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愛猫 逃走 6日目

9月26日 土曜日

朝3時過ぎに起きて4時前に住宅街へいく。

外は真っ暗。

自分の息をする音が聞こえる。

懐中電灯をもって勇気を振り絞って捜索。

坂道を登りながら一軒ずつ軒下や車庫、周りをみる。

それらしきものがいない。

山沿いの住宅へ。

ちらほらと明かりが見える。

きっとお年寄りが多い地域なのだろう。

ごみ置き場、空き家、工事中の家等、

どこにもなにもいない。


突然、

”ギャニャー”

猫の叫び声が山から聞こえた。

えっ!?まさかみやこ!?

頭が混乱する。

すぐに山の上の展望台をめざして真っ暗な山道を通っていく。

違う怖さが頭をかけめぐる。


幸い、さっきの一声だけで、あとは聞こえなかった。

みやこだったのだろうか・・・

とりあえず昨日仕掛けた餌のチェックをする。

山の中は見えないが、

山の入口近くに置いたおやつや餌は食べられた形跡がある。

朝は暗く、鳥でないことは確か。

みやこなのか、他の猫なのか、または狸など他の生命体か・・・


日が昇るまで、まだ1時間ある。

とりあえず車に戻り仮眠をとる。

そして日が昇った6時半頃に再度頂上へ。

山の中へ入ってみる。


山の中で仕掛けた餌がない。

見えない場所に置いた、みやこボックスには何もおらず、

チュールや水もそのまま。

警戒してなのか、みやこじゃないのか・・・

あまり意味をなさないようなのでみやこのボックスは撤収することに。


チュールはそのまま山道沿においてみる。

もしチュールを食べていなければ他の生き物かもしれない。

みやこはチュールが大好きだった。


仕掛けた餌は合計6箇所。

チュール以外はすべて食べられていた。

お皿もきれいになっていた。

なめられた形跡もある。


とりあえず、朝できることはここまでだ。

あとは夕方、もう一度餌を仕掛けて様子をみよう。



帰っても仕事が手に付かない。

何かにすがりたい気持ちから、

猫のおまじないをすることにした。

百人一首にある有名な句を紙に書いて玄関等にはるらしい。

墨と筆を使って心を込めて書き、念じた。


「 立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる

まつとし聞かば 今帰り来む 」


お願いだから無事でいてほしい・・・みやこ・・・



午後6時前。

再度餌を仕掛けに山へ戻る。

途中、残したチュールの空の器を見つける。

何かが食べたのか。

みやこなのか・・・でも舐めた感じの食べ方ではない。

民家にでる道が途中、誰かが整備してくれていた。

おかげで見晴らしがよくなってる。

この景色をみやこも見ていたのだろうか・・・

そんなことを思いながら餌の場所を少しずつ、

展望台の方へ移動していく。

道標にみやこのトイレ砂と、

飼い主の匂いがついたお湯をまいた。


今晩再度、様子をみることに。

明日は発注した小型カメラが着く。

少し希望がもてたが、もしみやこじゃなかったら・・・

そんな不安も拭えない。



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