波のカナタ 高1_5

佐々木 功 晶 陸
4月の朝。後ろから、晶を軽くパシッと叩く佐々木功。
「晶! おっはよー♡ 」朝からテンション高めのモンチュウ。走って行ってしまう。
「……お、はよ」て、アイツ聞いてねーよ。あー、今日もカワイイな♡ ま、いっか。遠くから眺めるだけでも。どうせ、付き合えるわきゃ無いんだし。ヘタに傷付きたくねえ。

これでいい。__本当に? イヤ、やっぱ、物足んねえな。

下足箱で陸に気付く。声を掛ける晶。
「陸くん! おっはよー」返事はない。陸は、眩しげに晶を見て行ってしまう。
無視かよ! (イラ) 感じ悪!

__ん? もしかして、俺、功くんに同じことしてる?? 俺は、違うよ!?
陸は、仲良くないけど、功くんは、好きだから避けちゃう、ていうありがちな中二病だよ!
って、違いが功に分かるわけねーじゃん。

ファイ! 俺! 功くんと話すぞ!! (目標低過ぎ)

©️ 石川 直生 2020.

功 晶 小田哲 2
いつもと同じような朝。ハイテンションな佐々木功が、晶の髪の毛をくしゃっとして行こうとする。反応が薄いから、だんだん遠慮がなくなっている。
「おっはよー♡  晶!」
「功! おはよ!!」晶は、功に大声で挨拶を返す。

佐々木功は、立ち止まって晶を振り返った。
「おーっ?」佐々木功は、ニコッとして晶を見た。晶は、チラとそれを見て視線を逸らす。心臓がバクバクして直視出来ない。推しを間近で見たファンというやつである。なにか、何か話さないと。いつも、元気だねって見てます、じゃなくて。カッコイイですね、じゃなくて。あのえと。

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佐々木 功です。え。ありがとう。晶ー!なんか挨拶だって。晶です。え? えっと。え。柚子です。お金は大事だよ〜♪お気持ちだけで。