後に花束とプレゼントを用意してくださり、

バタバタ挨拶をしながら帰ることになった。


本当にいい人たちに出会えて、

みやこは幸せ者だと感じた。


帰ってから、段ボールを片付けたり、

ゴミを出したり、窓をすべて閉めたり、

すべての雑用を済ませ、みやことご対面することに。

車でも家へ入るときも

まったく音をたてなかったみやこ 、

お風呂を入れて洗う準備をしていたところ、

やっと 「 ミャー 」 と鳴いた。


みやこは温タオルや水で体を濡らすことには慣れていた。

が、シャワーや風呂場を見ると逃げる。

山へいったみやこは絶対に洗わなければならない。

明日動物病院でノミダニ予防をしてもらう予定だから、

風呂に入れるなら今しかない。


ひっかかれることを覚悟の上風呂に水をはり、

洗濯ネットに入れて落ち着かせ、

ぬるめのお湯でゆっくりタオルをつけながら洗った。

意外と気持ち良さそうだった。

山や慣れない生活で疲れもあったからだろうか・・・

シャンプーしながらマッサージ、

ノミ取りのくしでトリミングし、

ホットタオルでゆっくり体を温めた。

ほぼフルコースを終えたみやこは疲れもあったからか、

少し眠そうだった。

ドライヤーでストレスをかけるのもかわいそうだったので、

数枚タオルを使ってタオルドライ。

その後、冬用ヒーターを出してあたためた。

ゆっくり寝床でくつろぐみやこ。 

夜11時頃まで寝ていただろうか。

そのあと、ご飯を食べさせたら、普通に食べた。

食欲はあるらしい。よかった。

それから夜泣きコースが始まるのだが・・・

これは覚悟の上。

戻ってきてくれたありがたさに今日も寝られないが、

昨日の寝られない気持ちと全く違う。

みやこが帰ってきてくれた幸せ感が押し寄せる。


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