波のカナタ 高3_7 入院

波のカナタ 晶 功 陸 3

  佐々木功が、晶の入院している病室に入る。晶は、ベッドに静かに横になっている。

 「晶!」晶が、功くんと呟いてベッドの上で起き上がる。

「ごめん、晶。俺のせいで!!」

「お前のせいじゃねえだろ。__俺さ、人になかなか心開けなくて。それでか、嫌われんの慣れてるけど。あそこまで憎まれるなんてさ。ホント心当たりないんだけど。……アイツ、功のこと好きだったのかな」

「そんなワケない! 俺、アイツ大嫌い!!」

「俺も。まあ、もう学校行くの止す。どうせ3学期は自由登校だし」

「受験できる?」

「多分な。けど、勉強出来ないから不合格かも。結構出遅れてるし。ホント運ねえな、俺」

「なんか俺にできることない?」

「お前、入試大丈夫なの? 勉強全然してないだろ。二人で浪人することないからさ。お前は今日から追い込みかけて第一志望受かれよ。そんくらいかな」

「あ、俺問題出そうか」

「もういいから、高校とか塾とか行って勉強しろって。合格したら、また来て」ごめん、と言いかける佐々木功の携帯が鳴る。携帯鳴ってるよ、と晶に言われ功が携帯を見る。佐々木功、携帯の名前をチラと見るが、出ようとしない。晶が、誰? と聞いた。なんでもないと答える功。

「でないの?」イイ、と切ろうとする佐々木功から晶が、シュッと功の携帯を取る。

「貸せって」功が、あ、と思ったときには、晶が携帯に出ていた。

「もしもし」晶が、佐々木功のモノマネで電話に出る。以下、功の演技をする晶。

「……さっさん?」

「うん」晶である。

「……話、聞いてくれる?」ん、と答える晶。

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佐々木 功です。え。ありがとう。晶ー!なんか挨拶だって。晶です。え? えっと。え。柚子です。お金は大事だよ〜♪お気持ちだけで。